【告知】詩と絵の展示「きみと猫と、クラムチャウダー」&周辺オススメスポット
1.詩集『きみと猫と、クラムチャウダー』刊行とご感想など
2023年11月26日、ついに念願の詩集『きみと猫と、クラムチャウダー』(七月堂)が出版されました。
もう、すっかりnoteの書き方も忘れてしまったので、詩集を作った経緯だとか、思いだとか、そういうものを何度も書こうと思ってみてはやめて……そういうことの繰り返しでした。
気づいたら、もう2024年になっていて、2月もなかほどに差し掛かろうとしています。詩集自体は、2023年の11月11日の文学フリマ東京で先行販売してからというもの、多くの人に手にとっていただいて、さまざまなご感想をお寄せいただけました。
そういうお声をありがたがっているうちに、11月26日の刊行日を迎えました。毎週のように通っている紀伊國屋の新宿本店に平積みになっているのを見たときは、涙が出そうでした。自分でも、小さな書店を地道にまわって、緊張しながら本をお渡しして、置いていただくことになったときは、このうえない喜びでした。仕事に時間をとられて、まとまった時間もとれないので、少しずつ、少しずつ、謹呈や献本をまとめて、お手紙を書いて、ということも続けてもきました。
それぞれの軌跡については、また折にふれてお話ししていきたいと思います。
今回は、また大きなお知らせです。
2.詩と絵の展示『きみと猫と、クラムチャウダー』
詩集が刊行されただけでも、僕にとっては大きな出来事なのですが、この度は、詩集刊行記念として「詩と絵の展示会」が行われることになりました。
ちょっと盛りだくさんの内容なので、一旦、トピックをまとめます。
⑴日時・場所
⑵CONTENTS
一つずつ簡単に説明します。
①カトウトモカ描き下ろしイラストの展示・販売
装画を描いてくださったカトウトモカさんが、詩集をイメージしたイラストをさらに数点描いてくださることになりました。すでに一枚、拝見させていただきましたが、とにかく早くみなさんに見てほしいです。カトウさんの絵は、ただかわいいだけじゃない。なんだか、生きていることの「悲哀」のようなものも、しっかり抱え込んだ絵をお描きになる。そういう、ポップなんだけれど、ちょっとかなしいのがいいですよね。今回の詩集が生まれるきっかけになったと言ってもいいほどの大事なイラストレーターさんです。
②詩の展示(手書き原稿あり)
こちらは、詩集のなかから、一部を展示いたします。お恥ずかしながら手書き原稿もあります。展示場所が古書店内ということもあって、いろんな本と響きあえたらいいなあと思っています。
③『You, a Cat and Clam Chowder : 詩日記』の展示
2022年の2月、なぜか毎日のように詩が書けた奇跡の一カ月がありました。そのころの原稿を、一切手を入れずに、一冊の冊子にしました。今回の詩集に収められた詩の原型だったり、カトウさんにイラストを描いていただけるようにお願いにあがる場面だとか、詩集を構想しているところが出てくるので、詩集の「B面」や「メイキング」としてお楽しみいただけるかと思います。B5版の冊子で70ページちょっとありますので、ソファに腰掛けて、ゆっくりと七月堂でのお時間を過ごしていただければと思います。
④詩やイラストをモチーフにしたグッズの販売
今回は、七月堂さまも総力を上げて、詩やイラストのグッズ制作に励んでくださっています。クリアファイルが4種類(カトウさんイラスト×2、詩×2)、アクリルキーホルダーが4種類(猫二種、クラムチャウダー、女の子)、ミニポスター2種など、その他いくつかのグッズの販売が予定されています。アクリルチャームを手に取って見ましたが、これは絶対に買わずには帰れないと思います……カトウさんのイラストがお手元に……。七月堂さん、ありがとうございます。
