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なぜ今プレコンなの?

おはようございます。


薬局薬剤師の野村です。
プレコンをもっと多くの人に知ってほしいと思い、
発信しています。

プレコンについては
ひとつ前の記事読で書いていますので、読んでいただけると嬉しいです。

今日はプレコンの背景を簡単に説明します。

背景を知ると理解がススム!(持論、笑!)
ということで、
少しコムズかしい話になりますが、お付き合いいただけたら嬉しいです。

世界的にみると、
時はさかのぼって、1980年前後。

糖尿病にかかっている妊婦さんから生れてくる赤ちゃんに、生まれつきの病気がある子が多いようだ

とか、

葉酸を妊娠前から補っておくと、赤ちゃんがおなかの中で育つときに神経管閉鎖障害になりにくいようだ  
ということが、だんだんわかってきました。

(葉酸:DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促進し、細胞の生産や再生を助ける働きをもつ)
(神経管閉鎖障害:妊娠初期に起こる先天異常で、胎児の神経管に障害が起き、二分脊椎症や無脳症、髄膜瘤などが生じること。)


また、10代の望まない妊娠、中絶も増えてきていました。

それをうけて
2006年に「妊娠前」のケアとして
米国のCDC(米国疾病管理予防センター)が、「プレコンセプション・ヘルス」及び「プレコンセプション・ヘルスケア」を提唱します。

その後
2012年にWHO(世界保健機構)が
「プレコンセプションケア」を提唱しました。

CDCは、このプレコンセプションケアを、
女性のみならず、カップル・将来の子どもたちの長期的な健康増進に貢献し、ひいては健康寿命の延伸につながるライフコースアプローチの視点からのヘルスケアと考え、このケアを、

妊娠している女性だけでなく、すべての妊娠可能の若者にとっての大切なケア

としています。

また
WHO(世界保健機構)は
母体および児童死亡率と罹患率を低下させるため、
プレコンセプションケアを

妊娠前の女性とカップルに医学的・行動的・社会的な保健介入を行うこと

と定義し、母子の短期的、長期的な母子健康転帰改善に取り組んでいます。

さて

日本ではどうかといいますと、
日本でプレコンセプションケアの概念を広めるため、2015年、国立成育医療センターにプレコンセプションケアセンターが開設されました。
その背景は他の国とはやや異なり、日本独自のものといえるかもしれません。なぜなら、今、日本の社会は大きく変化しているからです。

超高齢化社会への突入、
女性の社会進出、それに伴う、晩婚化、
そして少子化、
望まない妊娠や性暴力への対策としての緊急避妊薬の提供窓口の拡大、
性感染症の増加、対策の啓発等…
東京都では卵子凍結の助成も始まっています。

今年度には、女性の健康ナショナルセンター(仮)が設立される予定でもあり、これから女性の健康に対するサポートはすこしずつ増えていきそうです。(期待✨)

この時代の変化を受け止め、

プレコンセプションケアを知って、自分事として考えておくこと
心身の健康に関するリテラシーをあげておくこと

は、今後ますます重要となるのではないかと思います。

長くなりました。

最後に、
日本でも徐々に広まりつつある、プレコン。
小学生、中学生の皆さんは今後、教育の場でも耳にすることが多くなる予感です☆

一人でも多くの女性が自分らしい人生を歩めますように。

❇️最後まで読んでくださり、ありがとうございました❇️

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