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音楽に国境は無いと実感したあの日

私が高校生の時に体験した話です。

吹奏楽部で朝から晩まで音楽に明け暮れていた毎日。

そんな田舎に住む私達に、

音楽の都ウィーンへ、演奏旅行に行く

というビックサプライズが訪れました。

しかもそのホールは「黄金のホール」と呼ばれる、世界一のホールです。

この体験は人生で忘れられない出来事の1つになったことは言うまでもありません。

いざ、ウィーンでクリスマスコンサート

コンサートを開催する上で驚いたことは、「司会進行役がいない」「入場するところから音楽を評価されている」ということです。

入場と共に淡々と音楽が始まります。

「お客様に受け入れてもらえるだろうか」という不安、緊張感を感じながらの演奏。

「日本の高校生はどんな演奏をするのだろうか」という客席側の緊張感。

前半はクラシックを中心とした曲を演奏し、後半はウィーンにちなんだ曲やクリスマスソング、日本の伝統芸能を交えたパフォーマンスを予定していました。

後半に進むにつれ、会場の緊張感が緩んでいくのを肌で感じることができました。

You Raise Me Upを演奏している際、客席に目をやると感動して泣いている女性が目に入りました。私達の音楽が彼女に届いたのです。

日本の伝統芸能を交えたパフォーマンスには、スタンディングオベーションの嵐で、会場の拍手が鳴りやみませんでした。

世界一のホールということもあり、拍手が地響きのように聞こえます。

お客様の反応を見て、私達は受け入れてもらえたんだ。

頑張ってきて良かったと心から思いました。


終演後、お客様から「最高だった!今度はいつ来てくれるんだい?」などの感想を頂き、田舎から出てきた高校生にこんなにも感動し、喜んでくださる姿を見て心が震えました。

言葉が違っても、見た目が違っていても、音楽は心を通わせる最高のツールだと確信させてくれました。

部活動として吹奏楽部に所属していた私は、コンクールで1位になることが全てという考えから、「人に感動してもらえる演奏」「喜んでもらえる演奏」が大事だとという考えに変わりました。

決して練習は楽しい事ばかりではなく、逃げ出したいときもありましたが、演奏会に来てくださるお客様の笑顔、その先に得られる達成感に病みつきになりました。

小さな田舎から飛び出て、あのホールで演奏したことは一生の思い出です。


#部活の思い出 #吹奏楽 #ウィーン #楽友協会ホール #青春 #楽器

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