⑤来場者特典:イラストと詩
展示に来場いただいた方、限定50枚配布のフリーペーパー(描き下ろしイラストと詩集未収録の詩篇)がもらえることになっています。お早めにどうぞ。
⑥松下育男×佐々木蒼馬トークイベント「詩人と勤め人」(2月25日(日)18:30〜)
草間小鳥子さん、佐野豊さんに続いて、七月堂で松下育男さんと対談をさせていただくことになりました。実は、僕は松下さんの「詩の教室」の参加者ではなく、まったく別のご縁で、セッティングしていただけました。今回は「詩人と勤め人」というテーマでお話しします。僕が「勤め人」の代表であるとか、そういう話ではなく、松下さん自身が「勤め人」として、長らく詩を書かなくなった時期もおありなので、「詩」と「勤め」のあいだで、どのようなことを考えていたのかうかがってみたかったからです。
トークはインスタライブでも中継されますが、立ち入った話や朗読などは会場に来場された方のみとなります。あと、若干名(1、2名…?)はお席がございますので、以下よりご予約ください。メールをお送りするだけで予約できます。
トークイベント参加者にはお土産がございます。
⑦カトウトモカ似顔絵イベント(詳細決定次第)
日時などは詳細が決定次第のご報告になりますが、なんと言っても、カトウさんは似顔絵の名手です。僕は三度くらい描いていただいたような気がしますが、信じられないようなクオリティの絵をさっさと描いてくださいます。ちなみに、僕のアイコンはカトウさんが描いてくれた似顔絵です。ぜひ、続報をお待ちください。
この他にも、何かあるかもしれないですが、七月堂のお店に来るだけでも価値があると思います。こんなに「詩」の本が揃っているところは、他に類を見ません。古書はもちろん、新刊も、個人誌レベルのものまで、一日いても飽きないほどですので、ゆっくりと本屋で過ごしに訪ねてみてください。
ちなみに、七月堂のある「豪徳寺」は、「招き猫」で有名なところです。細い路地の入り組んだ町を楽しむのもよし。テラスハウスが好きだった人は、撮影に使われた大きな家を探してみるのもよし。ちょっと足を伸ばして、ドラマ「silent」の舞台を歩いて、峯澤典子さんの『微熱期』(思潮社)を読むもよし。また、「豪徳寺駅」は世田谷線の「山下駅」とも隣接しているので、小さくてカラフルな路面電車のような世田谷線に乗って世田谷散策にお出かけしてみるのも楽しいです。
以下、おすすめの場所をお知らせ。
3.おすすめスポット
①アイアンコーヒー
七月堂に向かうときや帰り道に、便利なコーヒースタンドです。
たまに「仕事帰りですか?」とか声をかけてくれます。
「七月堂に行きます」と答えましょう。
②旧尾崎テオドラ邸
七月堂からほど近いところにある明治の建築、「旧尾崎テオドラ邸」。2020年に取り壊されるところを、『天才柳沢教授の生活』で知られる漫画家・山下和美さんらによってクラウドファウンディングなどで保存活動が行われ、2024年の3月1日にグランドオープンのようです。ギャラリーや喫茶室もあるとのことで、わくわくが止まりません。僕もまだ見たことはありませんが、今回の展示を機会に足を運んでみたいですね。
③羽根木公園の梅園
豪徳寺駅から歩いて15分ほどでお隣の梅ヶ丘駅までいけます。「羽根木公園」には梅園がありますので、ちょっとつまむものを買って、梅を見ましょう。詩人、いや、詩神の菅原道真さんにあやかりましょう。ちょうど梅まつり開催中です。
④松陰神社
ちょっと歴史散策が好きな方は吉田松陰ゆかりの神社、松陰神社に行ってみましょう。世田谷線「山下駅」から4駅目の「松陰神社前」です。10分もかかりません。駅前には、「ブーランジェリースドウ」という大人気のパン屋さんもあります。運が良ければ買えるかも?
