見出し画像

オトナも学べる絵本7選:サステナビリティから創造性・ユーモアまで

子供にとって新しい世界を知るきっかけになる絵本。
お父さん、お母さんになったら、いつか読み聞かせしようと思っている人も今も毎日寝る前に読んでいる人もいると思います。

絵本には、子どもが「言葉」や「物語」を学ぶだけでなく、今リスキリング として大人も学び直す「創造力」や「サステナビリティ」、「未来志向」「コミュニケーション」など、さまざまなことが吸収できます。

わたしも2歳と5歳の娘がいて、毎日のように絵本を読んでいます。
子どもの気分によって、成長によって、興味を示す絵本が変わっていくことを楽しく感じながら、私自身も絵本から気づかされることが多々あります。

そのなかから7冊ほど紹介してみます。
絶版になっている本もありますが、興味のあるものはぜひ手にとってみてください。

1. サステナビリティへの関心が高まる絵本

1冊目は「ワンプのほし」です。

ワンプという優しくておとなしい羊のような生き物が住む星に、バッチい人と呼ばれる宇宙人がやってきて、ワンプの住む美しい星をあっという間に、破壊してしまうという話です。

バッチい人は、いろいろな便利を生み出すために必死に働いて、気づかないうちに星が汚染されていき、しまいには、自分たちも住むことができなくなり、ワンプの星から脱出して、また別の星にいきます。

婉曲的に表現されていますが、バッチい人の振る舞いをみると、私たち人間の欲望にまかせて、豊かさを刈り取るという行動にはっとします。

2. 人間関係に関する絵本

2冊目は「きみなんかだいきらいさ」です。

いつも仲良しの友だちと今日は大げんか。
もう口なんかきいてやるもんか、と思ったけれど、やっぱり気になって仕方がない。劇的な構成で子どもの心理を的確に描くロングセラーです。

息子と息子の親友そのまま!
私の娘もフィンランドにいた頃、よく遊ぶハーフの女の子がいました。
一緒に遊びたがる割によく喧嘩をして、泣いてしまう。

それでも、気付いたら、また一緒に楽しく遊んでいる。
友達をもつ親にとっては、ひやひやしますが、仲良しは結局仲良し。
ということに気づかせてもらえる絵本です。

3. 子どもとの向き合い方に関する絵本

3冊目は「しろくまの育て方」です。

子どもが1歳、3歳、5歳と成長するにつれて、生まれたばかりの赤ちゃんだったときの大切な気持ちを忘れそうになる時もあります。

大きくなっても大切な子供への気持ちを思い返すきっかけになる絵本です。

この絵本は、しろくまを子供に見立てて、可愛いけど、ときどきモンスターになって親を困らせる、こどもはみんな「しろくま」です。

しろくまはどこかほのぼのとしたイメージです。
ところが動物園で飼育体験をした夫から「しろくまは動物園で一番どう猛で飼育が難しいんだよ」と聞いて、人間の子育てと重なりこの絵本が生まれたそうです。

4. 未来志向やユーモアに関する絵本

4冊目は「それしかないわけ ないでしょう」

2018年に出版された比較的新しいヨシタケシンスケさんの絵本です。
テーマは「未来への発想の転換」です。

晴れの予報なのに、雨が降って気分が落ち込んでいる女の子に対して、お兄ちゃんが、未来は暗いんだよと吹き込み、さらにショックを受けた女の子。

おばあちゃんに相談すると...
「おばあちゃん… みらいがたいへんなの…」

落ち込む女の子に、布団から半分起き上がったおばあちゃんが返す
「未来”はひとつしかないの?こんな未来も、あんな未来も、“未来”は、たーくさんあるんじゃないの?」

「そうよ! それしか ないわけ ないじゃない!」

この会話をきっかけに、面白くなって、色んな未来について考えます。
ロボットがどこへでも連れてってくれる未来、毎日好きなものだけが食べられる未来など。

未来は予測できないかもしれないけど、明るい未来を想像して楽しい気持ちになったり、多様な視点を持つことで生き抜く強さが生まれるかもしれないそんな哲学的な示唆があります。

5. 科学の楽しさを知る絵本

5冊目は「地球 その中をさぐろう」です。

絵本作家でありながら、児童問題研究家で工学博士の加古里子さんの絵本。

地球の中のようすを地表から中心部にわたって描いた「海」の姉妹作です。地球内部にある虫の世界や、鳥の世界、インフラの世界、様々な視点から、地球について知ることができます。

この絵本は言葉では伝わりにくいのですが、写真のように、普段意識することはないけれど、実際に存在する地球の生物や人工物などをありありと覗きみることができます。

画像1

番外編:ユーモアを楽しむ絵本

6冊目と7冊目は、どこかクスッと笑ってしまうようなユーモアのある絵本をご紹介します。

1つは「アボカド・ベイビー」です。

小さく生まれて、ひ弱な赤ちゃんに対して心配する家族。
小さな赤ちゃんは何をあげても食べません。
ところが1つテーブルにあったアボカドをあげてみると...

パクパクとアボカドを食べ、それ以来、アボカドばかりたくさん食べるようになった赤ちゃんは、見る見るうちに力をつけて、ある日やってきた泥棒も退治してしまうほど強くなるというお話です。

アボカドは栄養満点と言われますが、高くても子供に買いたくなります。

2つめは「かえるがみえる」です。

かえるがかえる(帰る)
かえるがかえる(替える)
かえるがかえる(買える)

と、かえるが◯◯という言葉だけで物語になっています。

かえるが跳ねたり、かえるが萎えたり、かえるが増えたり、かえるが植えたり、音としても楽しい言葉遊びが書かれてます。

===
最後まで読んでいただきありがとうございました。

せっかく子供と一緒に読む本なのだから、子供だけじゃなくて、大人も学びがあったり、楽しんだりできるといいなと思って、書いてみました。

写真:フィンランドの美術館で撮影

フォローやシェアいただけると嬉しいです。