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「まちづくり」としての部活動改革

エンパブリックの久保田です。
今、全国で「部活動改革」が進められています。
スポーツ庁が公示した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」をきっかけに広がっているのですが、中でも注目されているのは、「部活動の地域移行」です。

皆さんもニュースや新聞記事を目にされたことがあるのではないでしょうか。こちらは休日における中学校の運動部活動を地域で実施できるようにすることを軸に、今年から3年間で段階的に進めていくことになっています。

部活動というと教育や子どもを持つ親に関わる話と考えられがちですが、私は日本のスポーツを見直す機会であり、まちづくりを考える機会でもあると考え、ピンチではなく、絶好のチャンスと捉えています。
とはいえ、100年以上もの歴史のある運動部活動は、学校教育に深く根付いていますし、これまでの日本のスポーツの根底を支えてきたと言っても過言ではありません。その在り方を変えていく改革の実現は決して容易ではありません。

今回の対象は「中学校」の「休日」の部活動ですが、その背景として唱えられていることは、少子高齢化によって部員数も減少し、単独校では試合や活動が出来なくなってきていることがあります。子どもたちが多様なスポーツを体験できる機会が減ってしまっています。また教員の働き方に関して、部活動に関わる時間外の手当や土日含めた長時間勤務の見直し、そして何より学習指導要領の改編も含めてよりいっそう教員の授業準備の確保が求められていることなどがあります。

 これらの課題はこの2,3年に突然に生じたものではありません。数年、数十年前から予見されていたものであり、その課題との向き合い方が、そのまま現時点での地域ごとの進捗状況に表れているように思います。

 私が考えるポイントは、この課題を「学校の課題」や「スポーツの課題」として捉えるのではなく、「まちづくり」として地域全体で捉えていくことです。

なぜならこれこそ、まちの子どもたちのため、生徒のためであるからであり、目の前の課題解決と同時に、人材育成という未来への投資でもあるからです。そして部活動を運営するには5つの役割が必要で、具体的にはスポーツ指導、生徒の人間教育・ケア、運営・事務、施設管理、全体の調整、コーディネートがあると考えます。

これを教師やスポーツ指導者のみではなく、5人、10人と地域の多くのメンバーで分担し合うことで、より充実した活動が地域に増え、子ども達と地域の接点が広がり、多世代の出番も広がります。部活動の改革とまちづくりが連動することで、子ども達にも大人にも新しい機会が広がるのです。
 
私は現在、日本サッカー協会の部活動推進委員会にもメンバーとして参加させてもらっています。大会運営のことなど他にも議論すべきことが多くあります。スポーツ界においても、前述の観点をしっかりと伝えて参りたいと思います。

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まちづくりの機会として部活動の地域移行を進めるにはどうしたらいいか考えるために、まず部活動の課題、地域移行とは何か、なぜ必要かという現状を理解した上で、私たちに何ができるか、地域にどのような仕組みやコーディネートが必要になるか、一緒に考えてみませんか?
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