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【未来への投資】

1.看護師と子育て

看護師という仕事は、夜勤や土日祝勤務ができることが正社員の条件であることが、多いですよね。

しかし、子供を産んでみてわかった事実は、世の中は日祝夜間に預かってくれる託児所はない!

あったとしても超高額。
シッター雇ったらもちろん超高額。

院内託児所や施設内託児所を併設している職場も結構増えましたが、それも未就学児のみの対応。

噂によく聞く、小一の壁に嘆く先輩をたくさん見てきましたが、もはや小一になれば正社員は諦めるしか道はないといっても過言では無い。

夫や両親が協力的という恵まれた家庭の人くらいしか、正社員を継続は難しい現実。

(夫頑張れよ!!)

シッターを雇ったところで、働くより高いお金がとられるだけ…そして、そうまでして続けたとて、企業のような昇給や恩恵は何も無い。

そうなってくるともはや諦めて、小一からは退職かパートタイマーになるという選択をする人がほとんどなのです。

(幸いブランクあっても復帰しやすいのが資格職の強みですしね)

つまり、看護の世界でのパートタイマーって、経験豊富な強者揃いなのは当然なんですよね。

勤務体系が合わないだけでパートになってるだけの、能力者なんだから。

たまに勘違いしてパートを雑に扱う組織がありますが、医療や介護のパートさんたちは、大事にすると数年後に戦闘力高めの即戦力正社員に変身します。


2.女の敵は女?

看護師は昔からずーっと女の職場。
それなのにこれらの子育て問題が全然解決されないのは何故なんでしょう…

定年前後の先輩のお話によると、昔は職員同士で子供を預けあったり、近所の人にまでお願いして仕事を続けていたそうです。
あとは職場に連れてきて駐車場に野放しとか。

とてもじゃないけど、現代では考えられないですね…

つまり、各々の個人の努力に支えられてきたということです。
今は夫や両親が頼れる環境に恵まれた人頼り…もはや運じゃないか。

働き盛りの30代〜40代がごっそり抜けるだなんて、組織にとって大きな損失。

おそらく組織側も、看護師の加算がとれてりゃいい、30代がいなけりゃ新卒でとればいい、という考えのままなんでしょう。
(これは予想だけど見てきた限りだとそんな印象をうけます)

職場全体のバランスや仕事の質を考えたら、その世代がごっそり抜けることは恐ろしいことです。
一般企業なら当たり前に想像がつくことが、医療では何故うやむやにされるのか…


「子供ができた?いつ退職する?」
「子供小さいの?休まれたら困るからうちにはいらないわ」
「子供が熱?連れてきて空きベッドで寝かせときなさい」
「子供がいるからなに?独身に仕事押し付けないでよ」

これは実際に子育て看護師が言われた言葉の数々です。

この待遇から想像出来ることは「女の敵は女」という現実。

私もそうされたから仕方ない?
子育て中はそう言われても仕方ない?

いいえ!仕方ないことありません。
そんな事、本来は許されてはいけない本物のハラスメントです。

そんな職場はこちらから捨ててやれ!


3.未来への投資


私も自分のキャリアなんて、とうの昔に諦めていた頃、前職施設師長に出会いました。

この方自身、離婚も経験されていてライフワークバランスをとても大切にする人でした。

師長がシングル時代は、娘さんを車に寝かせながら仕事をした事もあるそうです。
今は再婚され、娘さんも成人されています。
その娘さんから「弟の学校行事は行ってあげて」と言われた時に反省したそうです。

その時、お母さんが必死だったことを娘さんはわかっているし、恨んだりもせず親子関係は良好です。それでもやはり、娘に手をかけてあげられなかった後悔はあると話されていました。

親の代わりはいない。子供はそのうち成長して離れていく。仕事はそれからでいい。

師長はいつも、学校行事や急な病欠も対応してくれ、それが当たり前の環境なので周りのスタッフで文句を言う人もいませんでした。

師長が作り上げた10年。
その間に、パートで採用された方は現在主任になりました。

フルタイムパートだった私を、上にかけあって契約社員にしてくれたのも師長です。

そのおかげで私は、介護保険の仕組みや地域との繋がりを学び、終末期看護やリーダー業務、介護員向け研修の講師にも初挑戦するなど、たくさんの経験をすることが出来ました。

そしてそれは私の中で立派な看護師のキャリアとして自信に繋がりました。

「パートさんを大切にする事は未来への投資」師長はそう話していました。

子育て優先、それでも諦めなくていい事は諦めない。師長の作り上げた医務室は今でも私の理想です。

私が家庭の事情で引越す事になった時にも、最後まで私のために奮闘してくれ、私も一緒に戦いました。
(そこは力及ばず…)

結果的に今は別々の職場で働いていますが、今も時々アドバイスをもらう、第二の母のような存在の人です。


4.今私にできること


医療のような不規則勤務の仕事だと、長年勤めてる人、昇進できた人は子育て環境に恵まれた人であり、必ずしも優秀とは限らないことが多いですよね。

正直、無能な管理職が君臨していると環境を変えるのはかなり難しいです。

あの師長の下だからこそ、ライフワークバランスを叶えられたし、スタッフ同士が円満に仕事出来ていたんだと言うことはわかっています。

だからと言って、私は今の職場で諦めたりはしません。

自分ができる精一杯をやろう。

私はあの師長の作り上げた医務室を広めていきたいと考えています。

「皆で定時上がりできる環境にしませんか?」「いつ誰が休むかわからない。だからこそ誰もがフォローできる環境にしましょう。」
「仕事は楽しいものです!楽しまなきゃ損です!」「パートだから諦めるなんてこと、しなくていい!」

暑苦しいと思われてるかもしれませんが、私はこれらを口にだして、業務改善真っ只中です🔥

ちょっとだけ、賛同してくれる仲間も増えてきています。
理想の医務室にはまだまだ程遠いけれど…

自分に出来ることを1つずつ。

何か1つでも変えていければ、いつか夢は実現する。貴女が働きやすいと思う職場を、作り上げてみてください。

師長からのうけうりの言葉で締めくくりとさて頂きます。

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