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フィンランドの教育をベースとしたイノベーションスクールを作りたい

日本には新しいタイプの教育が必要とされていると思う。既に本当に多くの人が実感していることではないだろうか。

「人から言われたことはできるけど、自分で仕事が進めるのが苦手かも。」

「0から何かを生み出したいけど、どうしていいか分からない。」

「自分が好きなこと、パッションが分からない。」

日本人は他の国で生み出されたものを持ってきて改善することは得意だが、0から1を生み出すイノベーションが不得意だと言われる。自分の頭で考える教育、創造性を育む教育はまだまだ少ない。色んな時代背景や文化のなかで、周囲に合わせることが美徳とされており、リーダーシップをとることをリスクと感じたり、グローバルに活躍できる人材が育ちにくい環境ではないだろうか。

フィンランドの教育は参考にできる良い事例だと感じている。

私の娘が通っていた保育園は近所にあるごく一般的な施設だった。それでも子供達の教育に対する考え方が面白かった。最も印象的だったのは、子どもたちの自主性を伸ばすことに主眼が置かれていたこと。1つのルールの中に縛るのではなく、一定の規則のもと、自由に子供達は好きなことをして、それをサポートするのが先生の役割だと感じた。ファシリテーション型だ。日本の場合、よくも悪くも、先生が手取り足取り教え、みんなが同じことをするディーチング型だ。子どもの1人1人の個性であったり、やりたいと感じる個の思いは、集団全体と比べて、優先度が低い。

幼児教育に限った話ではなく、大学教育でも同じで、先生はファシリテーションに徹する。これはフィンランドの教育全体でのカルチャーだと感じる。

私が留学していたアールト大学のIDBM(International Design Business Management)というコースでは、デザインというアプローチでありマインドセットを身につけ、多様なバックグラウンドを持つ仲間達(エンジニア・マーケター・デザイナーなど)と力を合わせて、企業と連携しながら、イノベーションを生む実践的なプロジェクトベースの教育が行われていた。

何かを教えるということを能動的には行わない。求められたことは全力でサポートをする。「何をしたいのか」という情熱あるいは内発的な動機はあくまでも生徒自らが見つける。日本型の教育では、何をするのかは教えられる、どうやるのかも教えられる、その型を身につけることに主眼が置かれているのではないだろうか。これにより、自らがやりたいと感じるパッション、自分の好き・嫌いといった主体性・自律性が失われやすい環境がある。

私にはもうすぐ3歳になる娘と、0歳3ヶ月の娘がいる。VUCA時代という言葉に代表されるように、Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)が非常に高い時代において、彼女達が少しずつ成長するなかで、どのような教育を受けさせたいだろうか。

このような変化の激しい社会においても、自分なりの幸せに向かって豊かに生き抜くための知識・スキル・マインドセットをリアルな体験を通じて学ぶことができる未来の教育が必要だと思う。

そのためのキーワードが

1:創造性/イノベーション
2:感性/人間中心
3:ウェルビーイング

の3つだと思う。

そして、これら3つを同時に学ぶことができるのが、北欧フィンランドのデザインイノベーションのプロジェクト型教育だと考えている。

デザインとは創造的な取り組みであり、感性的であり、人間中心のマインドセット・アプローチである。イノベーションとは0-1で何かを生み出すことであり、予測のできないカオスな状況に対して、自信を持って取り組むマインドセットであり、アプローチ、行動力である。ウェルビーイングとは、激しく変わりゆく社会に対応して、自分なりの幸せ基準で生きることであり、そのためには、自分の感性(好き・嫌いの感覚や特性など)を知り、自信を持って荒波を乗り越えて生きること、つまり、デザインやイノベーションのマインドセットでありスキルセットが欠かせないと思う。

Photo at Aalto University, Otaniemi, Espoo, Finland

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