日本とアメリカと疎外感

『疎外感を持つ人をどう減らすのか』

において、

「疎外感」

という言葉と、

マレーシア、日本より治安はよくないです。
ただし、無差別殺人のような事件を聞くことは、ほとんどないのです。
(略)
7年いますが、日本やアメリカのような無差別殺人事件、聞いたことがないです(私が見落としてたら誰か教えてください)。

アメリカもマレーシアも宗教が強く、それなりに人々の自己肯定感も強そうなのに、一体なんでこんなに違うか、よくわかりません。

との言葉を見て、反応して書きます。

そうか、マレーシアでは無差別殺人が無いのか・・・。

それで、国民性をエニアグラムで見る癖になっている身としては、
日本とアメリカの共通点を探してしまいます。

共通点はすぐに見つかります。どちらも関係性で生きています。
つまり、関わりが重要な性格タイプの国民性だということです。

エニアグラムのタイプ6日本人の「疎外感」については、
国際化社会を生きる中での「まなざしの地獄」
において取り上げました。

タイプ3アメリカの「疎外感」については、内田樹が、2002年あたりに、

 アメリカ社会の「人間の価値は年収で判定される」という価値観のせいで、どれほどの成員たちの心が痛めつけられているか。傷つけられた人々が切望する「癒し」のために、どれほどの社会的リソースが蕩尽されているか。
 この社会のバランスシートはいまかろうじて「黒字」になっているが、「赤字」に転じるのは私の見るところもはや時間の問題である。だが、このことに気づいている人間は少ない。

と指摘しています。日本とは少し違う意味での「まなざしの地獄」です。


日本とアメリカ、この関係性を重視する性格タイプは、
関係性の破綻に「疎外感」を持ちます。

安心・安全・安定が好きで、横並びや集団に属すことで安心・安全・安定を得ようとするタイプ6日本は、自分とその周りが安心・安全・安定であること、何らかの安定した集団に属していることを望み、それが破綻したときに「疎外感」を持ちます。

成功と賞賛を求めるタイプ3アメリカは、それが破綻したときに「疎外感」を持ちます。

元の記事をきっかけに、そのようなことを考えました。

ここからは蛇足です。

ここまで、それっぽいことを書きましたが、だとしたら私からはタイプ3の国民性に見えるシンガポールでは、どう「疎外感」に対処しているのでしょうか? シンガポールで関係性が原因の「疎外感」から起こった事件など記憶にありません。 シンガポールと「疎外感」。謎です。

マレーシアは、昔、数日間旅行したときに、「タイプ5の雰囲気があるなあ」と思ったくらいで、国民性は分かりません。
タイプ5なら理屈屋なので、犯罪でも理由があると想像するのですが、そこも気になります。

※ 2019/06/03
一部修正しました。
なぜ日本とアメリカの共通点を書いたのか分かり難かったので、理由が分かるように引用部分を増やしました。
今回は、日米双方とも無差別殺人が起こる一方、マレーシアではこういった殺人事件な無いようなので、
では、日本とアメリカに共通するものは何なのか?を書きました。

06/03夜 さらに追記
登戸事件については、爆笑問題・太田光さん以上に意味のあることを言えそうにも無いので、リンクだけを紹介するにとどめます。

2019/06/05追記
アメリカについて、「それなりに人々の自己肯定感も強そう」という意見について、私は少し異なった見方をしています。
「肯定されない自分」というものへの拒絶反応があると見ています。
→ 『タイプ6日本は安全ならなんだっていい、ではタイプ3アメリカなら?

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