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創業5周年の節目にファンズのValueを再構築したお話

※ これは「Funds Advent Calendar 2021」6日目の記事です。※

こんにちは!ファンズ株式会社で人事をやっている鈴木絵美です。
この前に書いたnoteが、去年のAdvent Calendarということにまず猛省しています。ダメ人事…!!
来年はもう少し情報発信できる人事になりたいと思います。2022年の抱負が決まったぞ。

さて今回は、今年の11月に新しくなったファンズのValueを紹介したいと思います。なぜValueを再構築することになったのか、また再構築の過程といったところも一緒にお伝えしていきたいと思いますので、ファンズのカルチャーに興味がある方や、会社のカルチャー作りに関わる人事の方々に読んでいただけたら嬉しいです!

1. なぜValueを再構築することになったのか

組織がかかえる課題感

ファンズは、2021年11月1日で創業5周年を迎えました。この記事を書いている12月6日時点で、役員と社員を合わせて41名、業務委託等も含めると80名を超える規模にまで成長しています。そんな成長の過程で、決定的な問題という程ではないものの、組織にちょっとずつストレスがかかるようになってきました。例えばこういったこと。

・はっきりものを言うべき ⇄ 発言の受け取り側がもっと気を使うべき
・”プロフェッショナル”としてもっと気を引き締めるべき⇄雰囲気がこわい...お手並み拝見感がある
・○○の施策を推進します!⇄○○の施策って、今注力すべきことではないんじゃないの?

会社としての確固たる価値基準が明確でなく、場面によっては人によって異なる正義が生じていたように思います。その結果、双方がストレスを感じたり、判断に時間がかかってしまうことも。
スタートアップフェーズから徐々に変化していく中で、これは往々にして起こりうることだと思います。ハイコンテクストからローコンテクストな文化へと移り変わるタイミングを迎え、これまで以上にValueの重要性が高まってきました。さらにリモートワークが始まり1年以上が経過し、これまで以上に組織として一体感を持つことが一筋縄ではいかないようになってきていることもひしひしと感じていました。ファンズの組織文化を改めて言語化し、共通認識として持つことが改めて必要とされていたのです。組織文化は制度や組織構造、採用や育成の方針など、様々な要素によって形作られるものですが、その中心となるのが行動指針であるValue。そこでファンズのミッション・バリューを実現するために必要なValueを改めて言語化し、それを中心に組織文化を構成する要素の見直しに取り組んでいくことになりました。

元々のValue

参考までに、創業当初に策定した元々のValueをここで紹介します。

どれもひとつひとつは重要なのですが、ファンズの組織文化の中心とするには足りない要素が多かったり、また社員の思考、行動の道標とするには言葉足らずでもあります。例えば「心理的安全性のあるチーム」は、行動の結果の状態であり、その状態にするためにどのような行動を促しているのか具体的にわかりにくいものでした。
会社にとって何を優先すべきで、どんな意思決定をし、どんな戦略を立てるべきなのか。それらを考え、行動するときの指針となるValueへと生まれ変わる必要があったのです。

2. 機能するValueとは?

Valueを再構築するにあたり、まずは今回の目的も踏まえどのようなValueが機能するのか、他社のValueをお手本に並べ、ポイントをまとめてみました。

機能するValueのポイント

  • 日々の業務の中で行動や重要な意思決定の拠り所になる

  • 日常的に使えるシーンがイメージできる

  • 極端であったり、人によって考え方が分かれるようなものほど実効的

  • ひっかかりのあるワーディング

  • 人事制度や評価制度の設計において、土台となりうるもの

  • 世の中における正しいか正しくないかではなく、その会社においての正義

  • DoingとBeingのバランス

全てのValueがこれらのポイントを満たす必要はありませんが、複数あるValueの中の主たるものが満たしていると望ましいと考えました。ではそんなValueをどのように策定していったのか。ここからは、新しいValueができるまでの具体的な過程をご紹介していこうと思います。

