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ESGからサステナブル金融へ

2022年もいよいよ終わり!今年はESGからサステナブル金融への拡張を強く感じた1年になりました。私自身、キャリアも新たなフェーズへ。投資だけでなく、ファイナンス(金融)全体において持続可能性が意識されるようになってきました。

ESGとかインパクトとか色々あるけど…

私がこれまで関わってきたESG 投資と言われているのは、下の図の真ん中の四角の左側①のところに入ってるものであることが多いです。この中には、いわゆる特定の価値観に基づくSRI、社会的責任投資と呼ばれるものも入ってきますし、ESGを課題を投資プロセスに盛り込みます、と言ってる PRI (責任投資原則)が謳っているようなESG統合のようなものも入ってきます。

ESG投資からサステナブル金融(ファイナンス)へ
出所:エミネントグループ株式会社

ESG 投資と一言に言ってもかなり種類があるんですが、もう少し広い枠のサステナブル投資の話もあります。サステナブル投資というのは、企業や社会の持続可能性に注目して投資をする手法ということですから、インパクト投資が最近話題になってきているように、リターンとリスク以外に3軸目では社会とか環境の課題をどれだけ解決したかという社会的インパクトを測るという投資も出てきています。③のエンゲージメント投資は、私が直近2年ほどいた会社のように、企業の行動に変化を起こすことを目的とした対話をベースにした投資もサステナブル投資に入ります。

投資を含めた全体としてのサステナブル金融

それらを含めた金融全体を指すのがサステナブル・ファイナンス(金融)になります。サステナブル・ファイナンスになると、運用会社以外に銀行、保険会社、グリーンボンド等を発行させたりM&Aをアドバイスするような投資銀行部門のある証券会社なども含まれるということになります。こうして、金融全体に持続可能性の取り組みが広がっているという状況を整理してみました。

サステナブル・ファイナンスは加速化していると思います。金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議に出席していますと、いろいろな側面でこれを担保してかなきゃいけないよねという話になっています。2021年1月から始まった有識者会議から、2022年7月に第2回の報告書が出ています。

グリーンファイナンス

グリーンファイナンスと呼ばれる市場の規模は、グリーンボンドの市場について例えばここ10年ぐらいで250倍になっていたり、グリーン融資が200倍になっていたりします。それから世界の各地域で開示規制が出てきてますが、国際統一された基準を使いましょうというISSBという団体ができて、そこで基準を作ることが始まるなどサステナブル投資(株式)からサステナブル・ファイナンスの方に流れが来ているな、と思います。

企業・機関投資家から証券会社銀行を含む流れに

簡単ですが整理をすると、当初この流れは CSR という企業が倫理的に正しいことしましょう、いわゆるコンプライアンスとか地域貢献などからの発想として始まったものが、私も関わってきました ESG というものに変わって、そこで出てきたのが「このままでは持続不可能」という危機感なんです。そこに対する危機感というのは、企業自体が気候変動等に対応せずに事業をして行くのはおそらく不可能だろうという意味での持続不可能という危機感と、それに加えて、そこに投資をしている運用会社の人も、これまでの事業環境を前提として企業を分析したのでは事足りないということで初めて「責任当事者」が企業と機関投資家に広がったというところから、PRIも含めて流れが加速化しました。そしてサステナブル・ファイナンスは、先ほど申し上げたような証券会社や銀行を含めた流れが2010年代半ばから実は欧州ではもうすでに始まっていました。最近になりますとこれがインパクトを重視した時代ということで、時代は流れているなということなんです。

2023年、サステナブルファイナンスは更に加速する

サステナブルファイナンスが金融機関の取り組みとして推進されるなか、企業はそれとどう向きあったらいいのでしょうか。来年(といってももう明日ですが)は、持続可能な社会に向けた価値あるサービスの提供、製品の製造とその事業活動自体を持続可能にする企業の在り方(従業員の働き方、資源の使い方など)を更に考えていくうえでサステナブル金融の活用が鍵になると思います。私も金融と企業活動の接続について皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

新年が実り多きものとなりますように。
note、twitter、instagram(「ESGの女神」で検索)で日々のつながりを持てましたら幸いです。

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