あなたは多数派に属していますか?
今回は、『「共謀罪」がスムーズに成立する背景(2017/05/19 小田嶋 隆 日経ビジネスオンライン)』が面白かったので引用します。
どうして、大多数の日本人が自分を多数派であると考えているのかというと、彼らの自己意識は、そもそも自分が多数派であるという決して動かない大前提から出発しているものだからだ。
私の思うに、大多数の日本人は、なにごとにつけて常に多数派であるようにふるまうべく自らを規定している人々なのであって、それゆえ、少数派である瞬間が、仮に生じたのだとしても、その時点で即座に彼は、自分の考えなりライフスタイルなりを捨てて多数派に鞍替えするのであるからして、結局のところ、われわれは、永遠に多数派なのである。
そうなんですよね。タイプ6は集団に溶け込むことによって安心・安全・安定を得ようとするんですよね。
だから、「マイノリティ(社会的少数者)」とか言われると腹を立てるタイプ6がいたりするんですよ。「自分は違う!」と怒るんですよね。
そういう人は、集団の中にいることだけを考えているので、出る杭にはならないんですよ。
でも、そこまでやっている人はたぶん、そのことをタイプ6的だとは思っていないし、タイプ6的な行動だと認めないと思います。これがエニアグラムをやっていて、厄介に思うことなんですよね。はたから見ていて、タイプ○的なのに、本人は認めようとしない状況ってのはよくあります。
もう少し引用します。
家電量販店でも、店員が最も頻繁に遭遇する質問は、
「どの製品が一番売れてますか?」
だと言われている。
つまり、われわれは、自分の生活にフィットした冷蔵庫や、自分の好みに合ったエアコンや、自身の可処分所得から買える範囲のタブレット端末よりも、なにより、「ほかのみんなが買い求めている一番無難な」製品を選ぼうとする国民なのである。
私自身は、こういう質問をしたことが無いので、眉唾で引用しているのですが、
この話が本当ならば、これも横並びで、金太郎飴、思考停止のタイプ6的な動きです。
こんな状態で、起業とか、ベンチャーとか、無理なんですよね。
『無趣味のすすめ(村上龍:幻冬舎)』の「少数派という原則」の中で、村上龍はこう書いています。
ヴェンチャーの概念や文脈はいまだに誤解されることが多い。
ヴェンチャースピリットを持つ人は原則的に少数派だ。
多数派に加入する誘惑を断固として拒絶すること、それがヴェンチャーの原則である。
多数派が好きな日本人は、国民性として、ベンチャーが難しいんですよ。
小田嶋さんのコラムを読んで、今回はついつい小田嶋さんの言葉を引用したくなって、この文章を書いてしまいました。
つい先日、似たような話『日本の「起業したくない」話』を書いたばかりだというのに・・・。
今回の引用を踏まえて見ると、
前回の話で紹介した「超優秀な若者がグーグルなどの米国ベンダーに就職してしまう」状況は、「超優秀な若者が少数派になることを嫌がっている」と見ることもできるってことで、そう考えると、海外に就職しながらも日本人的な動きということになり、問題の根は深そうですね。
参考
日本はタイプ6の国なので、タイプ6のハッシュタグでまとめています。こちらでまとめて表示されます。
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