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伊香高校断熱ワークショップ 企画趣旨編

令和5年12月14日、15日、県立伊香高等学校において断熱ワークショップが開催されます。今回はワークショップの企画趣旨や運営体制について、エネシフ湖北の立場からレポートします。(ちなみに、「イカ」高校と読みます。)

学校教室断熱ワークショップとは?

実施するのは、高校生が普段使っている教室に、生徒達が自ら断熱材を入れたり、簡単な工事を体験するというワークショップです。現在、長野県を中心に全国各地で開催され、注目が高まっている取り組みです。

今回、滋賀県では初となる断熱ワークショップが伊香高校で開催されることになりました。

ワークショップ開催の背景

次に、ワークショップ開催の背景です。伊香高校では、「Go Beyond〜超えてゆけ〜」を合言葉に、高校をより魅力的にしていく活動(魅力化推進事業)に、令和4年度から取り組まれています。

そして、その活動の一つの柱が、新学科(仮称)「森の探究科」の設置であり、地域と連携した学びの場を創るべく様々な検討が行われているようです。

現在、2年生の自然環境コースの授業「環境1」のなかで、環境意識の醸成と地域の課題について学習を進めてられており、その一環として生徒による教室の断熱改修ワークショップが企画されました。

なぜ"断熱"のワークショップなのか?

【気候変動対策、環境教育】

開催の背景にあるのは、気候変動の問題です。断熱性能を高めることで省エネを図ること、その取組を体験することで環境教育に繋げることです。

でも、このワークショップは世界や日本の大きなレベルの遠い話ではありません。もっと身近なテーマにも関わっています。

【学習環境の向上】

断熱は教室の学習環境を向上させることに繋がります。学校の教室は夏暑くて、冬寒い。そんな環境で勉強してもなかなか集中できません。学生自ら教室の断熱施工をすることで、主体的に自分達や、後輩達の学習環境を良くすることができます。

【キャリア教育】

次に、学生のキャリア教育の機会になります。今回、地域の大工や建築関係会社、そしてOB達に協力いただいており、学生と地域の社会人が交流する機会にもなります。

実は、伊香高校は地元就職率が高く、実際に地元の工務店や大工さんとして活躍するOBも多くいます。こうした人々と接することで、キャリアについて考えるきっかけにもなるのだと思います。

しかも、こうした職業は、今世界で話題となっている気候変動の問題の解決にも関係があり、うまく組み立ててれば地域の成長産業にもなる可能があるという訳です。

地域の可能性、世界の課題、そして自らのキャリア。こうした複合的な学びを、体験を通じて学んでもらう機会を作りたいと思っています。

企画・運営体制について

断熱ワークショップの主催は伊香高校です。まず、伊香高校の担当の先生や校長先生のやる気がすごいです。学校側の熱量がなければ、そもそも始まらなかったプロジェクトです。

また、学校だけでなく、多くの主体が連携することで実現しています。断熱ワークショップの開催にはいろいろなハードルがあるなと感じておりますが、今回はとても良い巡り合わせ、良い座組みができたことで、ここまで進めてこれました。少し紹介します。

【伊香高校同窓会】

一つの教室とはいえ断熱工事を行うため、いろいろと費用が発生します。そこで大きな役割を果たしているのが伊香高校の同窓会です。資金面含め、多大なる協力をいただいております。

【株式会社エネルギーまちづくり社】

安全性や学生の学びを考慮した工事やワークショップの組み立てについては、株式会社エネルギーまちづくり社の内山章さんにご協力をいただいております。内山さん達は、全国各地でワークショップを開催されており、これまでの経験をもとに様々なアドバイスをもらいました。ワークショップ当日もお力添えいただきます。

【エネシフ湖北】

また、エネシフ湖北も共催という立場で関わらせていただいております。施工・工事を担う地域の人々や、エネルギーまちづくり社さんとの繋ぎ役、コーディネートに加え、「打ち上げ花火」みたいに一回やっただけに止まらず、地域に波及していくための工夫についても、伴走しながら一緒に考えるようにしています。

【施工チーム】

そして、最大の立役者といっても過言ではないのは、施工内容の企画・建材調達・下準備を担ってくれた施工チームです。特に、若手大工の岡尾くん(岡尾.s建築)が中心となって、企画・調整をしてくれました。

教室の断熱施工を「ワークショップ」という形式で高校生に体験してもらうという、地域にとって経験したことのない内容だった訳ですが、責任を持ってやってくれています。頼もしい限りです。

その他にも、今回の短いブログでは紹介しきれないですが、多くの方がこのワークショップに関わっています。

断熱ワークショップは、学校や子供を真ん中に多くの人が関わり、協働・共創していく、とても面白い取組だと感じます。

今日のところは以上です。

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