⑤大当たり
小田急線「豪徳寺駅」の隣駅「経堂駅」。こちらも大当たりな駅です。たくさん食べるところもありますが、なかでも腹をすかせた者たちの味方が「大当たり」です。あまりにも美味しくて、ごはんが何杯でも食べらますが、これを食べたあとに七月堂に来られますと、まわりの人たちの食欲もそそってしまうような香ばしすぎるかおりになるので気をつけましょう。焼き上がりまで時間がかかるので、「酢もつ」を食べて待っていましょう。
⑥ハルカゼ舎
小田急線「経堂駅」に来たら、本好きさんたちは絶対に好きな文房具店「ハルカゼ舎」さんにも寄ってみてください。詩が書かれた鉛筆など、かわいい雑貨がたくさん。こちらも「大当たり」後に来店すると、雰囲気を壊してしまうので気をつけましょう。
⑦twililight
世田谷線で「三軒茶屋駅」まで足を伸ばすと、こちらにも素敵な本屋さんがあります。ちょっと隠れたところにあるので、見つけるのが難しいかもしれません。パン屋さんの二階だと覚えていれば、間違えません。三軒茶屋にいるとは思えないような静かな空間で、素敵セレクトな本を読みつつ、美味しいケーキとドリンクをいただけるカフェコーナーもあります。特に夕方の3階の屋上からは、美しいグラデーションの空を見ることができます。ちなみに、『トワイライライト』という小説があって、この場所を舞台にしたものです。現実と虚構が入り混じって、この場所にいることがなんだか不思議に思えてきます。そういう、物語のある場所。僕の詩集も、こっそりと、棚に刺さってます。見つけてみてくださいね。twililightのあと、お腹が空いたら近くの「來來來」でちゃんぽんを食べてあったまりましょう。「ライライ」めぐりです。
⑧本屋B &B
おそらく、「詩と絵の展示」にいらしてくださる御仁は、やはり本屋さんがお好きだと思うので、もう一軒、本屋さんです。歩くのがお好きな方ならば、「豪徳寺駅」から歩いていくこともできます。「世田谷代田」あたりから「下北沢」の道はおしゃれで楽しいので、お時間があれば歩いていくことをおすすめしますが、お急ぎの方は小田急線に乗りましょう。本屋B &Bは、実は「ブック&ビール」なんですね。なので、文化的にビールが飲めてしまうおもしろいお店です。この本屋さんは下北沢のボーナストラックという施設にありまして、周辺には本しか読めない「フヅクエ」さんや日記に関係するものばかりが集められた「月日」さん、あとは小さな飲食店があるおもしろいエリアです。ここでずっと過ごせるくらいなので、また時間があるときにでも行ってみてくださいね。
他にも、いろいろとご紹介したいところもありますが、まずはこんなところで。
さっと、立ち寄ってみたり、一日ゆっくり過ごしてみたり、ぜひお越しください。
──出店・出演者プロフィール
※七月堂noteより転載
松下育男(まつした・いくお)
1950年福岡県遠賀郡水巻町生まれ。早稲田大学政経学部卒。新卒で入社した会社に定年まで勤務。詩集に『肴』(H氏賞、紫陽社)、『現代詩文庫 松下育男詩集』(思潮社)、『コーヒーに砂糖は入れない』(思潮社)、他。講義録『これから詩を読み、書くひとのための詩の教室』(思潮社)。
X:@fampine
note:https://note.com/brainy_pansy893
佐々木蒼馬(ささき・あおま)
1985年神奈川県横須賀市生まれ。國學院大學大学院文学研究科修了。詩誌「26時」同人。2022年、「第11回びーぐるの新人」受賞。主な著作に、第一詩集『きみと猫と、クラムチャウダー』、評論『言葉の檻のなかで吼えている獣 中島敦の詩的遍歴』(私家版)、詩誌「詩とサウナ」がある。
X:@ssk_aoma
Instagram:ssk_aoma_26
note:https://note.com/endeavor_blue
カトウトモカ
イラストレーター 。 コーヒーと、つよそうな植物がすき。
X:@okaca__
Instagram:tmktmk_
https://tmk-okaca.wixsite.com/home
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