3. 新しいValueができるまで

全社員ヒアリングの実施

人数も増え、さすがに社員全員でValueを決める、というのは難しくなってきました。とは言えValueは社員全員の今後の行動の礎となるもの。ファンズで大切にすべき価値観について、一人一人に考えてもらうため、またその耳を傾けるため、3~5名程のグループに分かれグループヒアリングを実施しました。ヒアリングでは、大きく分けて下記の2つのポイントを中心に掘り下げていきました。

  1. その人個人がどのような価値観を持っているのか

  2. ファンズとしてどのような価値観を持つべきなのか

ファンズに今いるメンバー個人の価値観と、ファンズとして理想とする価値観の両方を知ることで、最終的にどのような価値観をファンズのValueとするのか、それはどのようなワーディングにするのか、さらにその先にどのような浸透施策を取るべきなのかも検討する材料となってきます。

ヒアリングした内容は、miroを使ってマッピング。AS-IS(現在のファンズの価値観)とTO-BE(これからのファンズが持つべき価値観)に分けてまとめていきました。

文字は読めないと思いますが、雰囲気の共有ということで、、、

Value再構築ワークショップの実施

ヒアリングを実施した後、役員+部長+人事でValue再構築ワークショップを実施しました。この日はクリエイティブな思考を促すため、オフィスを離れ、丸1日かけてファンズの価値観を言語化していく作業に取り組みました!

何か集中できそう…!と思いこちらのスペースに決めました。座禅を組む暇はありませんでした。

ファンズで必要なValueを考えるためには、そもそもFundsというサービスが今後どのような戦略の元勝ちにいくのか、その認識合わせが必要であると考えました。そこでワークショップでは、前半部分でFundsの戦略の言語化に取り組み、後半部分ではその戦略に必要な人材が求める価値観(社内エンゲージメントを高めるのに必要な要素)について、ヒアリング内容も参考にしながら議論をする二部構成で進めていきました。
代表の藤田が持つ、今後Fundsのビジョンをざっくりまとめるとこういった内容です。

"分かりやすく"国民的なサービスにしていきたい。メルカリやLINEがそうであるように、数十、数百万ではなく、数千万人に愛される金融サービスを作りたい。インフラ的な立ち位置となり、「金融をFundsが変えた」と言われたい。 そのプロセスにあたって既存の証券会社とは比較したくはなく、定量的なイメージは時価総額1兆円を目指せる会社を目指したい。イメージ売上1,000億円、利益100億円、PER100倍。 加えて今後の戦略としてグローバルも視野に入れたい。 (これらの時間軸は未定)

これを実現するためにはどのような戦略が必要なのか、そのためにはどんな価値観を持った人材が必要なのだろうか、そんな人材が集まる時、どんな価値観を必要とするのだろうか、といった具合に掘り下げて行きました。途中、何度も頭がパーーンってしかけました。いや、していたか。。脳みそフル回転の1日で、3kg痩せた気がします。

1日のワークショップでValueのワーディングまできっちり決めることは難しいだろうと思っており、「Valueに反映すべき価値観の要素の抽出」をゴールに置いていました。が、参加者全員がものすごい集中力と団結力を見せ、5つの新しいValueがこのワークショップを通し爆誕しました…!

ワークショップ実施後からお披露目まで・・

ワークショップの実施後、決定した5つのValueのボディコピーを整え、それぞれのValueを表現するピクトグラムの製作を進めました。実は5周年のタイミングで新Valueを発表することになったのは全くの後付けで笑、ワークショップ実施後に「あ、ちょうど11月1日って5周年じゃん。パーティーもあるから発表にちょうどいいね!」という完全なる流れで決まりました。特に明確な期限もなく進めていたValue再構築プロジェクトでしたが、後付けでお披露目の日が決まり、なんとかそこに間に合わせようと10月はてんやわんやでした。。。

