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遠藤良二の短編小説集

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短編小説「森の中にいた異能者との出逢い」「初恋」「抱擁」「嘘」「未来」「俺と彼女の行く末」「生と死」「嫉妬」「欲望と病魔」「憎悪、そして……」「劣等感と生きるためのヒント」「夢」…
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2024年1月の記事一覧

【短編小説】奥手な男の女事情

【短編小説】奥手な男の女事情

#短編小説 #一次創作 #奥手な男の女事情

 今日、僕は初めて女性を抱いた。二十二歳の夜のことで僕は
山形誠也という。女性は斉藤御子
といい、二十四歳。御子さんとは大学時代に同じ卓球部で知り合った。僕たちは交際しているわけじゃない。僕はお酒は呑まないが御子さんは大好きのようだ。以前飲み会があって御子さんに誘われた。彼女が僕に気があるのかはわからないが、酔った勢いで帰り際、僕を御子さんの部屋にあげ

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レス

レス

#レス

 妻との性行為がなくなって約三ヶ月になる。妻が家族になり、出産も含めて女として見れなくなっているのと、仕事で疲れているのと、息子が起きたら、と考えたらできなくなったのだ。

 僕は山際悠といい、三十五歳。小説家を目指す傍ら、生活のために焼き肉屋でパートをしている。僕だけの給料だけじゃ足りないので妻にも働いてもらっている。

 妻は正子といい、三十七歳。スーパーマーケットでパートをしている

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【短編小説】夢を抱く少年たち

【短編小説】夢を抱く少年たち

#夢を抱く少年たち

 僕は嬉しい夢をみた。それは、彼女ができて更に、小説を書いて新人賞を取った、というもの。実際の僕には彼女はいないし、新人賞もまだとってない。

 彼女は欲しいし、新人賞をとって小説家としてデビューしたい。僕の
名前は夏目勇三、15歳。受験生だ。僕は地方のレベルの高い高校に行こうと考えている。両親に話したら、
「合格できそうなら受けてみろ」
 と言っていた。

 父の力強い励ま

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【短編小説】苛めと病気

【短編小説】苛めと病気

#一次創作 #短編小説 #自殺未遂 #精神科 #うつ病

 今日、僕は死のうとしている。自殺は死後、地獄に落ちると聞いたことがあるが、それならそれでも構わない。好きにしてくれ。

 僕が何でこんな気持ちになったかというと、「苛め」が原因だ。同級生から誹謗中傷を受け、心はボロボロになっている。

 でも、教師や親には言っていない。なぜ、言わないのかと言うと、言えば苛めが更にヒートアップすると思うから

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