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「組織が信頼されるとは?」ー広石コラムVol.47

「良い事」とは、立場によって見方の変わる良いではなく、皆にとって良い事。そんな理想的なことできるの?と思っていた私。しかしエンパブリックにいると、そういうことなのか!そう解決できるのか!と学ぶことが沢山あります。メディアの記事にも「社会貢献」とういう言葉を良く目にするようになりましたが、事例を見るとなるほどー!と目から鱗的な事があります。事例を知る事でどういうサイクルで成り立っているのか、それを知って自分事と繋げてイメージするといった事がとても大事だなと思います。自分にはプラスになっていることで、どこかにしわ寄せがいっていないか俯瞰で見られるような自分でいる事が大切だなと思います。皆にとって生きやすい世の中になって行ったらよいですね。こちらのコラムをご紹介します。(事務局 新村)
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私は立教大学で「サステナビリティ&ビジネス」という授業を担当しています。今年で4年目ですが年々受講生が増え、今年は280人もいるため、採点は結構たいへんです(;^_^A 

この授業では、前半はソーシャルビジネスを、後半は既存企業のサステナビリティの取り組みを紹介し、学生に自分自身がどんなビジネスの担い手になっていきたいかを考えてもらっています。

この授業を担当してよかったと思うのは、授業の準備を通して、自分自身が欧米企業のサステナビリティの展開について深く知り、考えるようになったことです。授業を担当する前は、なんとなく日本企業の環境への取り組みは進んでいると思っていたのが準備を通して、みごとにひっくりかえりました。そして、日本企業が周回遅れに陥っていることに愕然としました。

色々と思うところは、また後日書くとして、一番思うことは、

「環境問題や社会問題が起きていることが明白であり、企業が一社だけで取り組むのに限界があるなら、サプライチェーン全体で、また専門家のNGOとも、業界の競合他社とも力を合わせて結果を出さないといけない」

という考え方の実践が、日本で定着していないことです。

 日本企業は、どうしても「自分たちは、ちゃんと環境に配慮しているよ」に陥りがちで、他者に対して積極的に働きかけていこう、サプライヤーにも顧客にも問いかけていこう、という姿勢が弱くなりがちなのだと感じています。

 学生のレポートで日本のビジネス界に必要だと思う変化を書いてもらっていますが、案外多かったのが「もっと日本企業は、問題を直視する必要がある」という言葉でした。それは環境問題だったり、社会問題もそうですし、足元の社員の抱える問題も含めて、問題を直視するからこそ、チャレンジができるという考えなのだと思います。

 この背景を考えてみると、「信頼」の構造に行き当たると思います。日本では「ちゃんと対応していること」「間違えではない解を持っていること」が評価され、そういう人が信頼されてきました。周りもそれを期待します。

 しかし、それは複雑な問題が目の前にある時、解けない問題、対応しきれない問題がある時に

「問題から目を背ける」「大丈夫ですよ、と言って一人でなんとかしようとする」「問題があること自体を情報発信しない」という姿勢に陥ってしまっているのかもしれません。

 「自分たちは問題を抱えていて、努力しているが、解決できないところが残っている」と明確に伝えること。そういうアカウンタビリティこそが、これからの時代において「信頼される組織」になるのだと、企業も、受けとめる社会もシフトしていくことが、サステナビリティだけでなく、色々な変革を促すために必要なのでしょう。

「無難な組織」よりも、「問いかける組織」がもっと増える必要があると思うのです。

 *僕が授業で紹介したり、宿題としている動画やリンクをブログにまとめていますので、もし興味ある方はご覧ください。 http://empublic.jp/hiroishi_lec/ 
                           代表 広石拓司
                        (2016年8月19日記)
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 コラムにある「自分たちは問題を抱えていて、努力しているが、解決できないところが残っている」と明確に伝える。といった言葉が私の中に強く残り考えました。この「解決できない」ことを誰かとだったら解決できるかもしれない。そうやって繋がっていくことの重要さを感じました。色んな事に悩んでいる人、考えている人たちに伝わりやすく、ぜひ読んでいただきたいエンパブリックのページがあります!こちらもぜひ!
こちらからご覧になれます→https://empublic.jp/emp4b (エンパブリックホームページより)
(新村)

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