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Withコロナ(ニューノーマル)の地域サロンの開き方

とか大それたタイトルにしてみました。
してみたんですが、実際のところはもちろん試行錯誤中です。笑

2018年にクラウドファンディングでたくさんの人に応援してもらって、地域サロンを開設し、そこで多くの世代間交流を生んできました。
構造としては、一階がサロン、二階が学生向け勉強スペースになっていて、日常の中での交流を目指しています。

2年目の2019年度には、1年間で延3412人(うち高校生・大学生が2044人)の人が来てくれました。
ちなみに、勉強スペースの大学生以上が200円/日、高校生以下と地域の方々が100円/日で、利用料の年間収入約500,000円でした。

メインは高齢者と若者ですが、ママさん向けスペースがあったり、子供の遊び場があったりしてイベントも定期開催していました。
あ、今年も流しそうめんやりたい。

目指しているのは、多世代の交流の場と、それぞれが地域のプレイヤーになる空間です。

同じような取り組みは全国的にあると思います。
コロナの影響を受け、その人たちも

「いったいどうやって地域サロンやればいいんや」
「新しい生活様式って言われましても」
「フェイスシールドかぶったおばあちゃんって、それもうおばk、、、、」

などなど、いろんな声があると思います。

ちなみに、サロンを休止して地域のおじいちゃんおばあちゃんから言われたのは
「家で一人でいると寂しい」
でした。

グサって感じですね。

休止にしていましたが、ここだけの話、サロンの外にあるベンチにはなんだかんだ言ってみんな少しだけ集まってきてしまっていました。

外のベンチに座るなというわけにもいかず、悩み悩みでしたが、おばあちゃんに
「家に一人でいると寂しくて。ダメって言われてもきちゃうんだよね。ちょっとでもいいから」

とか言われて、超葛藤させられた自粛期間でもありました。
そんな経験を経て、今後の「地域サロン」のあり方について考えてきました。

そして、緊急事態宣言が解除された今
再開にあたっての【具体的方法論】と【考え方】についてをまとめます。

ここでの話は、あくまでも
・一般社団法人えんがおではこのやり方ですよ、という話
・医師を中心に、数名の医療関係の仲間と共に考えた方法
・この形が必ずしも「正解」ではない
という点にご留意ください。

①方法論について

まず具体的な方法についてですが、何度かの相談の末、えんがおでは

・入り口に注意書きと消毒液(画像参照)
・サロンの椅子を1メートル程度離すこと
・椅子の位置にマークをつけること
・正面に座らないように設置すること
・常に換気をすること
・暖かい時は極力入り口を開けたままにすること
・暖かい時には極力外のベンチでお茶のみ
という方法でサロンを実施しています。

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国の方針なども読み込みんでいくと、いろいろポイントはあるのですが、
現場の悩みとして
ソーシャルディスタンスをがっつりとってしまうと高齢者サロンでお互いの声が聞こえない
という致命傷が見えてきます。笑

もちろん、だから感染していいと言う話ではなく、その中でどういう対策を取るか、ということですね。
その中の、私たちはこうしました!という話です。

この具体的方法論でサロンを実施していくには、本当に大切なのは
実は②の【考え方】になります。
ちょっと長いです。

②考え方について

一人暮らしのおばあちゃんが、一人でいるのは寂しいので地域のサロンにお茶飲みにいくとします。
すると、たくさんのリスクがあります。

転ぶかもしれない。事故にあうかもしれない。犬に噛まれるかもしれない。食中毒にかかるかもしれない。ナンパされるかもしれない。重要な闇取引現場に遭遇して黒い人に見つかって薬を飲まされて若返るかもしれない。頭はおばあ。体は子供。

そもそも、生きてるだけでいろんなリスクに囲まれているんです。
コロナが猛威を奮って、一番気を付けなきゃいけないし、人にも影響するし、わかりやすい。
だけど、コロナが流行る前からずっとリスクはあったんですよね。
当たり前ですが。

わかりやすいリスクが出ると、そればっかりに目がいって、まるでそれさえ避けられればオッケーみたいな空気になる。
でも違います。
そもそもリスクはたくさんあって、リスクを0にしよう、ではなくて、あくまで「共存」です。

それで重要なのが、何かを「開催する側」、ここで言う「サロンを開催する側」がやるのは

「決めること」ではなくて「選択肢を提示すること」

です。

転倒に対しては、こんな対策をします。
インフルエンザに対しては、こんな対策をします。
黒ずくめの組織には、こんな対策をします。
新型のウイルスには、こんな対策をします。

「サロン再開します。来ますか?」

ここまでです。

僕らのサロンにも、以前よく来てくれた近所の方で「まだコロナ怖いからお休みしてます」という方がいます。
普段から少しでも体調が悪いと休んだり、風が流行ったりしているとこないようにして自分で調整されている方です。
その方は、問いに対して「行かない」という決断をしました。素敵です。

別のおばあちゃんは「家にいると寂しくてくるしい。どうせあと何十年も生きるわけじゃないんだから、今を楽しく過ごしたいの」
と、サロンの再開を喜んでいました。

大切なのはここです。
自分の答えは、みんなそれぞれ自分で出せるんです。
こちらが何かを決めつけるのではなくて、あくまでも選択肢を提示していけばそれでいいんです。

もちろん、可能な限りの感染対策をします。(国の方針にしたがって)
緊急事態宣言などに従って動きます。
そういう、社会のつくった輪郭には従うのは当然ですが、そこから先は選択肢を作るところまで。

立場や環境によって答えも変わるかと思いますが、ひとまず
「地域サロン」「地域のお茶飲み場」「地域の通いの場」に関しては、このスタンスでいいと思っています。

実施していく上であくまでも主語は「サロンに来る人たち」です。
本人たちが決めることなんです。

すると、今度はそのことを伝える必要があります。
一般社団法人えんがおでは、こんな紙をおきました。

ざっくり言うと
・リスクあります。できる限り対策はします。でもリスクあります。
・リスクがあっても来たいという人はどうぞ
・リスクは0にならないので、「共存」しましょう

です。

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実際には、おじいちゃんおばあちゃんみんな
「そんなこととっくにわかってるよ〜笑」みたいな感じですが。

そうですよね。
何十年も生きてきて、そんな当たり前のこと、みんなわかってるんですよね。
リスクがあることも知ってて、それで「選択」して生きてるんですよね。

というわけで、再確認してるのは意外とぼくら運営側です。
一緒に再確認して、この状況、これからの状況でできる
「人とのつながりをつくる」ための方法を探っていければと思います。

繰返しになりますが、これはあくまでも僕らが、僕らの周りの人と、このサロンに通いたい人たちで出した答えです。
これが完璧ではないし、全ての状況で共通ではありません。

公開する上でのリスクももちろんありますが、この情報が、少しでも同じようなことで悩む方々の参考になれば嬉しいです。

また、もっと込み入った話など、地域づくりの中でお悩みの方で僕たちで何かお手伝いできることがあれば、いつでもこちらまで連絡ください。

おしまい

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