タイプ6社会の中の日本企業への処方箋

日本にある企業が、元気になるにはどうすれば良いのか?を書いてみます。
ただ、タイプ6日本人には高いハードルな話になります(他のタイプだとハードルでは無いのですが・・)。

今回は、『シリコンバレーで嫌われる日本企業の「後出しジャンケン」体質(校條浩 週刊ダイヤモンド)』を読んでの感想です。

シリコンバレーでは、日本企業が嫌われているそうです(好き嫌いで語られるのがハートセンターの国、アメリカらしいですね)。
それは、日本企業が「後出しジャンケン」体質だからだそうです。

シリコンバレーは、後出しジャンケンを許さないエコシステムだ。
「後出しジャンケン」とは、アイデアを探索するところに苦労があり価値があるのに、人から耳寄りな情報をもらってから動こう、誰かが切り開いた道に乗っかろう、という態度である。

まず、説明ですが、
日本は、エニアグラムにおいて、タイプ6の国民性と言われていて、

タイプ6の態度としては、
「誰かが切り開いた道に乗っかろう」
という「後出しジャンケン」な態度があげられます。

これは、タイプ6が安心・安全・安定を求める性格タイプだからです。

自ら判断したり、決断したり、選択したり、何かを模索したりするのは、
タイプ6にとっては、安心・安全・安定の外に出る行動として、避けられる傾向があります。


では、シリコンバレーにおいて、タイプ6な日本企業はどのようにすれば良いのでしょう。
著者は、これら「シリコンバレーで嫌われる日本企業」に対して、処方箋を書いています。

経営トップがやらなければいけないたった一つの事とは、「自社が〇〇をつくる」というコミットメントの表明とその実行である。
具体的な事業アイデアが最初から分かっている人などいない。行動へのコミットメントを持って事業の探索をすれば、シリコンバレーの仲間に入ることができる。

つまり、著者は日本企業に対して、
「タイプ6の苦手な決断をせよ」と言っているのです。
「タイプ6の苦手な模索をせよ」と言っているのです。
「タイプ6の好きな後出しジャンケンはもう止めよう」と言っているのです。
つまり「安心・安全・安定の外に出よう」と言っているのです。

話は少しそれますが、
2017年12月8日 noteにおいて、かとうひろし さんが、
「売れるマンガの『具体的な描き方』は誰も教えられない」という話
を書いていました。

「抽象的な方法」ならいくらでも教えられます。
マンガは「結果として売れた」ことは分かっても、「こうすれば必ず売れる」という決定的なモノなど分からないものなのです。

抽象的にマンガが売れた後から「だから売れた」とは言えても、具体的に「こうすれば必ず売れる」と事前に言うことはできないそうです。

「必ず売れる具体的なマンガの描き方」があるなら、マンガ家も出版社も苦労はしません。

これは、今の世界の企業でもそうでしょう。

結果として、グーグルが、アマゾンが、Instagramが、売れたことは分かっても、「こうすれば必ず売れる」という決定的なモノなど分からないものなのです。

そのためには、
タイプ6の苦手な模索(安心・安全・安定の外に出ること)
が必要となります。

始めに紹介した
シリコンバレーで嫌われる日本企業の「後出しジャンケン」体質(校條浩 週刊ダイヤモンド)
では、こうも書かれています。

経営トップが「まずやってみよう」とジャンケンへの参加表明をするだけで社内が大きく動く。本番のジャンケンにどの手を出すかは、現場の幹部たちが十分調査、検討を進めて決めればよいのである。実際私の周りで、そうできた企業は、幹部たちが超スピードで動き始めている。

安心・安全・安定の外へ乗り出すことを始めている日本企業もあるようです。

私たち日本人は、タイプ6文化の安心・安全・安定の中で過ごすことに馴れています。
ですが、今の時代は、安心・安全・安定から外に出ることを求められています。

これは、私たちを慈しみ育ててくれたタイプ6文化の影響からどうやって抜け出すかの戦いでもあるのです。


ここからは、蛇足です。
ただし、できるものなら(許されるなら)、タイプ6日本人は、後出しジャンケンの真似っこを望みます。
タイプ6は、混沌の中から何かを見つけ出したり作り出したりするのは苦手です。つまり、0から1を作り出すのは苦手なのです。
ですが、既存のものを学び精度を上げることならできます。1を100にする努力は惜しみません。

日本が今苦しいのは、「0から1」を求められているからなんです。
安心・安全・安定の外と関わることを求められているからなんです。

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