江森義信

「服でみんなの日常を楽しくする」が理念のファッションデザイナーです。20以上のブランド…

江森義信

「服でみんなの日常を楽しくする」が理念のファッションデザイナーです。20以上のブランドで服作りをしてきました。大学卒からデザイナーになった経験を生かしてファッションを誰もが楽しめるようにしたいと思っています。 https://twitter.com/emori_yoshinobu

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    思想を持ったお店をつくったり、運営、デザインをしているひとやその感想などの記事をまとめるマガジンです。

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自分らしくセンスを磨いていく方法

「自分にはファッションセンスがない」そんなことを思ったことがありませんか? 「あの人はファッションセンスがある」「彼にはセンスがない」など、長い間、アパレル業界で仕事をしてきて、よく聞くのがセンスについて人を評価する言葉です。 過去のnote「センスとは生き方の哲学である」でも書きましたが、自身の経験から、先天的なものと捉えられているセンスのイメージに対して、違う考え方をもっています。 センスは持って生まれたものだけでなく、知識を身につけたり努力することで磨かれていくと

    • クラファン挑戦中!プロダクトについて知ってほしい7つのこと

      私は今、クラウドファンディングに挑戦中です。 前回のnoteでクラウドファンディングに至った想いを書きましたが、今回はリターンのプロダクトであるセットアップについて知ってほしい7つのこだわりや、どんな人に着て欲しくて作ったかについて書いてみます。 機能美セットアップ「マレ」を作った理由プロダクトの名称は「マレ」。パリのマレ地区を歩いているときに発想したことがネーミングの由来となっています。 スーツ姿の紳士が雨に打たれる光景を見てイメージした、フォーマルとレイン機能を融合

      • パリから始まったクラウドファンディングへの想いについて

        2017年9月19日、それはパリのマレ地区を歩いているときのことでした。昼下がりの時間帯、突然降りだした雨の中で、ふと目にした情景に心が奪われたのです。 私は、持参していた折り畳み傘を開いたのですが、周囲を歩いているフランス人は、誰一人として傘を開く気配はありません。それどころか傘を持ってさえいないのです。「欧米人は傘をささない」という話は、耳にしたことがあったのですが、実際に目のあたりにして、改めて日本との文化の違いを感じた瞬間でした。 降りしきる雨の中、レインコートの

        • 最適な服の選び方って?#左脳的ファッション解説

          服を選ぶ基準は人それぞれ。ブランド、デザイン、価格などさまざまな観点で選んでいると思います。服が好きな人にとって、それは当たり前のことですが、そうでない人からは「どう服を選べばいいのかわからない」という悩みを聞くことも。 こういった悩み相談をされることが多いことから、「感覚的ではなく左脳的でロジカルな考えによる服の選び方」について、いくつか図解してみたところ、たくさんの方々から反響をいただきました。ということで今回は、それらをまとめて紹介してみたいと思います。 いくつかの

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          あなたはイギリス派?イタリア派?アメリカ派?「自分のあり方」から考える服の選び方

          あなたは普段、どうやって自分が着る服を選んでいますか? 「服の選び方がよくわからない」「自分に似合う服の見つけ方がわからない」などの声を聞くことがよくあります。 流行のデザインや色、素材、価格など、選び方は、人によって違いますが、私は以前から服を選択する基準の中で「自分がどうありたいか」という考え方が大事だと思っているんです。 服選びの基準は、デザイン、素材、色だけでなく、「なりたい自分」や 「服の持つ考え方」を理解すれば、自分のイメージにより近づけることが 出来るよう

          あなたはイギリス派?イタリア派?アメリカ派?「自分のあり方」から考える服の選び方

          「思うだけでなく動く」―普通の大学生がファッションデザイナーになった話

          「やりたいことはあるけど経験ないし・・・」 「もう若くないし、未経験じゃ今からじゃ無理だよな・・・」とか そんな風に思って、自分のやりたい事をあきらめようとしていませんか? 人にはそれぞれ思い描く未来の姿があります。その実現が日々の活力になり仕事やプライベートでの生きがいにもなっています。 私は31年間ファッションデザイナーとして仕事をしてきました。フリーランスとしても17年のキャリアになります。専門学校も出ておらず全くの未経験で、デザイナー志望だったわけでもないのに長い

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          語るべきブランドのストーリーとは?

