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「課題解決型の事業開発プロセスを体験する」~大学生インターンの体験記~

エンパブリックが実施したNECソリューションイノベータ様の企業研修「事業創出と共創のための基礎〜課題解決型の事業開発プロセスを体験する〜」に参加させていただきました。

NECソリューションイノベータでは、お客さまとの共創を推進して、よりよい社会に役立つ事業開発を進めるために、人材育成の一環としてこのような研修に取り組まれています。
今回の研修では「会社員の生活習慣病予防」という社会課題に対して、社会課題の深掘りやデザイン思考の視点を活かして、参加者のみなさんがグループを組み、事業アイディアをつくっていくプロセスを体験することができました。

そこで、研修を体験して感じた【ソーシャルな事業企画を行う上で大切な4つのポイント】をまとめました。

研修内容


1.     講師による導入講義
弊社代表広石より、従来の事業の創出の仕方や課題解決型ビジネスのサービス・アイディアを考えるプロセスを通し、デザイン思考により実現したい世界の姿を描き、対話でアイディアを磨き、試行しお客さんを知ることで検証する点について説明を行いました。

2025年の事業の作り方についてのスライド

2.     グループワーク「事業企画書を書く」
それぞれが社会課題解決型デザインシートを通して、「30・40代の会社員の生活習慣病予防のためのサービス」をテーマに事業計画書(仮)を作成しました。
ここでは、グループに分かれてシートを書き進め、何度か全体共有の時間を設けながら広石からのフィードバックやポイントの説明を行いました。また、最後に各グループでビジネスアイディアのストーリーを発表しあい、社会課題解決型事業の創出に関して理解を深めました。
 
ワーク1:社会課題の構造を分析する
ここでは、生活習慣病予防ができない、また生活習慣病になった人が改善できない状態が続いている原因を分析しました。はじめに、テーマの社会課題に対し具体的なデータや事例を探り、その課題が発生する状況において何が起きているかを把握しました。そして、この課題の中で困難な状況にいる人がどんな人か、この人はなぜ困難な状況にいるか互いに考え共有しました。
 
ワーク2:将来の解決策を考える
これまで生活習慣病予防のために様々な対応が取られてきたのにも関わらず解決が難しい理由を整理し、原因が個人の責任だけではなく、本人の周りの存在や環境が影響しているということがわかりました。
さらに、従来の思考パターンでの解決方法から視点を変え、将来広がって欲しい解決方法、ライフスタイル、新しい仕組みを考え互いに共有しました。
 
ワーク3:変化を起こし広げるための社会資源を考える
ここでは、最も起こしたい変化に向けてどうデジタル技術や会社の資源を活かし、
より人々の生活習慣病予防や改善に役立てられるか考えました。
また、お互いの考えた事業プランを全体で共有し、お互いにフィードバックを行いました。
 
 

ソーシャルな事業企画を行う上で大切な4つのポイント


ここからは、私がインターンとして本研修に参加しながら感じた、ソーシャルな事業企画を行う上で大切な4つのポイントをご紹介します。


1.     アイデアを発想する際の対話の重要性
私自身も、普段一人で事業創出について考える時と、グループワークで考える時に出てくるアイディアの数や質が違う事を体感しており、対話を通して得られる気づきの大きさにとても共感しました。
また、参加者の方にも「対話を通して急にアイディアがひらめく。すごい対話の重要性を感じる。」とおっしゃっていただきました。このように、グループで考えると効率が良くなるだけでなく、自身が対話を通してより良いアイディアを考えられ、個々の持っている能力を最大限に発揮できると思いました。
 
2.     課題解決方法を考える際に未来志向で考える事の大切さ
私は今回の研修を通し、課題解決方法を考える際に未来志向で考える事の重要性を学びました。その中でも、特に印象的だったポイントは3つあります。
1つ目は、課題を深堀しすぎず未来志向で考えることです。
私は問題の構造を分析する時、「なぜこの問題は起きているのか?」を深く追求しすぎてしまい、解決策を考えるまでの労力が残らず、ネガティブな気持ちになると気づきました。その反面、今回の研修のように「こんな未来になったらいいな」と具体的に未来を描き、描きたい未来に向けてどんな解決策が考えらえるか思考した方が解決策や可能性が広がり、ポジティブな気持ちで取り組めました。
2つ目は、当事者の周りにいる人の存在や生活の状況・社会構造にも目を向けることです。
例えば、生活習慣病になる人の原因は運動不足や食事制限ができていないなど個人の責任にされてしまいがちです。しかし、実際は家族が支援してくれない、地域や会社で運動をする取り組みがないなど、その人の置かれている環境や社会構造など外部的な要因が影響していることも考える必要があります。
当日のグループワークでも、さまざまな視点から課題を見るということを意識することで、解決策のアイデアがどんどん生まれていく様子を見ることができました。
最後のポイントは、とりあえず躊躇せず可能な限りアイディアをだす事です。
アイディアを考える際にはつい「これは実現できないだろうな」と躊躇しまいがちですが、なるべく現実性を問わず、たどり着きたい世界へ道を考える事が大切だと学びました。
自分一人の視点では実現不可能に見えることも、他の人にとって次のアイデアにつながるヒントが見つかることで、より広い解決策を生み出すことができるのではないかと感じました。
 
3.     顧客の立場で考え、コミュニケーションすること
私は、今まで新事業創出のアイディアを考える際に、ニーズを把握し計画し何をどう提供できるか考えていました。しかし、これからの新事業創出のやり方では、顧客との対話を通してアイディアを磨き、検証する事が重要だと学びました。自身の持っているアイディアが顧客に本当に役立つのか、またどうしたらより良い商品・サービスにできるのか、顧客との対話を通して検証し、そこから実際に事業へと発展するというやり方を初めて知りました。
また、今までは「こんなサービスがあるといいのでは?」と商品・サービスを作る人の視点で一方的に考えており、実際の顧客にとってみて良いもの・便利に使えるものとのギャップがあるとは考えていませんでした。しかし、顧客視点で考えるといくら困っていることにアプローチしている商品でも、自分が便利に活用でき、生活の質を向上してくれるものだと実感しないと使えないということが改めてわかりました。
 
4.     より効果的に活用できる社会資源を利用し影響力を高めること
より多くの人のニーズを解決し、持っているアイディアのインパクトを最大限に高め、新しい社会価値を作るためには、自分の力だけではなく、人・環境・情報・ノウハウなどの社会資源が利用できると学びました。
また、社会資源と対象者をどう結びつけるか、社会資源を最大限に活かす方法は何か考える事が大切だと学びました。
 

インターンとして参加して思ったこと


研修を通し参加者の方々にソーシャルな事業企画を行う上で大切なポイントを学ばせていただきました。また、その他にも異なる部署の方と意見交換をする事の楽しさ、ディスカッションの重要性、アイディアを創出する際に躊躇せず発言する事、ユーザーの目線で考える事の大切さなどにも改めて気づけました。

これから、私は自身のビジョンである「性的マイノリティが自分らしく生きられる社会」に向けて、事業をつくっていきたいと考えていますが、この研修を受けまずは事業企画を行う上での課題解決方法の考え方を改善していきたいと思いました。

課題が生じている原因に固執しすぎず、「こんな未来になったらいいな」と具体的に未来を描き、それまでの道のりに必要なものは何か考えていこうと思います。

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