4. 新Valueのご紹介

さて前置きがかなり長くなってしまいましたが、いよいよ新Valueのご紹介です!沢山の思いが詰まった新Valueがこちらです。

Think Leverage

ファンズのこれまでを振り返ってみた時に、有名なブロガーの方にファンズを取り上げてもらったり、上場企業に特化したサービスとして開始をしたり、ピッチコンテストで優勝したりするなど、他者の信用を効果的に活用し、大きな成長へとつなげてきました。偉大なことを迅速になるためには、いかに「小さな力で大きな成果を出す」かを考えることが重要であり、これが私たちの行動原理となっています。

コンプライアンス・ファースト

この意識は、わたしたちが金融領域で事業をする上で必要不可欠です。全社員ヒアリングでも、残したいValueとして多くの声があがっており、そのままの形で残しました。最もファンズに浸透している価値観のひとつであり、今後も大事にしていきたいと考えています。これからもメンバー全員で法令遵守に高い意識で取り組み、顧客本意の徹底に努めることで、誠実に信頼を積み重ねていきます。

超・自分事

このValueには2つの意味がこめられています。
ひとつは、自分の領域に対し、高い主体性を発揮し、自律的に行動をすること(超/super)。以前の”プロフェッショナル”というValueの中にあった、強い責任感やコミット意識という要素です。
もう一つは、自分の領域を超えて手助けをしたり、活躍をしていくこと(超/beyond)。わたしたちの事業の特性上、どうしても専門分野の敷居が高く、互いの領域に踏み込みづらくなりがちです。しかし、「まだない答え」というイノベーションを起こしていくためには、領域を超えた相互作用が必要です。社内のどんなことでも自分事化し、領域を超えていくことを恐れない、また超えてきた人を受け入れていこうというメッセージを込めています。

コトフォーカス

ひとりひとりが、”国民的な資産運用サービスになる” というファンズのVisionに純粋に向かい、集中する。そのために必要とあらば、上司にも仲間にも意見をするし、助けも求めるべきだと考えます。余計なコトに気を取られず、成すべきコトにフォーカスすれば、個々が伸び伸びと働くことができ、組織としても強くなっていくはずです。

セカンドペンギン

ピクトグラムがとにかく可愛く出来上がり、個人的にお気に入りのValueです!セカペンちゃんの愛称で、早くも社員に愛されています!(と、思ってるよ、私は、、)
一般的に注目されるのは、誰もが二の足を踏む中真っ先に海に飛び込むファーストペンギンですが、それに続くセカンドペンギンがいなくては、せっかくのファーストペンギンの挑戦に意味はありません。ファーストペンギンをオンリーペンギンにしないため、仲間の挑戦を後押しする。それが、心理的安全性を育む一助にもなると考えます。フォロワーシップ、大事だよね、チャレンジすることを応援することで、チャレンジしやすい環境を育んでいこうね、というメッセージが込められています。

これらが、ファンズの新しいValueです!!
再構築をゼロから企画し、ボディコピーの一言一句、ピクトグラムの微妙な色合い、形にまでこだわりにこだわった私としては、もうすでに愛着いっぱいのValueなのですが、これを社員全員に浸透させていくのはまだまだこれからです。Valueの浸透施策については今着々と進めており、こちらはまた別のnoteでご紹介していきたいと思います。

5. 最後に、、、

Valueの再構築はあくまで第一歩。これを中心に、ファンズの制度や採用、組織構造など、整合性が取れるよう全てを見直し、組織文化の醸成に取り組んでいきます!そのためには、人事が私1人では、とてもとても手が足りません…!!絶賛人事募集中ですので、ご興味がある方はぜひカジュアルにお話するところから始めましょう〜〜!

※まずは採用をお任せできる方を、、と考えていますが、組織に興味がある方も大歓迎です!!

思いがけず長いnoteとなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。現在募集中のポジション一覧のURLを貼って終わりにしたいと思います!

次のnoteは、1年後のAdvent Calendarにしないぞっ!!

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