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企画展「大地のハンター」から国立科学博物館

陸に上がって4億年のうちに多様化したハンター(捕食者)。ハンティングから生態系の重要性を説く展示です。大変面白かったので、ご紹介していきます!
国立科学博物館、開催中の企画展「大地のハンター」展 Hunters on Land -陸の上にも4億年ーを紹介します。今は閉館ですけども…。一応会期中…。

どうぞよろしくお願いしまーす。

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1.白亜紀の哺乳類

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レペノマムス・ギガンティクス
の化石です。

もしもあなたが「白亜紀は恐竜の影に隠れてネズミのような哺乳類がコソコソ生きていた」というお考えであればすぐ改めなければありません。

この、レペノマムス・ギガンディクスという哺乳類は中国で見つかりました。大きさはラブラドールレトリバーと同じくらい。

この化石ではありませんが、似た別の哺乳類の中にはお腹に恐竜の幼体が入ったものも発見されてるそうで、胴体真っ二つだったそうですよ!すごい顎の力…!!骨ごと食べてるんですよ。

白亜紀の哺乳類もまっったく侮れないというお話しでした!

2、入場時にやっておこう!~音声ガイドを借りる

入場したら、音声ガイドはぜひ借りてくださいね。エレン(『進撃の巨人』の声優、梶裕貴さん)が案内してくれて、テンション上がりますよ!
エレンとともに迫力いっぱいの剥製を見ようじゃないか。

科博の剥製はすごいんですよ。量も、質も。常設展にも大量に並んでいます。もしやここは『ライオンキング』のエンディング?!とみまごうほど。

わたしはですね、かつてお仕事でバナナワニ園も何度もお邪魔しておりましたが、アリゲーターとクロコダイルの違いをこんなにきちんと教えてもらってなかったぞ!!(バナナワニ園はとてもいいところです。熱川に行ったらぜひ訪れてください)

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子どもと解説聞きながら歩いていたのですが、彼が「うわーい💕ハリーポッターのフクロウだよ!」と近づいたフクロウのなかなかのハンターぶりに口がきけなくなってましたよ。

3、スミロドンのお話

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スミロドンは役250万年まえから1万年前に南北アメリカで生息していたとされる、サーベルタイガーの一種です。

大きな牙はありますが、骨を砕くほどの強度はなく、四肢は発達していますが、それほど足は速くない、というスミロドンはナウマンゾウなどの大型でゆっくり動く動物や弱った個体、幼体などを群れて襲っていました。
群れで生活していた証拠は、身体の弱った個体がしばらく生きていたような痕跡があったことだそうで、研究者の素晴らしさに感じいってしまいました。

そういう動物はそうだよなあ、大型動物が減ったら生きていけないだろうなあ。

そんな感じにそれぞれのコーナーにある映像展示もとてもよくて、まるでここはナショジオの世界…。いつまでも見ていたい!

4,エモいハンターを推す先生たちにエモさを感じる話

陸上の名だたるハンターたちを見た後は、休憩コーナー(?)に研究者の先生方がそれぞれハンターを推すコーナー

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絶滅動物もあれば、普通にその辺にいる生き物もいて、見応えすごくありました!
研究者の先生たちの推しはマジメに推しなので、面白くないわけないじゃないですか!

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それぞれの推しポイントもまたよきかな。
絵もサイコーですし。この本出たら買いますけど。

ティラノの下にヒルだったり、先生方のチョイスもイイ!!んですよねー

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どうぞ楽しくご覧下さい♪

5、ハンターのテクニックには圧倒されて、巨大化しなくてよかった、と心から思った話。

この企画展は「捕食」に注目している展示ですから、とうぜん、捕食スタイルにもおおいに注目しています。

・偏食のハンター
例えば、ありしか食べないオオアリクイ。
展示にはありませんでしたが、パンダだって笹ばっかり食べてるし、コアラだってユーカリばっかり食べてるはず。

そのほかに毒を持つもの、血を吸うもの、などなどいっぱい。
普段から身近なカマキリやクモ、はち、トンボなんかが出てきたので、子どもは興味しんしんでした。写真も撮り忘れてましたよ…!!
そういう生き物がどういう風に捕食してるかって理科でやったような気がするけど、ちゃんと知らなかった!トンボにはこんなに種類があるんだ!!とか、わたしは感心して見ていましたが、子どもにはすでに知っている知識が展示されていたようで、えー!知らないの?!という顔をされたことはヒミツにしておきたいと思います!

6,ニホンカワウソと文学

さて、展示の最後は「絶滅したハンター」でした。
ニホンカワウソは明治時代から昭和にかけての乱獲で絶滅しました。
その毛皮が大変上質だったこと、肝臓が肺結核の薬となったことで乱獲、密猟の的になり、戦後の高度成長期の護岸工事や開発が止めを刺しました。

そういえば、わたしたちの母親くらいの世代だったら、フェイクじゃない毛皮のコートとかフツーに着てたんだった。わたしも、そうっと母のクロゼットに仕舞われたそれを撫ぜた思い出あるよ…。今思えばキモいですね。

さて、ニホンカワウソは最後まで細々と、密猟されちゃったんですけど、文学の世界ではまだ生きています。

『ガンバとカワウソの冒険』斉藤惇夫 
岩波書店
言わずと知れた、『グリックの冒険』、『冒険者たち』に続く三冊目の本です。
このお話はニホンカワウソ絶滅の話を知った斉藤先生がそのことそのものについて描いた本です。

世界じゅうの子どもはこの本を読まずに大きくなってはいけない。どうしようもない時に、本が人生を励ましてくれることがある。そんな本です。ぜひぜひ。


大地のハンターの中にはもう居なくなってしまった生きもの、とても数が少なくなってしまった生きものが多くあり…。

展示そのものが面白いこと。帰ってからも改めて考えることができること。この2点が揃った素晴らしい企画展でした。

ぜひぜひ!見てください。そして考えましょう!よろしくお願いします。

常設展だけでもじつは見るもの体験するものいっぱいです

7,国立科学博物館は常設展もすごい!凄すぎて一回では見切れない…!!特に子ども連れならね。

見るものだけでは無く、体験するものもいっぱいでたくさん推したい。ほんとに推したい。

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地下の展示は難しすぎてさっぱり原理がわからないので、できればストーリーマンガで例えて欲しい…

そんな中、今日ご紹介するのはこちら。
「万年時計」別名「万年時鳴鐘」です!

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これは、江戸時代末期の技術者、田中久重が制作した置き時計です。
デカイ。1メートルくらいある)

田中久重さんは、今話題の東芝(重電部門)の創業者でもあります。「日本のエジソン」とかもとはからくり人形師だったので、「からくり儀右衛門」などと呼ばれていました。

この時計は部品までほとんど田中久重さんの手作りなんですよ!!
ほかにもたくさんの発明品を作りました。
例えば日本初の蒸気機関車とか、反射炉の改築、大砲の製造なんかもしてます。

この万年時計は田中久重さんが亡くなってから壊れて動いてなかったのですが、昭和24年になって修理を試みられたという作品です。

上は天象儀になっており、京都の1年間の太陽と月の動きを表します。
文字盤のとこは昼夜の長さに応じて一時刻の長さが変わる不定時法に自動対応しています。
そのほかに二十四節気もわかるし、曜日もわかるし、なんだかとにかく何でもわかる!!時計なんですよ!!

なんといっても土台の木彫りとか螺鈿とか(ちゃんと写真に写ってないけど、七宝とかもとても美しい細工でトキメキます。


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