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アプリデザイナーのキャリアを考えてみた

こんにちは!ミクシィでデザイナーをしているえんあかです。デザイナーとして働き始めて今年で7年目になりますが、3~4年目ぐらいのときに自分の今後のキャリアについて悩んだ経験があります🤔

これからはアプリの時代らしい...!」と言われ始めた2013年、アプリのUIデザインがしたいと今の会社に新卒で入社。アプリのUI中心にスキルや経験を積んでいましたが、ふとアプリデザイナーのキャリアって?キャリアパスって何を身につければいいの?と考えるように。直近の目標は、サービスを任されるようなリードデザイナーになることかな、でもその先は?

デザインの価値が多様化し、経営や組織開発など、従来デザインの範囲外であったような領域にもその必要性が言及され始めています。アプリデザイナーが培ってきた問題や課題を解決する際のデザイン思考の力を基礎に、いろんなキャリアへ広げていけると私は思っています。

今回は私が3~4年目のころに考えていた、アプリデザイナーのキャリアパターンと向いている人や身につけるべき能力を紹介してみようと思います🎉


マネージャー型

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マネージメント能力が高いのが特徴のマネージャー型。人と人とのあれこれをスムーズに進めてくれるので組織の中ではとても重宝されます。

・メンバーの状況を把握・管理できる
メンバーのタスク状況やモチベーションなどを把握し、やばそうだなって時に早めに対応できる人。サービスが大きく、多くのデザイナーや業務委託などを抱えるチームなどでは特に力を発揮します。

・コミュニケーション能力が高い
単純に人当たりが良いだけではなく、その人の特徴を理解した上で、適切なコミュニケーションを取れることが重要です。メンバーのモチベーションを維持するためのコミュニケーションや、メンバーからアラートが上がる前に問題に気づいて対処するなど。細かいことに気を配れる人が向いています。

・チーム内外での調整能力が高い
どんなに気配りのできる人でも状況を変える交渉力がなければ、メンバーからの信頼は得られません。他の職種や上のレイヤーの役職者と話をする行動力と、改善の方向へ導くための交渉力が必要です。


アートディレクター型

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ブランドコンセプト、アプリのビジュアル、UIなど、サービスの世界観に関わるビジュアル部分で方向性を決める役割がアートディレクターです。サービスのブランディングを中心に立って示すことで、アプトプットの個人差を少なくし、サービスの世界観やクオリティを一定に保ってくれます。

・デザインセンスがある
アートディレクターがガイドラインになるので、そこにメンバーが従うためにはそれなりのデザインセンスが必要になります。サービスのターゲットユーザーやコンセプトに対して適切なビジュアルコンセプトを導き出せる感性が必要です。デザインセンスは生まれつき持っているものではなく、インプットによって磨かれていくものだと思うので、努力によって全然伸ばせると思います。

・デザインを言語化・フォーマット化できる
デザイン組織としてもっとも良い状態なのは、細かくレビューしなくともそれぞれがサービスのブランドコンセプトを理解してアウトプットできていることだと思います。そのために有効なのが優れたガイドラインを整備することです。GoogleのMaterial Designが良い例かと思います。アートディレクターにはサービスの世界観やブランディングを言語化して、全員が同じクオリティのアウトプットができるようフォーマットに落とし込む能力も求められています。

・後輩への指導力がある
アートディレクターは新卒や若手デザイナーにその感性の部分を言語化して指導することも重要な役割の一つです。細かく詳細にフィードバックする場面もあれば、時にはあえてヒントだけを与え、相手に考えさせたり。若手をのデザインセンスや感性を育てることで、結果、デザイン組織全体を強くすることができます。


UXデザイナー型

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UX(User Experience)デザイナーとは、ユーザーがサービスやアプリを通して得られる体験全てをデザインするお仕事です。一言でUXと言ってもその範囲はとても広いので、バリューを発揮する場面やポイントは様々あるかと思います。ここでは共通して言える特徴を紹介します。

・物事を論理的に分析することができる
UXデザイナーは様々なデータを複合して有力な仮説を導き出していきます。データはアプリ内のユーザーの行動に関する数値データだったり、インタビューで得られたユーザーの声だったり。それらのデータをそのまま受け止めるのではなく、その奥にある本当のニーズは何なのか?ユーザーにとって価値のある体験のストーリーはどんなものなのか?フレームワークなどを使い、その部分を感覚ではなく論理的に分析し、納得感のある提案してくことが重要です。

