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葬祭カウンセラーが命を削った葬儀。ETV特集「弔いの時間(とき)」、2025年1月半ばまで配信延長

長女が自決して、来週でまる3年になります。

3年前。
コロナ蔓延防止まっさかりのなか、友人の運営するホール想送庵カノンで、4日間にわたる葬儀をおこなう運びになりました。

なにせ、彼女は都立高校に6年間も在籍していたので、同級生の数も膨大。

1日とか2日では、密になってしまう。たまたま、今週はほかの葬儀が入っていないから、4日間ずっとやって、「三々五々いらしてください」と案内しよう!

ホールオーナーの言葉に、一瞬、「体力も気力も、持つはずがない」と思いました。
なんせ前夜、警察に呼ばれ遺体確認したのが23時半。
長女の部屋(わが家から徒歩20分くらいのところに、女友達と住んでいました)の検証まで済んだら明け方でした。

そのまま、「朝の9時には葬儀屋さんと一緒に、棺をもってきてください」と言われ、「眠れない」以前に、眠る間はなかったのです。

しかし、自分は葬祭カウンセラー
日ごろから、「葬儀は、故人がその生きざまを見せる場。できるだけ多くの人を呼んで、ひとりでも多くの人に生きた軌跡を見せるべき」と語っているのに、そそくさと隠れるように終わりにすることは、できない。直後に、そう思い直しました。

そして長女本人もその半年ほど前、コロナの蔓延で「コロナにかかって明日死ぬとしたら?」みたいな話をオタク仲間とさんざんしていたなかで、

私の葬儀は、皆がドレスアップして集ってきて、知らない人どうしがその場で知り合って友達増やして帰るような、そんなふうにしてほしい

と、断言していたのです。


彼女は自分をあやめたのではない。
ここ(戦場)にいるのをやめよう、と決めたのだ。


直後からそう直観していたので、自殺を〝自死〟とオブラートに包まざるをえない風潮にもズレを感じていました。

だから彼女の潔さをこの葬儀をとおして伝え、未練もないし無念でもないということを、世間に伝えなければいけないのだと決意。

自然と流されるように、4日間の葬儀に同意したのです。

彼女は小学校2年くらいから不登校で、ほとんどの社会常識はインターネットから浴びるように吸収しました。

中学も1年間しか行かなかったのですが、都立新宿山吹高校での日々は楽しかったようで、声楽を習って合唱部で歌ったり、車椅子の同級生とも一緒にコスプレを楽しんだりしていました。

そうした姿を見ていた校長副校長も葬儀にみえて、
「なぜ、あの子が?」
と驚いていらっしゃいました。

居合わせた女子たちが次々と、腕をまくってリスカ跡を見せ、

明るいから悩んでないとか、派手なカッコウしてるから平気ってわけじゃないから!

と言いました。

副校長は、

長年この高校にいたけれど(※)、生徒たちのことをなにもわかっていなかった

※都立新宿山吹高校は当時、不登校歴のある生徒が7割という、
出席率が低くても入学できる特殊なポジションの高校でした

とおっしゃり、なんと4日間とも葬儀にお見えになりました。

4日目になるとようやく、腑に落ちたとおっしゃり、それはそれは丁寧に、手を合わせてくださいました。

葬儀の意味は、参列者が腑に落ちること

このときの葬儀については、葬祭カウンセラーとして追い追い、書いてゆくと思います。

ETV特集「弔いの時間(とき)」というドキュメンタリー番組に、この「想送庵カノン」が取材を受け、私も一部出演しています。

NHKオンデマンドではまだあと1年ちょっと、見られるそうです。
(U-Nextからですと、タイミングによっては無料体験もあるようです)

たまたま知人が最近見て、Xで感想を寄せてくれました。

Facebookでオケイさんの娘さんがお亡くなりになっている事は何となく見知っていたのですが、それを番組で伝えようとされたオケイさんのご覚悟に胸が詰まる思いをした。
人間の死とは何かを見つめる素晴らしい番組だったので、ぜひ観て欲しいです。

葬祭が簡略化されゆくなか、ひとりでも多くのかたに見ていただけたらうれしいです。合掌

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