          先日、ツイッターで編集者の竹村俊助さんのこんなツイートがバズっていました。 それから少ししてからカナエナカさんのこんなツイートにも大きな反響がありました。 竹村さんはアパレルについて、カナエナカさんはアパレルに限定しているわけではありませんでしたが、たくさんの人達の間で反響や話題になっていました。このことは、最近ユーザーの関心が薄れつつあると感じていたアパレル業界に属する人間の一人として、お二人には感謝するとともにうれしくも思っていました。 また、こういった事が反響を呼

          語るべきブランドのストーリーとは?

          「服が大量に廃棄されている理由」自戒の念をこめて

          「新品の服が大量に捨てられている」あなたはこんな現実を信じられますか?私自身もにわかに信じがたいのですが、本当に起きていることなのです。過去のnoteでも書きましたが、昨年ではバーバリーが42億の売れ残りを焼却処分したことが明るみに出たり、日本でも年間10億着以上の廃棄が発生していると報じられたりするということがありました。 ファッションビジネスはいま、過渡期をむかえています。大量生産による廃棄の問題だけでなく店舗大量閉店による市場規模の縮小など、今アパレル業界は様々な問題

          「服が大量に廃棄されている理由」自戒の念をこめて

          センスとは「生き方の哲学」である

          私は今、服のデザインを仕事にしています。一般的にファッションデザイナーというと専門学校を卒業したセンスのある人がやる仕事のような印象がありますが、私の場合はそうではありません。一般大学を卒業してアパレル企業に入ってからデザイナーになったという珍しいキャリアの持ち主です。私自身は入社後にまわりの人を観察したりファッションに関するいろいろな知識を得たりしながら自分なりの努力でセンスを磨いてきました。 そんな自分自身の経験から、「センスがいい」という言葉の使い方に、時折違和感を覚

          センスとは「生き方の哲学」である

          これからのアパレル店舗には「わざわざ立ち寄る理由」が必要だ

          最近街を歩いていて気になることがあります。それは、街にはたくさんの人が歩いているのにアパレルの店にはあまり人がはいっていないという現実です。 もちろんユニクロやZARAなどの一部の人気の店ではにぎわっていたりするのですが、百貨店や駅ビル、路面店など大体の店には「以前に比べて人が少ないな」という実感があります。街中には以前と同じく人が溢れているのに、アパレル店舗に立ち寄る人の数は明らかに減っていると感じます。 既存のアパレル店舗の閉店が相次いでいる現状実際に近年、アパレル店

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          日本人の知らない、日本のファッションの明るい話

          「日本が世界に誇れるもの」と聞いて何を連想しますか? ぱっと思い浮かぶものとしては車のトヨタ、ホンダ、電気のソニー、パナソニックなどではないでしょうか。これらの企業は世界的にも成功していて海外へ行っても日常的に製品を見かけることができます。 では、私がいるファッション業界で世界に誇れるブランドは? 業界の人間としては、一番に名前があがるのは「コム・デ・ギャルソン」ではないでしょうか。 私はヨーロッパに行くことが多かったのですが、どこの国のセレクトショップにもギャルソン

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          ZOZOvsユニクロの裏で起きていること

          今、ファッション業界の話題といえば、ZOZOかユニクロが中心になっています。昨年発表されたZOZOスーツは大きな話題を呼び、それに対してユニクロの柳井さんの挑発するようなコメントに大きな盛り上がりを見せていました。 私は仕事柄、日本や海外の工場に行く機会が多く、現場の状況を把握している立場からすると少し違和感を感じたことがあります。 システムの発達とアナログな現場のギャップ最近の業界紙のトピックスのひとつにテクノロジーな3D採寸が挙げられます。ZOZOスーツの打ち出しもス

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          「メイドインジャパン」アパレルの現実とこれから

          「メイドインジャパン」の服、着てますか? 高品質のイメージはあるけどそう言えば最近あまり見ないかも……という人が多いのではないでしょうか。 実はいま、「メイドインジャパン」が危機に瀕しています。 ユニクロやZOZOが躍進し、日本の次世代アパレル企業が注目を浴びていますが、彼らが発注するのは中国や東南アジアの工場。カジュアル服の生産はほとんど海外に主戦場が移り、国内の大規模工場は姿を消しました。小~中規模工場はまだ頑張っていますが、人材不足や需要の低下でピンチです。 高品

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