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おっちゃん①

わたしには年子と3歳違いの弟が二人います。
今日は3歳下の弟こと、おっちゃんのことを書きたいと思います。

おっちゃんは小さい頃はそれはそれは可愛くて、末っ子の本領を発揮してました。
全くもってわたしとすぐ下の弟の時には父性のかけらもなかった父が唯一一人で連れて歩くほどに可愛かったのです。
ちなみに父が父性を通り越え、母性が溢れでてしまったのは晩年ミニチュアダックスのプリンを引き取ってからです。
セカンドバッグを大事に持つかのように、常にプリンを抱えて移動していたのをよく憶えています。

そんなおっちゃんが小学校に入学し、わたしは四年生になっていました。
ある日窓際の席だったわたしは外を見ていると、小さい男の子二人がブランコに向かって走っている姿が見えました。

『まだ授業中なのに出てきちゃったか…』と目を凝らすと、
ブランコを楽しそうに漕いでいるのがおっちゃんだということに気が付いてしまったわたし。

ヤバイヤバイヤバイ……当時4年生のわたしは軽くパニック状態
何とか弟だとバレたくない一心で授業に集中しようと必死に冷静を装いました。

でも気になる姉心

ブランコの方を見ると勢いよくブランコから飛び降りたおっちゃん

振り返って勢いよく戻ってきたブランコに頭を激突したおっちゃん

倒れこむおっちゃん…

一緒にいた友達が走って校舎に戻っていくのをわたしは見ていることしかできませんでした…


休み時間に担任の先生から呼び出され、わたしは保健室に向かいました。

そこにはタオルで頭を押さえつけられているおっちゃんがいました。

おっちゃんは泣いてる様子もなくただただ無の状態。

おそらく授業終わる前に校庭に飛び出して、挙げ句の果てにブランコにぶち当たりこんなことになっていることに気持ちが追い付いてないご様子。

わたしはそんなおっちゃんの大物感がただただ羨ましくて仕方ないのでした。


つづく

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