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VUCA時代に理想的なエンパワーメントされた組織の創り方①「そもそもエンパワーメントって何?」

有名な良書である「1分間エンパワーメント」を読み進めながら、エンパワーメントへの理解を深め、実際に自分の組織で実践するなら、どうやるの?
という視点で本と対話していきます。もし今後自分の組織をエンパワーメントさせていきたいと思っている方のお役に立てば幸いです。
本との対話(独り言)を忘れないように「自分用」にメモしたものなので、読みにくい点はご容赦ください。


多くの組織が目指す姿は「エンパワーメント」

【エンパワーメント】
組織のメンバーが自ら、知識・経験・モチベーションの力を最大限に発揮し、課題解決や目標達成に向けて行動する

社員の力で最高のチームをつくる: 1分間エンパワーメント

簡単に言うと、エンパワーメントされた組織では、現場のメンバーが指示待ちではなく、主体的に動くということ。さらに、この状態に到達するためには、「この会社は自分の会社、この仕事は自分の仕事」という、メンバーのオーナーシップが最も重要な要素であると語られています。
私自身、人事領域を生業とするコンサルタントなので、『メンバーの当事者意識が足りないんだよな…』という、ご相談はよく伺います。メンバーに「この会社は自分の会社」という意識を持たせることは、とても難しいですよね。そもそも「自分の会社ではない」という大前提があります。スタートアップ企業などでよく見かけるストックオプションの付与は、まさにオーナーシップを持たせるために人参をぶらさげるやり方です。この本では、マネジメントによって、メンバーのオーナーシップを育むやり方が提唱されています。

どうやってオーナーシップを高めるのか?

「フラットな組織にして、権限を与えチャレンジさせること」
と、在り来たりな回答です。本の中でも語られていますが、実際にこの方法を実践した企業の話を聞くと
・受け身な姿勢は変わらず、チャレンジする人は極少数
・チャレンジしても、上手く行かず、すぐに諦める
この繰り返しで、尻つぼみ。時間の経過とともに、この取り組みは無かったものになりがちです。権限さえ与えれば自然にメンバーのオーナーシップが高まるなんて、簡単な話ではないですよね。

なぜ権限を与えても、社員は変わらないのか?

権限を与えらてもチャレンジするメンバーが増えない理由について、本書では、社員の能力が低いのではなく「本気でチャレンジすることを怖がっているから」と解説されています。多くの組織は減点方式の評価で、間違いをみつけ罰を与える方に意識が傾いていることが理由と添えられています。

私自身は、罰を恐れてチャレンジしないのではなく、単なる習慣だと思っています。目の前の仕事が忙しいのに、インセンティブのないチャレンジに取り組む人が少ないのは当然だと思います。チャレンジすること自体は、とても面白いですよね。だから、その面白さをメンバーが感じて、自分から動き出す習慣がつくまで、マネジャーが背中を無理にでも押すことが必要です。

まずはマネジャー自身のマインドチェンジ

本書でも語られていますが、前提となるのは、マネジャーがメンバーの「能力」と「成長」を信じて辛抱強く取り組み続ける意識です。

人が変わるには、何度も失敗しながら試行錯誤を繰り返し、自分のバイアスに気付き、考え方を変えていく、とても時間がかかるプロセス。すぐに結果が出なくても、取り組み続ける根気が必要です。こんな根気のいる取り組みだからこそ、前提はマネジャー自身がメンバーの成長を信じることです。

エンパワーメントを高める取り組みは、取り組み初期の変化は微々たるもの。注意深く観察し、小さな変化・進歩でも、発見し喜ぶことが大切。

社員の力で最高のチームをつくる: 1分間エンパワーメント

エンパワーメント組織におけるマネジャーの役割とは?

本書では「管理」から「部下と組織をつなぐ連結ピン」へと役割の変化が必要だと語られています。メンバーの仕事をコーディネートし、必要なリソースを調達し、計画的に進めて行くこと。こうして、メンバーの能力とやる気を引き出し、アウトプットとなる組織成果につなげるのが連結ピンの役割です。つまり、マネジャーはメンバーの仕事が円滑に進むようにサポートしていくことが仕事です。

私の場合、中国で組織開発を生業としているため、この話をすると、多くのマネジャーから「理屈は分かるけど、社員に舐められる」と、受け入れられないことが多いです。中国では、メンバーから上司への評価も、具体的な言葉や行動で示されることが多い、つまり上司の能力が低ければ「私はあなたを認めていない」という態度を明確に表現します。多くの駐在員が痛い思いを経験しています。

では、具体的にどうやって、エンパワーメントしていくのか?核となるオーナーシップを高めていくのか?について次節以降で読み進めて行きたいと思います。

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