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「不登校」にさえなれず、頑張っている君へ

「引きこもり」や「不登校」が
マイノリティーだった数年前。

でも今となってはもはや
休校、テレワーク、自粛要請で

全人類が、ある意味
「引きこもり」だ。

そんな中で、ふと、
蘇った記憶がある。

ああ、私はずっと、
引きこもりたかったんだった。 

「不登校」になれる子が
うらやましかった。 

だった。

学生時代、私は周りに
とても恵まれたので
いじめを受けたとか、
そういうことはない。

むしろ、楽しい思い出の
ほうが多いと思う。

だけど、心の片隅に
いつも違和感を抱えていた。

「どうしてみんなと
同じ意見じゃない人は
仲間外れにされて
しまうんだろう?」

「どうしてそんなに
みんな群れたがるのだろう?」

「どうしてみんな授業中
答えがわかってるのに
手をあげないのだろう?」

「どうして今、
この勉強してるんだろう?
将来何の役に立つんだろう?」

しかし、いわゆる「優等生」
だった私は、その違和感を
封印して過ごすうちに、
それが当たり前になっていった。

だけど、高校生1年生のとき
父が自死で急に亡くなった。

今まで封印していた違和感が
いっきに噴出してしまった。

「学校、行きたくない・・・・・」 

最初の数か月は、葬儀などで
バタバタしていたり

ニュースにもなるような大きな事件に
巻き込まれた中での自死だったので
マスコミに家を囲まれたりして、

"物理的に" 学校に行けずにすんだ。

でも、祖母の家からとか、
借りぐらしのアパートから
通えるような状況になってから、

また学校に通い始めることになった。
そうしないと、単位が足りず
卒業できなくなるからだ。

ぜんぜん、心の傷は
癒えていないのに、
血が垂れ流しの状態で、
這って通った。

学校には行きたくなかったけど、
久しぶりに友達に会えたのは
嬉しくて、思わず口元が緩んだ。

でも、正直、どんな顔をして
そこに居ればいいのか、
わからなかった。

みんなニュースで父のことも
知っていると思うし、

本当はどんな風に
思われてるんだろうと
周りの目が怖かった。

授業中に父のことを思い出して
泣きたくなるときも、
ぐっとこらえて、

休み時間になると、
急いでトイレに駆け込み
泣いた。

周りに心配させまいと、
「笑顔」を張り付けて過ごした。

友達同士で

「うざ!死ねよバーカ」

なんて冗談で言い合っている
会話にもついていけず、

なぜそんなに簡単に
「死ね」なんて言えるのか
そういう言葉に過敏になっていた
私の心は、ますます痛んだ。

父が崖から海に飛び込むのを
止めようとする夢を見た日の朝は、
泣き叫ぶ自分の声で目が覚めた。

悲しみが津波のように
ゴーーーっと押し寄せてくる。

**「今日こそはもう無理!!!!

 学校行かない!!!!!!」 **

と布団をかぶって、
目覚まし時計を
ぶん殴って止めた。

母が起こしに来る。

「あら?まだ起きてなかったの?
 お母さん仕事行ってくるからね!
 今起きないと遅刻よ!…って、聞いてる???」

「今日は行かない」

「なんで???!!体調悪いの?」

**「行かないったら、
 行かない!!!!!!」 **

**「お願いだから行って!!

 卒業できなくなっちゃうでしょ!!
 お母さんだって、
 あんたたち(私と双子の妹)
 を大学に行かせるために、
 老体に鞭打って、
 働きに出てるんだから!!!!」 **


「・・・・・。」


本当は、お母さんが、
一番つらいはずだ。

お母さんだって、
毎日ずっと泣きたい
くらい辛いだろうに

一家の大黒柱が急に亡くなって、
身を粉にして働いてくれている。

双子の妹と、私の
ご飯に困らないように。
高校を卒業できるように。
そして、大学進学させるために。。。

私は歯を食いしばって、
布団を蹴飛ばした。

泣いたまま制服に着替えて、
泣いたまま満員電車に揺られた。

くっそっっっっ!!!!!!! 


