言葉じゃないのよ!
教えるとか、指導するとか、教育現場であれは、する側、される側がはっきりしている、教師と生徒として立ち位置が明瞭だから。
ところが、職場であり、教師、教官などという立場がない場合、
「○○さんに指導しておいてほしい」
「○○さんに、原点に戻って指導が必要」
などとなった場合。
受ける側より、教える側が難儀するのではと思う。神経が疲れてしまう。
また、○○さんが、社内では自分よりもずっとベテランである場合などはさらにである。
私は、コチャコチャと細かい事に頓着しない性格ではあるけれど、
1人はベテランさん、1人は今年の春からの意気揚々とした若手君。
意気揚々としていて、努力家で真面目で、そして繊細さん。
1人1人個別にする時間はないので、2人一緒に。
さらっとやってしまいたい、目的をはっきり伝えて、後腐れなく。
2人には、なぜ、ここにきて、このようなことが必要なのかを、隠さずに説明して。
さすがと感じたのはベテランさんで、
「助かります、、自分でも、感じていましたから、、謙虚にご指導受けさせて頂きます。」
ところが、若手繊細君は、言葉なく、涙ぐんで下を向いてしまった。
手を握りしめている。
プライドあるのよね、あなたは大学時代から真面目で優秀。
わかる、わかる、、僕はマニュアル通りにやってます。
そうよね、、、。
あなたの、悔しい気持ち分かります。
しかし、涙ぐむの、、?!
困った、、。
で、私はお手上げで、外部委託することに。
協力会社にお願いして。
それぞれ1週間行ってもらい、学習してきてもらうことに。
机上で学習するより、実際に見せてもらうのが一番だから。
50代のベテランさんと、20代の若手繊細君。
バスも飛行機も一緒に、
ホテルも同じ。
なんとなく、これが良かったように思える。性格も年齢も違う2人が、
1週間一緒に研修を兼ねて、他の会社に行く。
私も予定を調整して、1日だけ、研修を熱心に受けている2人をこっそり見に行ってきた。
熱心で謙虚な姿にほっと胸を撫で下ろしていた。
すぐ涙ぐむ癖があった若手繊細君は、幾分凛々しくなって戻ってきて。
また、涙ぐみながら、
「ありがとうございました。
自分の欠点が分かりました。
感謝します。
これからは前向きに頑張ります。」
あ~あ、よかった、、とほっとしながら、
涙が溢れるのは、
癖?なのか、、と。訊ねてしまった。
今回は彼の涙で、外部委託した次第なので。
「あのね、○○君、、あなた、涙ぐむ癖あるの??
私があなたに原点から少し指導と話したときに、涙ぐんだでしょう!
悔しいのはよく理解できたから、
外部に行ってもらったのよ。
私が机上で話すより実際に見るのが一番でしょう!」
「すいません、、直すようにします。
子供の時から、かもしれません。
あの、なーさんのように、言ってくれたのは、父のほかでは初めてです。
今、、涙、、悔しいのではありません。
感謝して、感動してます。こんな僕を大事にして下さって。それで。」
繊細君て、難しい!なぁ。
昔風に、男っぽい、俺に付いてこい!的な男性に囲まれて育っているので、どうも私には難しいタイプ。
そのような男っぽい男性は人前では涙を見せなかったから。
父が帰宅して、むっつりして腕を組んだまま、2時間も3時間も微動だにせずいた姿を思い出す。
近寄るな!話しかけるな!と強烈なバリアが張られていた。
父は何度も何度も自社の危機を経験している。
涙なんて流している余裕などなかったはず。従業員の生活を守らなければ!
なんとかしなければ!
祖父に父、そして兄。
背中に大きな荷物を背負って、男だから、泣きたくたって泣いてなんかいられない!頑張らなきゃ!と、自分の弱さにムチ打って生きてきたはず。
そんなこんなを思い巡らせながら、私は、
腹をわって話す、隠さずに、手の内をさらす。
人が人を裁く、人が人を評価することを私は多少なりとも疑問視している。
なので、手の内を全てさらして、理解してもらうことにしている。
時間はかかっても、正直に接していたら、いずれは理解されるものだから。
そのように信じているので。
図太い人も、楽天家の人も、繊細さんも、
苦悩は同じ。悔しさや辛さは同じと、
私は考えている。
互いに理解し合わなければ、仕事だって順調には進まない。