性格から出てくる非対称性 とジャンケンな人生

「情報の非対称性」という言葉があるそうです。

経済においては、「売り手」と「買い手」の間において、「売り手」のみが情報を持っていることが多いので、「情報の非対称性」が起こり、そこから不平等が生じることがあったりします。

「この家電は、もうすぐ新しいものが出る予定だけど、売り切りたいから黙って売ろう」とか
「このマンションは、あの人に紹介して売りたいから、適当に悪いことを言って買われないようにしておこう」とか
「他社のソフトウェアのほうが良いのだけども、それは黙っておこう」とか
いろいろあります。

「売り手」は分かっている。「買い手」は知るよしも無い。これが「情報の非対称性」です。


それで、エニアグラムの話をすれば、
性格タイプから出てくる非対称性というようなものがあります。

あるタイプでは簡単なことなのに、別のタイプではとても難しい。
例えば、
人に頼ったほうがよい場面において、「人に頼れる性格タイプ」と「人に頼れない性格タイプ」があります。この場合、性格タイプから非対称性が生じます。
他にも、
人に合わせることが必要な場面において、「人に合わせられる性格タイプ」と「自分を曲げない性格タイプ」の違いが出たり。
決断が必要な場面で、「すぐに決断できる性格タイプ」と「熟考する性格タイプ」の違いが出たり、
ミスが許されない場面で、「ひとつひとつチェックできるミクロが得意な性格タイプ」と「全体的に把握するマクロが得意な性格タイプ」の違いが出たり、
そのような感じで、性格タイプから非対称性が生じることがあります。

これは、ある意味ジャンケンのようなものです。
状況次第で勝ったり負けたりします。

どれが良いとかではなくて、性格によって、得意不得意が出てくるということです。
もちろん、それにプラスして、性格を支える資質(経験とか、人脈とか、体力とか、器用さとか、知識とか、頭の良さとか・・・その他諸々)も重要にはなります。
※『性格タイプとは才能の向かう方向を決めるもの

また、
レベルが落ちると 怒りっぽくなる人、レベルが上がると 怒りっぽくなる人。
レベルが落ちると 人と関わり出す人、レベルが上がると 人と関わり出す人。
レベルが落ちると 一人になりたくなる人、レベルが上がると 一人になりたくなる人。
といった違いもあります。
これも非対称性のひとつです。


【エニアグラム用語】レベルとは?
【エニアグラム用語】統合と分裂

レベルに関しては、
「上がっての行動と、下がっての行動が同じなら、その差はなんなんだ!?」
と言われそうですが、
レベルが上がる場合は、元の行動にプラスして、レベルが上がったときの別な行動が追加された形になるので、それは器(うつわ)が大きくなったとも解釈できて、上がっているほうが望ましいということになります。

レベルが上がると広がる感じ、レベルが下がると狭まる感じで、
レベルが下がると、反応がかたくなになってきます。


無理無く、他のタイプの資質が現われている人
レベルは落とさないほうがいいですよ

ただ、ただ、
この上がったときに出てきた性格の一面が、その人の取り巻く状況とマッチしているかには気をつける必要があります。
ここで周りから求められる人物像と対称にならなければ・・・、つまり非対称になってしまったら、せっかくレベルが上がって勝ち取った性格でも不幸な結末となってしまいます。

ここでもジャンケンです。

私たちは日頃、相手や環境とジャンケンをしているのです。
それは、人であっても、組織であっても、国であっても、同じです。

そして、このジャンケン。ルールがちょっと変わっていて、数が増えると優劣が逆転さえするジャンケンなんです。
※『コミュニケーションのやり方は多数決で決まるので

つまり優劣があるようでない。
これが人生というものです。

参考
エニアグラムにおいての、「相似」と「相同」』 今回の話と関係はありませんが、他の分野から用語を借りてきて説明するというスタイルが共通なので紹介することにしました。
他の性格タイプの良さを取り入れるのは難しい』 簡単に他の性格タイプを真似できるかと言えばそうではなく・・・。
他人に苦しみを打ち明けない人』 文中で、人に頼ったほうがよい場面において、「人に頼れる性格タイプ」と「人に頼れない性格タイプ」があると書きましたが、リンク先では、人に頼れない・頼るという選択肢が出てこない性格タイプの話をしています。一つの実例として、紹介しておきます。

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