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【展覧会 予習と復習】♯3 神戸市立博物館「開館40周年記念特別展 よみがえる川崎美術館―川崎正蔵が守り伝えた美への招待―」

R4.10.9 公開
R4.12.2 更新

【予習】 造船王が設立した、日本初の私立美術館がついに復活!!!ビジネスマンも見逃すな。


 秋は行楽シーズンで、必見展覧会が目白押し。うかうかしていられません。今回予習するのは、とくに関西方面の皆さんにはぜひご覧いただきたい、神戸市博の「川崎美術館展」。
 この展覧会は、川崎重工などを創業したことで知られる、実業家川崎正蔵(1836-1912)が、神戸に設立した「川崎美術館」を再現したもの。並べられる作品も一級品。
 その見どころを予習しておきましょう!

💻展覧会情報

会場 神戸市立博物館
会期 2022年10月15日(土曜) ~ 2022年12月4日(日曜) 月曜日休館
時間 9時30分~17時30分 金曜と土曜は19時30分まで、入場は閉館の30分前まで
入館料 一般1,600円/大学生8,00円/高校生以下無料
※神戸市在住で満65歳以上の方は当日一般料金の半額。
※20名以上で団体料金あり。 
※障がいのある方は障がい者手帳などの提示で無料。
公式サイト https://kawasaki-m2022.jp/

🚆 神戸市立博物館へのアクセス方法

■三宮から
JR「三ノ宮」駅 西口より徒歩10分
阪急「神戸三宮」駅 西口より徒歩10分
阪神「神戸三宮」駅 西口より徒歩10分
地下鉄(西神・山手線)「三宮」駅 西出口1より徒歩10分
地下鉄(海岸線)「三宮・花時計前」駅より徒歩10分
ポートライナー「三宮」駅より徒歩15分

■元町から
JR「元町」駅 東口より徒歩10 分
阪神「元町」駅 東口より徒歩10 分
地下鉄(海岸線)「旧居留地・大丸前」駅より徒歩8分

👉アクセス指南👉

 三宮の駅から海手に進むと現れる、厳かな石造の建物が神戸市立博物館。
 大阪方面からお越しの方は、まあ素直に三宮で降りて、まっすぐ南へ歩くのがよいでしょう。
 三宮のセンター街では、エクセルシオールの角を南へ。ZARAやClefyを通る筋を抜けるのが最短です。
 公式では、JR三ノ宮駅西口からのアクセスが案内されています。これを利用する方が多いと思うので、一つ御指南。駅を出たら左に曲がります。すると、横断歩道へとつづく階段を降りることができますが、ここでは降りず、高架を渡ってください。ここの横断歩道は時間のロスですし、人やキャッチも多いので、省いちゃいましょう。阪急の東口に降りちゃった場合も同じですね。

🍔 周辺情報&ランチ情報

 博物館の周辺は、神戸の中心地・三宮の中でも特にお高いエリア。周囲には飲食店はそれほど多くなく、そして値も張ります。
 とはいえ、「ランチのお店」に意外と困るのが三宮。元町ならまだしも、路面店で「ご飯」が食べられるお店は案外多くありません。
 おすすめはセンター街地下にある「さんプラザ」です。今や超人気店になった神戸・岩屋発祥の汁なし坦々麺「ENISHI」、明石焼きといえば「たちばな」、神戸の学生たちを養い続ける「ながた園」、そのほか大戸屋や丸亀製麺など大手チェーンもあります。
 「三宮では困ったら地下へ」が基本です!

🕵️‍♀️ こんな展覧会

 近代初期の代実業家である川崎正蔵は、美術品のコレクションをしていました。その興が高じて、布引(今の新神戸あたり)に作った屋敷「長春閣」を美術館として、定期的に解放しました。これが、日本初の私立美術館と言われる「川崎美術館」。100年以上前のことです。
 その後、川崎のコレクションはバラバラになりました。一括して何処かで継承されているわけではありません。海外へと移ったものもあります。そうした川崎のコレクションを、今再び集め、在りし日の川崎美術館を再現しようというのが今回の展覧会。
 作品一点一点の素晴らしさはさることながら、川崎正蔵の審美眼が明らかになることでしょう。実に多岐にわたる問題を提起してくれるであろう、業界待望の展覧会です。

🔎 注目作品


円山応挙筆「海辺老松図襖」天明7年(1787)、東京国立博物館蔵

 こちらは、江戸時代の大巨匠・円山応挙の障壁画。元々は南禅寺の塔頭・帰雲院の襖の絵でしたが、川崎が入手し、川崎美術館1階を飾っていたことがわかっています。
 今回は、上之間・広間・三之間という3室が再現展示されるとのこと!往時の川崎美術館に思いを馳せることができるでしょう。

【復習】 神戸の歴史と愛の詰まった展覧会

ずいぶん前に鑑賞していましたが、更新が遅れてしまいました。「復習」の更新が遅れる悪癖は直さなあきませんね。。

とても良い展覧会でしたね。
はじめの展示室には、川崎コレクションの豪華図録『長春閣鑑賞』所在の名品を紹介。展示パネルも『長春閣鑑賞』のスタイルに合わせられており、川崎コレクションの世界へと誘われました。

第二会場は、応挙の襖絵の再現展示があり。その入り口は、川崎美術館を模した造作がなされており、それも良かったです。「100年の時を超え、この神戸の地に蘇ったのだ…!」そう感じて、胸が熱くなりましたね。

そう感じた人は多かったのでないでしょうか?
私が感じたのは、神戸の人々の関心の高さ。皆さん熱心に見入っておられ、地元への愛と言いますか、誇りと言いますか、そんなものを感じました。まさに神戸で開かれるべき、神戸でしか開けない、見事な展覧会だったと思います。

ただし、近世絵画の出来については少し考えさせられました。
どんな展覧会もそうなのですが、近世絵画(つまり江戸時代の絵画)には、多くの贋作が交じっています。名高き川崎コレクションですが、もちろん悪いものもあり。よく見える展示だったからこそらそのことも浮き彫りになったと感じました。

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