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大陸と日本をつないだ作品たちの話。

1.日本国内を流通した古伊万里に国民性を見る

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色絵五艘船文独楽型大鉢

これは国内用古伊万里です。当時は人物を描いた陶磁器が多く作られていて、景徳鎮窯やマイセンでも同時期、中華風、洋風、アラビア風の衣装を着た人物が描かれた色絵磁器がありました。
これをみると、オランダ船は宝船で吉祥紋のように取り扱っています。昔から日本人は新しいもの、珍奇なものに心惹かれる国民性なのですね~。(ふふっ)
同じ時期にあるいは東洋に、あるいは西洋に憧れていたのかなと思うと、すごく興味深いですね!


2.将軍家に献上する、鍋島


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輸出品としての古伊万里とは別に国内、特に将軍家への献上品として発展したのが鍋島。そんな鍋島の初期と後期の作品をどうぞ見てください!どっちが初期でしょうか~!

なんと、毎年5000作って2000献上っていう…!
将軍家にも持って行くけど、幕閣とか京都の朝廷とかさまざまにご挨拶しなければならない、藩。大変だな…。それは、台所事情も厳しくなるわ…。

そんななか、では当藩は焼き物を作ろう、と産業を起こし、しかも年月が経つほどにどんどんデザインが洗練されて行くんです。

初期が下。後期が上です。正解しましたか?

3.琉球 紅型 

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黄色地垣根に牡丹模様裂地 と
染分地霞流水蛇籠に千鳥梅桜菊模様裂地

紅型というのは、琉球王朝の主要産業であった染色品です。
作品から東南アジア、中国、日本それぞれの影響を受けて作られたことが知られています。
色彩も模様も和風で中華風で印風でもあるっていう。どこからみても、異国の匂いしませんかー?
ハッ!!!
また楽しくてテンション上がってしまいました。

どうどう?綺麗でしょお?
なんとなんと、染色だけじゃなくて、型紙もすごく良かったので、これを踏まえて、型紙を一緒にみて頂けると嬉しいです!

4.紅型の型紙も美しくて、もう夢中

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琉球紅型型紙 杉綾に桐梅模様染地型紙
琉球紅型型紙 蝶に牡丹松葉模様染地型紙

琉球紅型にわたくしめろめろになってしまいまして、紅型の作り方なぞを調べたりしたわけです。
これは渋紙(奉書紙←日本から輸入
を貼り合わせて柿渋を塗った紙)に絵をうつして、小刀で切ったもの。で、ズレないように糸で枠に模様を止めるっていう。

もう、既にこれが作品だよ!と思いませんかー?
模様が日本(本土)じゃあありえない季節感とかもあって、それもまたヨイんですよねえ。

紅型はこの型紙の上に染料を乗せるんですが、顔料と天然染料どちらも使ったり、手で色を載せてくことで一度で染めたり、ミックスされたからこそ生まれるアートってありますよねー!

東南アジア、中国、日本の影響をそれぞれ受けつつこの美しいアートを育てたこと、
一度ならず二度までも、なくなりかけた文化を復活させたことも、ありました。ちなみにそのうち一度は薩摩藩がやってんですけどね…歴史的にはというか、今もいろいろあるけど、うまく言えないけど、わたしは、琉球紅型を絶賛応援しまあす。

疫病が収まったら沖縄行きたいなー!


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