仕事を持つ社会人によるオンライン留学奮闘記①(申し込み~授業が始まるまで)
このシリーズは、過去に中国に留学しながらも帰国してからは一切中国語に触れずそのまま十数年すぎた社会人が、ふとしたきっかけで【特別奨学金】中国大学オンライン語学留学を知り、慣れない中国のオンラインツールと仕事の調整に奮闘するお話です。
同じように仕事を持ちながら勉強を頑張る方、学生時代にやり残して心機一転語学学習を始める方の力になるべく書き綴るものです(内容順次更新予定)
それはたまたま見たTwitterの投稿から始まった…
2021年6月下旬。
何気なしにTwitterの投稿を見ていると、気になる投稿が!
私とオンライン留学との出会いは、たまたま知った「中国留学の特別奨学金制度」の投稿でした。
教えてくれたフォロワーさん、ありがとうございます!!
投稿には詳細が分かるようHSK日本実施委員会のURLが貼り付けられてありました。
「新型コロナウイルスの感染拡大により、中国への渡航・留学が難しい中、
HSK試験を運営する中国本部(中国教育部中外语言交流合作中心/漢考国際)はHSK日本事務局(一般社団法人日本青少年育成協会/HSK留学推進室)と協議の上、日本人中国語学習者のために、再度【特別奨学金】をオンライン留学にて提供することを決定いたしました!!」
なんと!日本にいながら中国の大学の授業が受けられるではありませんか!
私が見たのは第二回の特別奨学金制です。
なお、第一回は年齢が18歳~35歳までだったそうですが、私が応募した第二回は50歳までと年齢層が広がっています。
(画像:HSK日本実施委員会)
授業の期間が4カ月程度なのに、本当に推薦状発行手数料の27,500円以外はかからないのだろうか…?
「あまりにも安すぎやしないか」と不安になる私。
しかし、第一期生からの不満の声は聞かないし、おそらくHSKが受験者を増やすためのサービスなのだろう…ヤバかったら辞めればいいし…と思い、応募する方向で考え始めました。
ときどき学生時代の「やり残した感」が私の中で沸き起こることも、背中を後押ししました。
社会人にとっての最大の障壁「仕事との両立」
わざわざ渡航しなくてもどこからでも受けられるのがオンライン授業の良いところ。
現地への留学となると、その間家を空けることになりますし、何より短期間の留学のために仕事を辞めるなんてできません。
私はフリーランスとして、現在2つの会社と契約をしています。
仕事の一つはWeb制作&ライティングなので、期日までに成果物を上げれば良いタイプの仕事です。
しかしもう1つの仕事が障壁で、クライアント先に出向かなければならないため、一度決めたスケジュールは絶対です。たまに出張もあります。
オンライン留学期間は、①仕事を断るか、②仕事とはかぶらない日時で受講するか、③授業を休むかになります。
会社員ではないので比較的時間の調整はしやすいのですが、「仕事をストップする=収入が途絶える」ことになります。
さすがに3カ月も4カ月も仕事をストップできないですし、何よりクライアントに迷惑がかかります。
どうしても調整できず、授業を休まなくてはならない日が出るのは避けられません。
果たして仕事で休んでも授業についていけるのか…(不安)
今回の募集は見送って、比較的仕事が落ち着く冬季の募集を待つか…
いやいや、そもそもこの特別奨学制度がいつまで続くのかは定かではないし、暇になってからやろうと思っているうちに機会を逃してしまうかも…
ぐるぐる悩みましたが、エイヤー!で申し込む決心をしました。
申込フォーム「中国語を更に上達させて、それをどのように生かしたいですか?」
私は学生の時に中国に1年ほど留学していました。
中国語を勉強したきっかけは高校生の時。
吉川英治の『三国志』を読んで、この世にこんなに面白い話があるのか!と寝食を忘れて読みふけったことがきっかけで、中国語を独学し始めたのです。
大学は中国語とは全然関係ない学部に在籍していましたが、年に一度行われる留学選考会で筆記&面接をパスして、ついでに奨学金も勝ち取りました。
もちろん現地で実際に生活して得られるものは大きいのですが、語学を学ぶのに1年間なんてあっという間です。
「まだまだ学び足りない!」と思いながらも期間が終わり帰国し、就職して忙しい日々を送っていました。
「中国語を使った仕事がしたい」とか「中国人と働きたい」とか「中国で働きたい」という気持ちにはなりませんでした。
中国語という言語に興味があるだけで、野心がありません。
