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#52 「バレンタイン・デイ」

バレンタイン、バレンタイン、、バレンタインと書いているとチョコを送る日ではなくてサッカー選手の名前のように感じてきてしまう。
「バレンタイン・デイ」

今日はバレンタインDayですね。


小学校の頃。

ともだちがずっと片思いをしていた男の子が、私と同じマンションに住んでいた。

彼女は本当に一途で、ずっと彼のことがすきで、私はたくさん話を聞かせてもらった。彼の話をしている彼女はいきいきしていてとても輝いていたから、私はその時間がとても好きだった。

サッカーをしていて運動神経が抜群な反面、ピアノを習っていて昼休みはひとりで教室のピアノを弾いている。

、、今考えると粋な小学生すぎるな。

私は違うクラスだったし、同じマンションだからといって休んだ日に連絡網を届けてもらうくらいしか接点がなかったが、

彼女から聞く彼は、キラキラとミステリアスを持ち合わせていて、意図せず溢れだしてしまうギャップで心を掴む男の子だった。

それでだ。
遂にバレンタインの日に、彼女は私に言った。

「彼にチョコを渡して告白をする」

マンションの駐車場で渡すから、見守っていて欲しい、と。

私の家の駐車場で遂行されるその行為が、私が初めて見る友チョコ以外のバレンタイン。

誰よりも緊張して見ていた。車の影からそっと、絶対に見えないように、見守っていた。


今でも鮮明に覚えている。
私が初めて尊いと思ったバレンタイン。


そして私がバレンタインを友人以外に行うのが、この10年先の話であるのを、この時の私はまだ知らない、、、


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