今回は『期待』は重要だという話となります。
「警官は市民を守るもの」
「政治家は国を良くするもの」
そのような建て前は大事だし、そのような建て前を信じることも大事だと思っています。

「世界の国の中で、一番国民に優しい先進国って日本なんです」だそうです

でも取り上げましたが
『実利重視の日本だから中国を強くできる(山田 泰司 日経ビジネスオンライン)』
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258513/012300068/
ではこのようなことが語られていました。

世界の国の中で、一番国民に優しい先進国って日本なんです。(略)少なくとも企業経営者は間違いなく従業員を大切にしますよね。
これはなぜか。

政治家が特別優秀か、No。
行政マンが特別優秀か、No。
企業経営者が特別優秀か、No。

もし企業経営者が優秀だったら、もっと日本の企業は世界で羽ばたいているはず。マーケティング能力が一番低い国ですから経営者が特別優秀なわけがない。
でも、企業の従業員や社会の人々はみんな安心して働いている。

なぜか。

みんなのことを真剣に考える経営者というのが立派な経営者なんだというのが、国民の心の中に擦り込まれているんです。
だから誰が経営者になってもそれ以外のことはできない国になっている。

「建て前」や「理想」は世の中を動かすということです。
この「信じる」という行為は大事なことだと思っています。

最近「教師は聖職」という考え方は無くなってきましたが、こういう建て前が無くなれば、歯止めも無くなるわけです。
価値観を信じることは復元力につながります。信じるからこそ何か問題が出たとしても元に戻っていくことができます。皆が信じることが重要です。


日本はエニアグラムのタイプ6の国だと言われています。
リソ&ハドソンのレベルを見ると、
レベルが落ちた状態のレベル7には、「無力だと感じる」「服従する」が出て来ます。
これがレベルが上がってレベル4になると「義務を果たす」が出てきてレベル3になると「共同社会の構築者」が出て来ます。
無力だと感じて服従して、長い物に巻かれて、「世の中そんなもんだ」とならずに、
「共同社会の構築者」が日本人に(もっと)出てきてくれたら、と思います。

そのためにも、建て前を信じることは大事だと思っています。

最近このようなツイートを読みました。

https://twitter.com/KeikoUTorii/status/1471710213157920775

科学者は、たった一度のデータ改ざんでも研究者生命を絶たれる。実験ノートや生データは10年間は保存義務がある。

以下のツイートを引用して発言
「(『建設統計、19年以前の分は廃棄 - GDPへの影響検証、困難に』という話題について)政府や産業界で行われる所業に驚きを隠せない」

これも、そこに建て前なり常識なりがあるから、発言できるわけです。
科学者でもデータ改ざんはします。でも、それをやれば研究者生命を絶たれる。
公務員でも不正はします。でも、それをやれば公務員生命を絶たれる。…とならなければいけません。
政治家でも不正はします。でも、それをやれば政治家生命を絶たれる。…とならなければいけません。

ところが日本では、「不正を正すという方向」よりは、「自分もそれをやる」に行きがちのようです。
政治家や公務員の不正のニュースで話題となるコメントは「許せない!」「正せ!」では無く、「それなら、私もやってよいということか?」が多いです。
日本の国民性であるタイプ6は横並びですから、そちらの方向の意見になりがちだということです。

こういう不正がまかり通ってしまったとき、タイプ6の復元力は、(少なくともタイプ1と比べると)弱いです。


タイプ6とタイプ1の違い』において引用した文ですが、

正しいことは通用すると思い込んでいる人と、
正しいことを通用させる努力をしている人は、
まったく別の人種であり

なのです。

タイプ6は、関係性で生きて主体性が無いので、「周りと合わせ」たり、「横並び」となったり、正しいことの維持を自分の外に「依存」したりすることになってしまうのです。
これはタイプ6のハードルなので、超えるのは大変難しいことです。

実際に自分が「正しいことを通用させる努力」することが必要となるニュースでは、コメントや賛同が少なります。
『[B! hatena] 【抗議文全文】夫は国に2度殺された…赤木雅子さん、森友改ざん「悔しくて仕方ない」:東京新聞 TOKYO Web』
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.tokyo-np.co.jp/article/149597
例に出したURLは、はてな でのコメントです。
コメントの数がいつもより少ないです(この文章の下書きを書いた時点の2021年12月下旬に入ったごろで16件、今数えたら47件)。また、それに賛同する人の数もいつもより少ないです(この下書きを書いた時点での賛同数は一番多くとも24スター、今は数えたら100スターまでは行ったみたい)。
私は はてな に集う人の意見を参考にすることは多いですが、その はてな ですら、このありさまです。

つまり、日本は、何かあったときの復元力がとても弱いわけです。

これは、日本の組織で何か問題が起こったときに組織内で問題が温存される構造につながっています。

アメリカ人の言う「Passive Aggressive(受動攻撃)」とタイプ6について
で紹介した
『Passive-aggressive Organizations(パッシブ アグレッシブ オーガナイゼイションズ 受動攻撃性組織)』
であるということです。

保守的で、融通がきかず、そのため予期せぬ危機に弱く、社内は出る杭が打たれる空気で、企業としての社会的成功よりも企業内人間関係に波が立たない道を選択する傾向がある、問題を抱えた組織を意味する言葉。


タイプ6に関して、リソ&ハドソンはこう書いています。

健全なタイプ6は、自分のまわりで何か不適切なことが起きていることを感じ取ったり、自分が関与している組織の中で他者が力を悪用していることを察知したりすれば、怖れずに疑問を提起する。(略)しかし、これから見ていくように、通常のタイプ6はこういった状況になると怖じ気づき、(以下略)

人であれ、国であれ、地域であれ、リソ&ハドソンの言う「健全」な状態でいられることは至難です。
ただし、タイプ6日本が健全になれば(まず無理なのだけど)、このような復元力があることだけは記しておきたいと思います。
本当に状態が良いと、リソ&ハドソンが書いている「自分が関与している組織」が「自分が所属している国」となり、「自分がかかわっている国々」となり、「世界平和」となり、それは地球をも入れた安心・安全・安定となって行きます。
ところが状態が悪くなると、その安心・安全・安定の範囲がどんどんと狭くなり、保身へとつながっていくのです。

※ 『タイプ6は心配事・不安に どう反応しているか、 精神レベルにより どう変化していくか

ただし、可能性としてタイプ6日本が健全になれば、復元力があることだけは記しておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?