どんなに学校に行きたくない日も
行かないという選択ができなかった。

お母さんにこれ以上
心配や苦労をかけたくなかった。

何にもできない無力な私が
唯一できることは
学校に行って母を安心させる
ことだけだった。

それでも、自分の気持ちに素直になって
激しく抵抗してしまえばいいのに、

優等生歴が長かった私は、
反抗する術を知らなかった。

しかも、私には双子の妹がいた。

いつも一緒に通っていた妹だけが
学校に行き、自分だけが行かない

というのは、どうも不自然に思えた。

母や双子の妹も、悲しみの中
頑張っているのに、自分だけが
弱音を吐いてはいられない。

それに、自分が足を止めてしまえば、
どんどん周りに置いて行かれてしまう。

同学年の双子の妹との差が開けば、
ダメレッテルを貼られてしまう、、、
そんな焦りも、あったと思う。

とにかく私は、必死に、
食らいつくようにしながら
引きずられてボロボロに
なりながらも、学校に通った。

だから、いまでも、

「元不登校です」
って言ってる人や

「今学校行ってません」
っていう子どもに出会うと

純粋に
いいなぁ~~~って思うし、
胸がざわついて少しイラッとする。

なんだかんだいって
不登校を理解してくれる親と、
それができる環境にいる(た)こと、
本当に感謝してほしい~~~~。

そうはいっても、いじめられたり
感性が強すぎたり、本人としては、
本当につらいよね。。。

行きたいけど、
ほんとに行けない。

っていう気持ちもあると思うし。

それでも、

**「お父さんが自殺で死ぬほど

 悲しい経験をしたわけでもないのに、
 なんでそんな簡単に不登校になれるの?!
 私だって休みたかったのに!ずるい!!」**

って、高校生の頃の私が、
心の奥で叫んでる。

でも、どんな悩みも、本人にとっては
大きくて、苦しくて、深刻で、
当事者にしかわからないもので
 比べられるものではないから、

そんなこと言っちゃダメだって、
その高校生の頃の私の心の叫びに
ずっと蓋をしていた。。。

「不登校」になる子どもは
問題児扱いされがちだけど、
むしろ"すごく健全"だと思う。

そういう形で、自分を表現したり
SOSを出したりできている、という
見方もできるからだ。

**一方、「不登校」にもなれず、
違和感を抱えて苦しんでいる
子どもってどれだけいるのかな。 **

**「なんとか頑張れちゃう」 **

**忍耐強い子ほど、もしかしたら
本当は一番危険なんだと思う。 **

いじめとかで本当に自殺しちゃうのは
たぶん不登校にさえなれなかった
子たちなんじゃないだろうか。

今となっては、

あのとき頑張ったからこそ
得られたものや出会えた人たち
がいるから、よかったとは思う。

だけど、やっぱり、

あのとき、

「学校行かなくてもいいよ」

って、お母さんに
言ってほしかったなぁ。

「学校行きなさい!」も、
その先で子どもが苦労しないように、
という、親の愛だとわかるし

お母さんだって一家の大黒柱を
急に失って、必死だったと思うから、
ワガママな要望だとわかってるけど。

でも、もし

「学校に行かなかったら
 将来大変なことになる!!!」

じゃなくて、

「学校行っても、行かなくても
 どっちでもいいよ。 

 どっちの道に行ったって、
 あなたなら素敵な人生を築けるから。
 
 必要なときは、
 いつでもサポートするよ」 

って、そんな風に言ってくれる
大人がひとりでも周りにいたら、

当時の私は、どんなに安心して
この世界を生きていけたかな。

そして本当は、誰からでもなく、
自分自身から、自分自身に
そう言ってあげられたら
よかったんだけど、、、

まぁ真面目な優等生だったし、
まだまだ未熟だった10代。
なかなかそんな風には
思えなかったよね。

逆に言うと、
不登校を選択してる子どもって
本当はとっても意志が強くて、
自分自身を信じて貫ける性格
っていうことでもあるから、
素晴らしいなぁ、と尊敬する。

不登校になれる子が
うらやましいと思っていたのは、 

本当は、そんな不登校を貫ける
その人の意思の強さだったのかも。 

そんなわけで、まとめ。

今、改めて、自分から
あのときの自分に言ってあげたい。

そして、同じように、
不登校にさえなれず、
違和感や苦しみを
持ちながらも、
学校に行ってる子に
言ってあげたい。

今、立ち止まっても、
大丈夫だよって。 

**周りの大人たちは **

**「学歴がないと仕事につけない」
「好きなことでは食べていけない」 **

**とか、いうかもだけど。 **

**あなたの感性に従ってほしい。 **

**あなたが大人になるころには、 **

**学歴なんて関係ない
社会になっているかもしれないし、 **

**好きなことで食べているのが
当たり前になってる世界に
なってるかもしれないよ。 **

**日本社会がまだ遅れていても、
海外に行ったら、あなたに
ぴったりの生き方があるかもよ。 **

**実際に、私は大人になって、
そう感じてる。 **

例えば、数年前は不可能だった
テレワークや時差出勤なんて
働き方が、コロナの出現で
当たり前になってるように。

テレビに出ないと稼げなかった
ミュージシャンやタレントと
いう職業が、YouTuberとして
誰でも人気になれる可能性が
生まれていたりするように。

もし、これを読んでいる
小中高生の子がいて、
周りの大人とか友達には
話せないけど話を聞いてほしい
という子がいたら、相談してね^^
そんな子どもを持つ、親御さんも。

eminglish2020@gmail.com


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