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タンパク質を摂ると撮る5

最終回?である。実はこれを読んでくれているという反応を別でいただいて、そうか見てくださっているのか!と嬉しくなった。今日は本丸の虫の撮影とまとめを書くはず。

私はこの写真をある場所に出そうとしているので、その写真を先にここに載せることはできないが、同じ場所で子どもたちが撮った写真を見返してみると、つくづく自由に撮っていて楽しい。今ここにある写真は次女が撮っていたもので、こんなのがどこかにいたのか私には覚えが無いが、山羊?かな??笑ってるみたい。そして、私は「テーマのないヤツらは自由でいいよね〜!ふんっ」と思う(生意気に)。まー子どもは連れて行かれただけだから当たり前だけど。むしろ「この母はなんだ?」と思いながら「いつまで撮ってるん?」とかよく言われる。そりゃー撮れるまで撮るだけだ。

「テーマを持って写真を撮る」のは、「うっかり撮れてしまたった写真」とは違って難しいのだ、とか言い訳がましい。写真はそもそもその場の空気がや偶然が写るものだから、テーマがあってメッセージを持ちながらも、その場を臨機応変に撮る。ということが深く無尽蔵であり、スリリングで醍醐味でもある。これは現実の世界なのだから、イメージだけではない、というところが見えてつつ、撮りたいものが撮れてナンボである。

そして「虫」は何をどう撮るべきかについて調べていた。やっぱり聞くのが早いと思って、いろんな人に聞いていたら、思いがけずご紹介いただけた自給自足を考える会社の社長さんに「ゴミムシダマシ」の役割がいかに大きいかを力説いただき、虫もそのままいただいて帰ってきた。その場で撮ることが難しそうだったので、これは自分で買って帰ろう、というつもりで「買います」と行ったら「飼います」と捉えてくださり。「飼うっていうところが気に入った!」と言われて、成虫のオスメス、幼虫もたっぷりいただいた。「足りなくなったら送ってあげるから!」とも言ってくださった。ここに詳しく書いていいかわからないので書かないけど、その方の知識、お仕事内容、志、食べるということへの哲学がもう圧倒的で、「こんなすごい人がいるんだな...」と私の脳みそのどこかが音をたてて揺れたのがわかった。ちなみにその社長は女性で私よりもお若いのではないか?と思う。

それでゴミムシダマシの幼虫は世界では割と食べられている虫で、人間よりも爬虫類のエサだったり、生き餌としてペットショップなどでも買えるもの。「ミールワーム」という名前で売られているがそれは商標らしい。コンポストでもいい仕事をするということで、今うちでスクスクと育っている。調べると日本にも北海道から九州までいて自然の中ではキノコなどが好きらしいが、野菜なども食べるらしく分解してくれるので、今いろんな野菜のヘタなどをご飯作りながら入れたりする。長さは大きくても2センチほど、幅は数ミリの小さな虫だが、入れたはずのきゅうりのヘタは翌朝には消えている。正しくは土の中に引きずり込まれている状態で、全て食べている訳ではないが、どうやっているんだろう?と思う。キャベツはあんまりお好きではないらしい。野菜は乾燥するので腐ることもなく匂いもしない。虫も鳴かないし飛び出したりしない。しかし今、ものすごい勢いで脱皮する。新陳代謝がいいのか、なぜにそんなに脱ぐのかわからないが、朝覗くといっぱい脱ぎ捨てた跡があって、最初は干からびてしまったのか!!と思って声が出たが、よくみるとカラッカラの皮だった。そして脱皮したては白くてとても綺麗な状態。ツヤツヤで色白で定期的に脱げてそこはちょっといいな羨ましいな、と思う。うちは女の子で虫を飼ったことなどなかったが、虫用のマットと言われるおがくず?を買ってきて広いスペースでゆっくりとお過ごしいただいている。

毎日、じっくり観察していて、どう撮るのがいいかな?と頭を捻り、色々と撮っている。とにかくは次女が虫が嫌いというので、そういう気持ち悪いはず!というこびりついた概念を払拭できないかな?と日々模索している。嫌がる人はまったく食べなくてもいいけど、この先食べられるものを増やしておくことは大事な気もする、でも無理強いはしないし強制したら余計嫌がるだけだから。それに子どもの方が環境問題は考えている。

虫を食べるということは調べていくと、どうも数字など?が多い気がする。コオロギのタンパク質が多いのは乾燥させたものに対し、牛肉は乾燥させてないので、そりゃジャーキーにすれば近い数字になるのではないか...という意見もある。そして、日本では昔から食べられている昆虫がいる。長野の蜂の子やイナゴの佃煮など。これはどうか?と思ってそちらも調べたり、調理済のものを取り寄せて、撮影もしてみた。蜂の子よりもイナゴの方がタンパク質が多いらしい。意外!しかしイナゴは養殖が難しいとか問題も多い。

昆虫食を考えていこうという動きは周囲にもあった。本の撮影させていただいたあるシェフもその可能性について真剣に商品化を考えていた。しかしコオロギパウダー入りだけではどうかな?という気もして。そんな折、昨年長野県に撮影に行った際に「あ、輸入しなくても日本にも、ここには昆虫の食文化がすでにあるじゃないか!」と思ったことがきっかけだった。原材料は蜂の子、砂糖、醤油といたってシンプルであったり、味も馴染みのあるものだ。

これを写真にどうまとめるか?ここからまた頭を、おみくじの入れ物のように振り続けて形にする。自分の作品のためだから無い中身を振って振って絞り出そうと思っている。

これは撮影するに至った経緯を記したものであり、またいつか写真がご紹介できる日がくればと思う。読んでくださった方へ、ありがとうございました。

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