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なぜ“経営チーム”がなければ会社は発展しないのか?

「草創期においては、企業は一人の人間の延長である。しかし、一人のトップマネジメントからトップマネジメント・チームへの移行がなければ、企業は成長どころか存続もできない」(ピーター・ドラッカー)

企業はある一定の規模を超えると“トップマネジメント・チーム”すなわち“経営チーム”を作ることが“WANT”ではなく“MUST”になる。

ワンマン経営を続けている限り、企業の成長はたちまち限界点に達するだけでなく、その先の存続すらも危うくなる。
大きく成長を遂げる企業には必ず“経営チーム”が存在する。

アップルのスティーブ・ジョブズやアマゾンのジェフ・ベゾス、ソフトバンクの孫正義氏やユニクロの柳井正氏などは、一見すると強烈なワンマン経営者に見えるが、実は、いずれも強固な“経営チーム”で経営をしている。

スティーブ・ジョブズは次のような言葉を遺している。

「私のビジネスモデルは、ビートルズだ。4人でお互いの弱点を補い合っていた。バランスが取れていて、4人以上の力を発揮できていた。偉大なことはひとりではできない。チームによってのみなしうることができる」

では、なぜ“経営チーム”がなければ会社は発展しないのか?
その理由は次の4点に集約することができる。

1.経営の機能を一人で担うことは不可能

経営は主に「営業」、「商品開発」、「管理」の3つの機能で成り立っているが、この3つの機能を全て完ぺきに担える人などいない。経営トップが、どんなに優れた能力とバイタリティーを持っていたとしても、一人で担えるのはこのうちせいぜい一つだ。経営視点を持った数人のチームで、この3つの機能を役割分担しなければ、発展はおろか存続すら難しい。

2.トップが目前の課題解決に追われていては新規事業やイノベーションを起こせない

トップの最も重要な仕事は、“未来を創造すること”である。市場環境の目まぐるしい変化の中で、常に新たなビジネスチャンスを見出し、未来の事業を創造していかなければ、会社の永続的な発展はあり得ない。経営トップが、日々舞い込んでくる喫緊の課題解決のために奔走していては、新規事業もイノベーションも起こせないので、会社の未来はない。

3.ワンマン経営の組織からは有能な後継者が育たない

経営判断をすべて経営トップが一人で行い、他の経営幹部はその指示に従うだけという組織からは、決して主体性や創造性ある幹部やリーダーは育たない。必ず、後継者問題に悩まされることになる。

4.トップダウンの組織では、有能な若手を採用できない

有能な若手人材は、トップダウンの硬直化した組織に魅力を感じない傾向が強い。そのため、若手の採用においても不利となる。仮に採用できたとしても離職の確率が高く、定着しない。有能な若手を採用できない企業に未来はない。

このように、“経営チーム”が存在しない会社には、致命的な欠陥が幾つも潜んでいる。あなたの企業がワンマン経営だとしたら、そろそろ“経営チーム”へとシフトすべきタイミングかもしれない。