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哲学と宗教全史(ダイヤモンド社)

サクサク読めて楽しい。けどとても物足りない。
というのがこの一冊の読後感だった。

「哲学」とはなにか?
「宗教」とはなにか?

どちらも概念としての輪郭を明確に定義しようとすると非常に難しい。少なくとも自分では説明はできない。(「"哲学的"とはなにか?」というのは、この前に読んだ ニューQ でも扱われていた。言葉にすると難しいんだけど、共有している感覚はものすごくあるんだよな…)

人類の歴史と並走しながら哲学と宗教を概観していくと、どちらもが時代背景からは逃れられないものであるということが強烈に印象付けられた。宗教はその時代の為政者の都合によって隆盛が変わるという事実からは逃れられず、哲学はその時代に横たわっている「暗黙の当たり前」に対する疑問が提示されることで大きな転換点を迎える。

また、どちらの転換も、その時代に生きている当事者から見ればとても長い時間がかかる。昨今の組織のパラダイムの転換、みたいな議論をしているときに、「導入しました」とか「うちはパラダイムが変化しました」とかいう言説を見ると、本当はこれくらい俯瞰してみないとわからないものなはずでは・・・とつい斜に構えて捉えたくなる。

#哲学 #宗教 #歴史

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