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土屋仁応「進化論」(銀座・メグミオギタギャラリー)

銀座のメグミオギタギャラリーで開催中の、土屋仁応よしまさの彫刻展「進化論」(2022/11/18-2022/12/10)に行ってきた。第2作品集『進化論』(求龍堂)が発売されたばかりで、そのお披露目的な展覧会。
3年前にも、同じメグミオギタギャラリーで、土屋仁応の展覧会を見たが、当時は、木彫作品ばかりだった。近年、木彫作品を作り、そこから型をとって、樹脂を流し込んで作ったものを丁寧に仕上げ加工した作品を多く作っており、今回の展示作品の中にも樹脂作品が多くあったが、木彫とは違った風合い、発色で、怪しい色気があったりもして、これも興味深い。小ぶりの樹脂作品はお手頃価格で頒布されたりもしており、手の届く現代アートという感じ。『進化論』の特装版を求龍堂のウェブストアで予約受付中で、それには、土屋仁応のネッシーの樹脂彫刻がつくらしい!
今回の目玉作品は、トップ画像にした「始祖鳥」。ポスターや新聞の案内などでも写真を見たが、実物の迫力は小さい写真では伝わらないな、と思った。木彫作品は、目を別に入れてあり(樹脂作品は目まで型取りして成型されたものに着色。でも象嵌のように見えた)、水晶が入れてある作品もあるが、この始祖鳥はガラスの瞳で、その瞳を作ったガラス工芸作家田中福男の作品展「枝に伝える」も同時開催。アクセサリや文鎮などの小さめの作品が多いが、透明感のあるガラスの中に沈み込んだ文様の美しさや謎めいた雰囲気が魅力的。始祖鳥の瞳も、目線を合わせて覗き込むと引き込まれそうになる。

土屋は東京藝術大学の彫刻科を卒業後、同大学院美術研究科文化財保存学専攻で仏教美術の古典技法と修復を学んでいる。それって、わたしがしばらく前に読んでとても面白かった、樹原アンミツ『東京藝大 仏さま研究室』(感想ここ)のモデルとなった研究室に所属していたってこと? 今回は人間をモデルとした作品はなかったが、3年前には仏像的な彫刻作品も展示されていたのを記憶している。

さて始祖鳥。

尾羽がすごい迫力。
羽根の途中に鉤爪。



樹脂作品。
目元や鼻先から光を発しているよう。
ざらっとした表面の雰囲気と虹色の彩色。
爪先も光を帯びた感じ。
ちょっと、『こちらあみ子』の表紙の木彫作品に似ている。
右端の木彫作品から型を取って複製された子たち。


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