言葉は使わないと忘れるもの…そして使う機会がないまま数十年が過ぎていました。
ときどき中国留学に旅立ったあの日を夢で見たり、再度中国に留学することを妄想したり…
大変革を遂げる中国について知りたいという好奇心もありました。
そこで、この応募の機会が訪れます。
2021年7月4日、ホームページから申し込みをしました。
申し込みフォームの最後の項目「中国語を更に上達させて、それをどのように生かしたいですか?」でタイピングする手が止まりました。書けない…。
中国語を「生かす」ことを考えていないからです。
悩んだ末、最後の一行に「私のようにブランクがある人や仕事をしながら学ぶ人に向けて、学習に取り組む様子を発信できたらと思っています。」と追加し、なんとか300字ほどの文章ができました。
申し込みをした後は、必要な書類(HSKの成績証明書や身分証明書など)を提出し、しばらくたった7月16日。
下記のようなメールがHSK留学推進室から来ました。
ということで、私の就学予定大学は天津大学となりました。
オンラインなのでハッキリ言ってどの大学でもいいかなぁと思っていました。実際に現地に行って住むわけではないですし。
この後は中国語大学側の審査や入金のお知らせがあり、ここまでが日本側の機関でやってくれることです。
この後は、受け入れ先の大学とのやり取りになります。
壁はまだあった「中国系アプリ・ソフト」
私の中国語のクラスは「高級」という上級クラスなので、中国語でのやりとりはあまり大変ではありませんでしたが、中国語初心者が中国語でやりとりするのはなかなか大変かもしれません(Google翻訳ソフトなど文明の力を使いましょう)。
8月18日、天津大学から受け入れ準備が整ったとの簡単なメール(中国語)が届きました。
そして8月24日、再び2通のメールが届いたのですが、うち1通がコチラ。
何コレ?文字化けってんだけど…
文字化け解読ソフトを使っても解読できず、大学に問い合わせたところ「そのメールは無視していい」とのこと。謎です。
もう一通は、微信(WeChat)への登録案内でした。
WeChatは中国語版のLINEのようなものですが、まずダウンロードに手間取りました。「ああ~この添付のQRコードをスキャンするのね?」とやっと分かりなんとか入室。
そこにはすでに20人ほどの学生がいました。
「そういえば授業はZOOMでやるのかな?Google系のソフトは中国では使えないよね?」「あれ、テキストはどうなるんだろう?」とソワソワしていると、数日後にチャットを通して連絡が。
授業は、テンセントQQ(騰訊QQ=インスタントメッセンジャー)で行うとのこと。ダウンロードは問題なくできました。スマホではなく、パソコンやタブレットで受けることが推奨されます。
テキストは、「@163.com邮箱」に格納したとのこと。
?何ソレ?
WeChat内をくまなく探すも、そんなメールボックスはない!そして見つからないことを連絡しようにも個別に連絡を取る方法が分からない…
ということで、恥を忍んで全体チャットで「テキストが見つかりません。@163.com邮箱って何ですか?」と質問。
すぐに返信が返ってきて、無事にテキストをダウンロードできたのでした。
というか、他の学生スゴイな…
オンライン留学は、語学力よりIT力が必要かもしれません。
Google様に慣れきった私には、中国系のソフトは何が何やら…でした。
仕事の調整ができず、いきなり初日の授業に出れない
さて、困ったことがもう一つ。
絶対に出たい初日の授業に仕事で出れない(涙)
仕事の依頼を受けてから授業の初日が分かったので、もうキャンセルできません。
いきない初日から出ないぶざけたヤツだと思われたくないので、大学側には事前に伝えておきました。
初日の他、どうしても仕事の都合で出れないこともあると連絡したところ、「你的情况了解了,没问题。以后我们一起加油吧,祝学习顺利,开心!」と優しい言葉が…
なお、授業は録画されて@163.com邮箱に格納されるため、復習できるとのこと(ありがたい)。
ダウンロードしたテキストや音声を使ってドキドキで予習をし、授業の準備。
そして、9月6日からの約4カ月のオンライン留学が始まろうとしているのでした。
(体験記②に続きます)
私のTwitter(主に中国語の勉強について発信しています)
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