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新規事業の初期リサーチにおけるchatGPTの活用可能性と事例

新しい事業やサービスを企画することは、創造的な活動ですが、同時に地道なインプットや調査もリスクを減らすために重要です。

私自身、デザイン留学を終えた後、IT系メーカーのインハウスとして活動し、新規事業・製品、戦略の企画に携わる機会が多くありました。現在はイノベーション組織やデザイン会社で働いており、複数のプロジェクトに携わっています。私の現在の仕事についてもどこかで紹介しようと思っています。

新規事業やサービスの創出は、創造的な活動ですが、リサーチや調査も重要です。これらの作業は、起点となる仮説を持つために必要です。しかし、時間がかかったり、果てしなく続く場合もあるため、できるだけ短時間で生産的に行いたいと思う人が多いかもしれません。

今回は、話題のchatGPTを活用した初期リサーチの可能性や事例についてご紹介します。chatGPTは、新規事業やサービスの創造に必要な情報を素早く収集し、有用な洞察を提供するために利用できます。

この領域はまだ発展途上中ですが、私が執筆した時点でのアイデアを共有したいと思います。

前提:Googleスプレッドシートへとの連携

リサーチをする際に、GoogleスプレッドシートとChatGPT(GPT3.5などの旧版含め)を連携して使ってます。

例えば、このスプレッドシート のように、企業名 x 調査したい内容(例:対象マーケット、顧客、課題、プロダクト、ビジネスモデルなど)の組み合わせで、1回、1回、チャットを入れなくても自動でリサーチするような仕組みにすることで、効率的に進められます。

このスプレッドシート の組み方は以下のnoteを参考にしました。

新規事業の検討着手時によくある3つのリサーチ

様々なリサーチの形がありますが、新規事業を検討開始時によく行う調査としては、以下のようなものがあると思います。

①市場調査:市場構造やトレンドの理解
②トッププレイヤー分析:問題や解決策のインスピレーションを得る
③競合分析:差別化要素や提供価値の理解

これらの分析が既に実施してあるプロフェッショナル・レポートなどを購入することもあると思いますが、お金をかけられない場合は、個人あるいは、チームでウェブや図書などの情報から分析する必要があります。

例えば、市場調査では対象市場の規模や成長率、セグメント分析。トッププレイヤー分析では対象市場でユニコーンとなっている海外スタートアップの事例分析。競合分析では、類似あるいは置き換えようとするサービスや製品の国内(海外)事例の分析。などを実施すると思います。

やり方にもよりますが1週間から2週間程度はかける場合も多いのではないでしょうか。

では、それぞれの調査について、ChatGPTの力を借りて(現時点では一定の間違えを含んで回答してくるため、重要な意思決定を行う情報の場合はバックチェックが必要となることに注意)初期リサーチを行うアイディアを紹介したいと思います。

①市場調査:市場構造やトレンドの理解

実はこちらが1番間違いを含んだ回答を返してくる率が今のところ高い気がしています。

リサーチにおけるよくある問いとしては、

・対象とする市場はなにか?
・対象とする市場は成長するのか?その背景にあるキードライバーは?
・市場セグメントのなかで新しく発生したり、急速に伸びているものは?

などでしょうか。

引用

成長率などを調べる際に、このようなエクセルのグラフに貼り付ける形式で回答してもらうと、その後の図示に繋げやすいです(ただ繰り返しですが、私の場合は何度か間違った値を提示されたことがあります)。

②トッププレイヤー分析:問題や解決策のインスピレーションを得る

もし、かなり大きな企業の新規事業開発や、ユニコーンを目指すようなスタートアップ の創出を考えている場合には、どのようなスタートアップが評価額で100億円超えたり、大きな資金調達をしているのか重要な情報となります。

例えば、現在グローバルで巨額の資金が流れているサステナビリティ・テックの分野では、有名なVC(ビル・ゲイツが創設したところや、IT系のエグジットで巨額の富を得たところなど)が投資しているポートフォリオについて調べると良い洞察が得られることがあると思います。

その際に、企業名のみリストアップして、その企業に関する顧客、課題、解決策、資金調達状況などなどを、エクセルの横に並べて、自動でリサーチをかけることで効率的に大まかな情報を仕入れることができると思います。

また、自分の興味ある起業分野を探るのにも有効かもしれません。

③競合他社の比較

最後に競合他社との比較です。
まず、自分が検討しているアイディアの方向性をChatGPTに伝えて、その分野にいるスタートアップやサービス・製品を列挙してもらうと早いかもしれません。

その後、②と同様に縦列にリストアップしたうえで、その詳細について自動で調べてもらうということでリサーチが進められると思います。

おそらく、よくある競合マップみたいなものを作成したい際には、その2軸のアイディアをChatGPTにブレストしてもらってもいいと思いますし、そのリサーチ結果を眺めながら、提供価値であったり、顧客、ビジネスモデル などの観点から競合をマッピングすることができると思います。

引用

===
このように、リサーチに必要な工数を減らして、分析の「切り口」や分析に基づく「アイディア創出」に創造性を活用する時間を多くとることができるようになれば、もっと創造的に楽しく働くことができるかもしれません。

私自身、日々使ってみての感想としては、インスピレーションを得たり、アイディアの方向性を検討するといったラフな使い方であれば、今でも充分に活用できるという印象です。

一方、投資家や意思決定者向けのプレゼン資料や事業計画など、正確性が求められることについては、バックチェックが必要で、そのバックチェックをするためにはむしろ、1から自分でやった方が早いというケースもあり、ここについては、ChatGPT4やプラグインなどによって解消されていくと思いますので、どこまで対応できるようになるかに期待したいと思います。

もしおすすめの使い方などあれば共有してもらえると嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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