・UXにビジネスの視点を入れて考える力がある
ある本の中でピースオブケイクの深津さんが、「UXファーストすぎるUXを追求すべきではない、UXを追求する先にきちんと利益を上げる構造が担保されているべき」と話されていて、本当その通りだなと思いました。必ずしも「ユーザー体験が改善される=利益を生む」ではないからです。しかし、施策の実施可否を決める意思決定者が求めているのは大体が利益です。意思決定者を説得して実施のための予算を確保するためには、この改善はどのくらいインパクトがあって、どのくらい利益を生むのかをUXデザイナーが説得する必要があります。説得する武器として予算や利益構造の仕組みなどのビジネスの知識や視点が重要になります。

・チームを巻き込む力がある
UXデザインはUXデザイナーだけが責任を負うのは重すぎます。ユーザー体験はサービスの成功の肝になる部分であるので、チーム全体を巻き込んで考える必要があります。UXデザイナーはそのファシリテーターであったり、各職種のハブとなって間をとり持つ存在であると思います。積極的にメンバーを巻き込み、チームの士気を高めるよう盛り上げてくれる、ムードメーカー的なタイプは向いていると思います。


プロダクトオーナー型

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サービスやプロダクトの全体を見て、方向性の最終的な意思決定をするのがプロダクトオーナー(事業責任者)です。これまで紹介したキャリアの要素も幅広く必要になるかと思います。比較的プロダクトオーナーはディレクター、プロデューサーと呼ばれる職種出身の方が多いため、ビジネス視点が強くなりがちです。デザイナー出身のプロダクトオーナーはデザイン視点が入るため、従来とは異なるアプローチが期待できます。
このキャリアの先としては、デザインの最高責任者(CDO)など経営サイドのキャリアも見えてくるかなと思います。

・サービスの予算管理や数字(KPI)が見れる
デザイナーで苦手な人が多いのが、予算管理やKPI管理などの数字にまつわるタスクですが、プロダクトオーナーには必要不可欠なスキルセットです。
期初などに様々な知見や過去のデータから目標を設定し、そこに繋がるKPI指標を日々追っていきます。達成状況は思わしくない場合は、原因を分析・考察します。数字を扱う場面がとても多いので、苦手意識が強い方はここを払拭する必要があります。

・サービスの数年後先の未来を考えることができる
目の前の課題や問題を解決するのは比較的容易です。難しいのが数年先の未来を予測して、サービスの未来予想図を描くことです。ユーザーの行動やインサイトに注目したデザイン思考でのアプローチも活かせますが、その市場はどのくらい成長しそうか、競合は?海外では?など、シビアに市場を見極め、確証のある計画を立てる力もマストで必要になってきます。

・チームメンバーの特性を理解して戦略を立てられる
どんなに優れた計画を立てられても、現状のチームに合った計画でなければ実行することができません。それぞれのメンバーのできることや特性を理解し、実現可能な未来予想図を描く必要があります。それぞれに合ったタスクをお願いすることで、各メンバーのモチベーションも保てます。また、未来予想図に必要な人材がチーム内にいない場合は、採用や育成も検討するする必要があります。
加えて、メンバーの特性を理解するためには、日常なコミュニケーションはもちろん、メンバーと話すための共通言語を習得するべきです。たとえば、エンジニアと話すためには技術の知識があると話がスムーズでしょう。チームが一つの目標に向かってうまくワークするために努力し、立ち回れるスキルが必要です。


自分の目指すキャリアを意識してみよう

アプリデザイナーの延長線として考えられそうなキャリアパターンをいくつか紹介してみました。紹介したキャリアの例は一例で、もちろん他にもたくさん選択肢はあると思いますし、どこを目指すのが良いとか悪いとかもないと思います。大切なのは、自分の将来なりたい姿を意識することです。そしてその姿になるために、いまどんなスキルを身に着けるべきか考えることが大事だと思います。

実際は目の前の業務に追われて、将来のキャリアについて考えるタイミングって意識しないとなかったりしますよね。でも、「こうなりたい」って思った時に、必要なスキルを身につけてたり、そのキャリアを積むための環境が用意されてるとは限りません。

だからこそ、半年や1年ごとにキャリアについて意識的に考えてみませんか?目指す姿と、そこに必要なスキルが見えてくれば、今やるべきことも見えてきます。今の業務で身につけれられることもあれば、難しいこともあるかもしれません。しかし、早めにそこに気付ければ、そこに挑戦できるチャンスがきた時に手を挙げられるかもしれません。

また、考えるタイミングで目指す姿も自分の中で変化しているかもしれません。目標は常にアップデートしていくべきものです。自分の変化に気づくタイミングは大事です。

キャリアどうしよう...そんな迷っているアプリデザイナーの方の参考にこの記事が少しでも助けになってくれたら嬉しいです。



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