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親以外の大人と触れ合う体験

小3から学校へ行かなくなった長男は、もう6年生になった。同時に保育園へ行かなくなった次男は、もう小学校2年生。

彼らは毎日のびのびと楽しそうに過ごしている。ゲームと動画で不健康だが、日常に不満はなく、毎日それなりに楽しいみたいだ。

その間にいろいろあって、私は別居して離婚して再婚した。子どもたちにはストレスがかかっただろうと思うが、その中でもできるだけ彼らを尊重し、私のできる限りは平穏にコトを進めたつもり、ではある。

長男は年ごろなので、新しい生活への窮屈さは感じているみたい。次男はあまり気にしていないように見える。

SSWさんが来てくれる

今年度の初めに引っ越して転校した。自治体のソーシャルワーカー(SSW)さんが付いてくれた。

毎週自宅に来てくれて、子どもたちとお話をしたり、少し勉強したり、カードゲームをしたりする。

ここのところ、次男の勉強が乗ってきて楽しそうだったので、勉強をずっとするようになった。ところが、今日、いやな顔を見せた。それで、勉強ではなくゲームをすることに。そうやって、子どもの様子を見ながら対応を変えていく。

子どもは、外の大人と話すことで世界が広がったりするのだろう。

スクールカウンセラーが心理的な側面でサポートするのに対し、SSWは環境面でサポートするのだと書かれている記事があった。わが子の場合は以前もそうだが、スクールカウンセラーよりSSWさんに心を許しているようなところがある。

スクールカウンセラーは学校常駐で、SSWさんは自宅に来てくれるから、その違いが大きいのだろうけど。

以前、練馬区でSSWさんが来てくれたときに思っていたけれど、子どもは「一緒に遊んでくれる」ということがとても大切で、一緒に遊んで楽しい相手を信頼していくようなのだ。

一緒に遊んでくれるから、その前に少しくらい勉強してやってもいいか、みたいな感じ。大人はじっくり話すだけでもエキサイティングだが、子どもは一緒に遊ぶことが大事なんだと思う。特にうちの子どもはそうだ。

大学生と一緒にゲーム

息子さんがN高に通っているという友人に話を聞いたとき、コーチング制度がとてもいいと言っていた。勉強だとかカリキュラムだとかよりも、コーチングで対話して考えていくのがいい、みたいな。

それは、我が子のように小さな子どもにも有効なんじゃないかと思った。子ども用のコーチングサービスもあり、調べたこともあった。でもそれは対話が中心になっている。わが子の場合「Zoomするから画面の前に座って」と言って、言うことを聞く性格ではない。知らない大人と、しゃべりたいとも思わないだろう(わが子は「やりたい」と思わないとやらない)。

また、Zoom越しに遊ぶというのもなかなか難しい。カードゲームもやりづらいし、言葉遊びのゲームなども限界がある。(私は別で「こども哲学」もやっているが、Zoomに向かって比較的楽しく対話ができる子どももいる)

以前、TanQuestを取っていたが、遊びのような感じでも、やはり説明を聞いてそれをやる……みたいなことは、最初は面白くても後々面倒になっていく。結局は受け身になってしまうし、私自身ががっつり時間を取れないこともうまくいかない要因のひとつだった。(TanQuestは、学びになりそうなゲームを毎月届ける通信教材。動画で説明を受けながら一緒に遊んで、楽しく学んでいく)

そんなとき、同じコミュニティに入っている大学生の男性が塾講師をしており、担当している生徒さんが不登校になったという。それで「栃尾さんに、不登校の人向けのサービスを相談したい」と言われたのだった。

そこで話しているうちに「オンラインゲームをしながらコーチングできるんじゃない?」と思いついた。いろいろ考えていたことがつながった。

・子どもは楽しいことしかやりたくない
・コーチングは子どもにも有効そうだが、子どもはZoomの前で対話することに喜びを覚えない
・子どもは一緒に遊んでくれる人に対して好意を持ち、信頼感を寄せる
・子どもは、一緒に楽しく遊んでくれる人になら、少しくらい犠牲を払ってもいい
・子どもを近くの施設やイベントに誘っても、楽しさがイメージできないと行かない

Switchなどのビデオゲームは、子どもにとって楽しいし、ゲームしながら話ができるからコーチングできそうだし、離れた大人とオンラインで一緒に遊べる。すべてをクリアしている。

そんなことが重なって、大学生のNさんに、友だち価格で次男と一緒にゲームする時間を設けてもらった。(幸いにもNさんはかなりのゲーマーだった)

6月初旬から隔週でスタートし、何度かお休みもあったので3~4回はしたかな。マイクラをつないで、同じワールドで遊ぶ。

初めて遊んだ日から、次男はNさんに見せるためにマイクラで何かを作ることが増えた。結構な力作を作っては私に見せてくれて「これNさんに見せたらなんて言うかな?」なんて言う。

その影響なのかどうかはわからないけれど、時を同じくして出かけようという誘いに乗ってくることが増えたし、自分から「○○行きたい」などと言うようになった。友だちゼロだったので、Nさんが友だちみたいになった。

4回目くらいから、ゲーム中に「Nさん」と名前を呼ぶようになったらしい。

Nさんは、ゲームが終わった後に、ちょっとしたレポートを送ってくださって「こういうことを話しました」「こんなところが変化しました」「こういうこだわりがありますね」なんて教えてくれる。

一緒に遊んでいるのを横で聞いていると、もっとゲーム以外のことを話せるのかと思っていたけど、意外とゲーム内のことを話すので手いっぱいみたい。でも、ゲームで見える世界を話したり「これ作っておいたよ」「これ使っていいよ」なんてやり取りをすることは、子どもが大きく深呼吸をするようなことで、子どもが健全になっていくことなんだと思う。

私の友人のパートナーとゲーム

長男はもう年頃になってしまって、「大学生とマイクラやる?」と聞いても「やらない」と言う。

ところが先日、友人のパートナー(20代後半男性)がゲーム相手を探していると言うので、「うちの長男とやる?」と提案し、その後長男に聞いてみて、紹介した。

普段からやりこんでいるゲームなので「楽しそう」と思ってくれたのか、長男はまんざらでもなさそうな感じで引き受けてくれた。

ちょっと敬語で大人の人とゲームをする。ミスをして「あ、すいません」なんて相手を気遣ったり「次、どこ行きます?」と相手の意向を聞いたりと、なんかいいなあ、と思った。

普段、中学生くらいの人と一緒にオンラインゲームをしているが、大人の人とやるのはまた違ったんじゃないかな。

親以外の大人と触れ合う

親以外の大人と触れ合うのは、いいことだ。今までは、学校の先生や習い事の先生しかなかったが、そこには上下関係が存在する。

わが子は、上下関係がとても苦手だ。というより、嫌っている。

だから、フラットな関係性で、一緒に遊ぶという経験は、いろいろな価値観に触れられてとてもいいんじゃないかと思う。

多様性を育むことができそうだ。

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