アウトプットの大切さを自己紹介とともに
見た目や話し方とは裏腹に、うじうじしがちな私のストーリーです。
崖から飛び降りる覚悟でライターに
子どものころから物語や詩を書いたり、日記をつけたりして、文章に親しみながら育ってきました。本も好きでした。
ものを知らず、将来をまともに考えていなかった私は、小中高はバレーボールに明け暮れていました。地元の進学校だったにも関わらず、塾にも行かず、テスト前以外で勉強をした覚えはほとんどありません。
ところが、授業中に理解すれば何とかなる数学と、本をよく読んでいれば有利な現国だけはそれなりだったので、消去法で理系クラスに進みます。そこで物理も好きになりました。
大学は情報工学科に進み、プログラミングも好きになりました。
当時はもの書きになりたかったものの、田舎育ちの私はまず食べていかなくてはいけないと、IT企業に就職します。たまたま外資系で、当時としては先進的な、フラットな組織文化に恵まれ、SAP R/3という巨大業務アプリのITコンサルタントとして働くことに。
6年半働きましたが、そのままキャリアを進めることに疑問を持ち、自分が「本当にやりたいことをやりたい」と思うようになりました。いろいろ考えてみたところ、やはりものを書いて暮らしたいという思いがふつふつとわいてきたのです。
ものを書く仕事で「なろうとしてなれるもの」と考えると、ライターしか思い浮かびません。
当時盛んだった「2ちゃんねる」でライターという仕事をチェックすると「今日もまた徹夜」「時給換算すると数百円」などという書き込みが出てきましたが、そんな生活も数年くらいなら覚悟しようと思いました。
30歳を目前に、それまでのキャリアを捨て、ライターを目指そうと考えたのです。
インターネットの就活は一般的ではない頃。ところが、就活情報誌にライター職というのはほとんどありません。ライター講座に通って隅に置いてある求人(アルバイト)を見たり、ハローワークに出ている編集プロダクションを探しました。
そこで、私を拾ってくれる編集プロダクションがあったのです。
2005年、私のライター修業が始まりました。
入社して5年ほどは、案件ごとに初めての仕事のような感覚で、毎回チャレンジでした。ライター、編集の仕事は多岐に渡り(当時は執筆以外の仕事のほうが多いくらい)、未経験なことばかりだったのです。
そのうえ、社内で毎週「文章講座」と「企画講座」があり、仕事以外の文章1本と、仕事のための企画をいくつも作って添削をしてもらっていました。その時にとても厳しい基準で添削してもらっていたことが、今の私の文章力になっていると思います。ありがたいことです。
少しずつ発信をスタートし、環境が劇的に変わっていく
ライターのスキルは、自分という個性を殺すところからスタートします。黒子になり、「私」という主語を捨て、客観的に書いていきます。
ところが、その前から自分でホームページ(匿名)を作ったり、ブログ(匿名)を書いたりしていた私は、やはり引き続き自分のことを、自分の言葉で書きたいという思いを持ち続けていました。
仕事では自分を消して商業的スキルを身に着け、プライベートでは自分の思いをブログに書き続ける。そこに何の意味があるのかまったく分からないまま、書かずにはいられなかったのです。
2008年、日本でiPhoneが発売されたのを機に、個人がブログやSNSで発信することが普通になっていきます。
ずっと匿名でないと発信できなかった私が、写真を顔写真に変え、名前を本名に変え、少しずつ勇気を出して自分のことを書いていくようになりました。
でも、それらを(実名でリアル友だちがいる)Facebokに投稿できたのはずっとあとになってから。それくらい、自分の言葉が頼りなく、恥ずかしく思えたのです。
恥ずかしがっても仕方がない。みんなはそれほど私のことなんて見ていない。ほかの人が「栃尾さんって恥ずかしいね」なんて思うことはほとんどない。……と自分に言い聞かせ、開き直って発信することに決めたのです。
実名での発信をスタートし、個人のホームページを立ち上げ、ポッドキャストなどもスタートすると、驚くほど環境が変化しました。
人との出会いやフォロワーさんが増えていく
10年近くライターとして活動して文章力が付いてきたところに、できるだけためらわず発信するようにしたからでしょうか、その効果はさまざまなところに波及しました。
●新しい仕事との出会い
SNSなどでつながっている方に私の活動を見てもらえるようになり、これまでつながりのあった人や、初めての方からお仕事を依頼されることが増えました。
フリーランスになって仕事が途切れることなく続けられているのは、間違いなく発信のおかげです。
また、発注くださる方が私の発信や文章を見て人となりなどを把握してくださっているためなのか、アンマッチな仕事が少なくなりました。非常に仕事がしやすいです。
●人との出会い
仕事以外でも、さまざまな人と出会えます。簡単に言うと友人が増えるわけです。よい人間関係は、幸せに暮らす条件のひとつです。
● 思考力のアップ
自分の思考を発信していると、考える内容が練られていきます。より深く、より広範囲に、より精細にものごとを考えられるようになると感じます。
● 受け取ってくれる人がいる喜び
発信するといろいろな方と出会えます。音声番組のリスナーさん、ブログの読者さん、TwitterやFacebook、Instagramのフォロワーさん。
具体的なお仕事などにつながらなくても、「読んでくれている人がいる」「聴いてくれている人がいる」「見てくれている人がいる」というのは自分に生きる力を与えてくれると感じています。
● 自分の変化
自分が大きく変化しました。発信していると、見られている自分に恥ずかしくないようにふるまいたいと考えます。また、いろいろな人や世界とつながっていて、広い世界を感じられます。
オープンな環境に身を置いている感覚は、自分を変化させるのではないでしょうか。
発信による変化を知ってほしい
発信し続けると、自分が変化していきます。
それと同時に、周囲の環境も変化して、見える景色が変わります。
これは、海外旅行をしたことのない人にそのよさを伝えるのが難しいように、経験してみないとわからないのかもしれません。
景色が変わった結果として、徐々に仕事がうまくいったり、自分の軸が定まったりするかもしれません。
よいことばかりでなく、疑問が生まれたり、さらに深い迷いが生じたりするかもしれません。ただ、こちらの方が、より発信のメリットであると考えることもできます。
発信するのは、自分や会社を前に進めることです。
誰にも知られずに生きていくのが難しいように、誰ともつながらずにビジネスを進めていくことはできません。
前に進めるために、世界を広げるために、発信をしてほしいと思います。
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