部下を成長させたがる管理職
上司「もっと上を目指してほしい、成長しようよ」
部下 「・・・・・・・はい(と言わないと終わらない)」
部下はこの言葉を受け流すせず、飲み込むのにものすごい時間がかかりました。「成長したくないって思われてるのか?」「成長できていないと言っているのか」どちらにせよ、今の自分を否定されているような感情になっています。産休明けの復帰後の面談で、言われた一言でした。
今日は「成長を促す」ことについて追求してみたいと思います。そもそも、自分自身が上司ならば、「部下に成長してほしいと願うことは当然じゃないか。」と思う人もいますよね。成長を願うことは共通であっても、相手に要望するのは逆効果を発揮しますというのが今日のお話です。
あなた自身が、リーダーやマネージャー、部長の場合であっても、中間管理職である皆さんは、部下も上司もいる立場。上司の言葉の背景にあるものは下記のどれ(または複数)だと想像できますか?言われたことがある人も、部下に言ってしまった事がある人も是非考えてみてください。
① 上司自身のプレッシャー
② 成長=成功という考え方である
③ 過去の経験からの影響
⑤ 感情の衝動
1つ1つ解説してみますね。
1.上司自身のプレッシャー
組織や上司からの目標達成のプレッシャーを同じような焦りを共有し、結果を早く出してほしいと無意識に考えている。部下がより早く成長し、成果を出すことで自分自身の責任を果たしたいという思いが根底にある。
2.成長=成功という考え方
資本主義の社会においては、成長が成功の象徴として強調されることもあって、上司もそう考えている。そのため、個人の成功やキャリアアップのために成長は必要不可欠だと信じている。
3.過去の経験からの影響
上司自身が過去にそのようなフィードバックを受けてきた経験が影響している、または、 特に目標を目指す文化や高い基準が求められる環境で育った場合は、同じように後輩にも成長を伸ばすことが「当たり前」だと考える傾向がある。
4.感情の衝動
部下がなかなか期待に答えてくれない、成長しないように感じる時、感情的に自分の感情や焦りを冷静に分析できていないために、衝動的にプレッシャーを感じるようなフィードバックをしてしまうことがある。
私は、上司が成長してほしいという「願い」を否定しているわけではなく、成長という曖昧な言葉で「要望」するのは逆効果であると伝えたいのです。
私の例で言えば、産休明けという状況も掛け合わさって(産休明けは受け取り方が変わるので注意)上司から自分を否定されたように感じたし、さらには、「成長してほしい」というプレッシャーを抱えることになります。親に勉強しなさいと言われて育った子どもが「うるせぇくそばばあ!」といって勉強が嫌いになるのと同じです。
投稿を読んでくださっている中には、「あなたは弱いですね」とか「いやいや…それくらいのことを乗り越えるべきだよね」と思う人もいるかも知れません。マネジメントの力を引き上げるためには、「部下に問題があるから部下が変わってほしい」ではなく、自分の問題と捉えることです。
では、どうやったら部下は成長するのか。
「この3ヶ月で、この半年であなたの部下ができるようになったことをそれぞれ教えて下さい」この問いに答えられるでしょうか?それらに気づいていない、気づこうとしていないから、「成長」という曖昧な言葉を使って要望してしまうのです。彼らの姿勢や態度・行動量から、進捗を見つけて祝ってみてください。「見守られている」ということが、どれだけ嬉しいことか、その嬉しさが挑戦に変わるんです。そういったフィードバックが土台となって信頼関係は築かれ、挑戦できる強いチームが出来上がっていきます。
成長のスピードも、成長のプロセスも、個人ごとに異なりますが、信頼関係の元で本人も納得感のある適切な要望を出せたら「成長しろ」なんて言わなくても、メンバーは仕事を面白がって、勝手に伸びていきます。子どもが遊びから学び成長するのと同じように。「自らの意思で行動する」ことが成長に繋がるのだと思います。
そうすると、メンバーの気づきの深さや広さに、自分がどう貢献できるかを考えて行動するという、シンプルな解に行き着くはずです。
まとめ
「成長しろ」という曖昧な言葉で要求することは、現代を生きる多くの人にとって逆効果です。 もしいま心当たりがある人は、自分の問題として捉えることでマネジメントは大きく改善します。部下の小さな成長を見つけて祝い、個人の特徴や動き方や思考に合わせた、納得感のある具体の要望を出すことで、本人が「成長したい」と思える手助けをするのが、上司の役割なのではないかと私は思うのです。(批判や評論ではなく。)
最後まで読んでくださりありがとうございました〜!マネジメントにおいて正解はないですが、「必敗法」というのはあると思っていて、私はそちら側をよく知っているなと最近気づき始めました。ということで、これからも失敗談をお話していきますね。ではまた来週!
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