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初海外ひとりドイツ1ヶ月④

シリーズ第4弾。ドイツに到着してから約2週間。ようやくドイツ語学校にも慣れて、ドイツを楽しもうとしていた矢先…というお話を少し。

前回のお話はこちら 第3弾→ https://note.com/emirafish/n/nd707c01b13c0

9.11

2001年9月11日、のちにアメリカ同時多発テロと呼ばれるようになったあの事件だ。その時わたしは、ドイツにいた。

とても衝撃的な、大きな事件だったが、事態を把握するには時間がかかった。寮にテレビはなく、もちろんスマホもWi-Fiもない(時代的に)。とにかく情報がない。例えテレビがあったとしてもニュースキャスターが話すドイツ語を聴き取る能力などない。情報源は、中級コースなど私よりドイツ語のできる日本人に聞くしかない。こういう時、母語で話せる相手がいるというのは非常に心強いと思った。そこで得た情報によると、どうやらハイジャック機がペンタゴンに衝突したらしいと。「ハイジャック!?怖いな」とは思ったけど、まだピンと来ない。翌日だったか、担任の先生に見せてもらった新聞で写真をみたり、学校のラウンジにあった?テレビの映像を見て、ようやくことの重大さに気が付いた。

日本にいる両親に電話をし、情報を収集する。両親にはこちらは無事だし特に影響はないと伝える。(後から思えば、帰りの空港はちょっとものものしかった。)

事件翌日には、ドイツ語学校の全関係者が集まり黙祷を捧げた。校長先生からの言葉は私には難しすぎたが、あの悲しみと静寂に包まれた時間は今でも覚えている。

9.11以降

結局、帰国するまでこの事件のことを今ひとつ理解できなかった。情報が少ないというのもあるけど、事件直後は情報の混乱もあっただろうから詳細が明確になったのは結局帰国後だったのかもしれない。ただどことなく漂う不安があったことは覚えていて、でも考えると怖いし、考えるだけの情報もなくて。とにかく仲良くなったばかりの友人たちに支えられていたと思う。孤独は感じなかった。

語学学校での生活は、9.11によって変わったことはない。それまでと同じように授業を受けて、友人たちと食事をしたり、出かけたり、宿題をしたり…という生活だ。ただ初めて外国に行った当時のことを振り返る上で、必ず思い出す、忘れることのできない出来事なので、ここに記した。

続く…



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