久しぶりの現金払い
今日、久しぶりに現金を使った。
買い物のとき、レジで「現金」で支払ったのだ。
いつも地元で買い物をする時は、私は「電子マネー」か「QRコード決済」を利用している。昨年秋から、普段の買い物や日用品の支払いも全てキャッシュレス決済にしたのだけど、あのコロナ騒動で、ますます現金離れに拍車がかかった。
だから、本当に久しぶり。
今日は残金が足りなくて、慌ててチャージするのが面倒臭かったのと、財布の中に現金(お札)がたまたまあったので、珍しく現金支払いをしてみたのだった。
◇◇◇
さて・・・。
・財布からお札を出す。
・お金を払う。
・レシートと共に、お釣り(小銭)をもらう。
この一連の動作を淡々と行う。
でも、最初の「財布からお札を出す」ところで、早くも
「あれ?」
・・・と違和感を感じた。
久しぶり過ぎて、何だか変な感じがするのだ。
お札を出すのに、ちょっと手こずる・・・。
そう、これは、生まれて初めてキャッシュレス決済をした時の「慣れていない感触」と似ている。
半世紀も使い続けてきた現金なのに、何だろう?お金を差し出すときのこの気恥ずかしさは・・・(汗)。
更に、プレートに置かれたおつりのお金(小銭)を手に取った瞬間、
「うわ。これ、汚くない?」
・・・と思ってしまった。
お店のレジが汚いとか、店員さんが触れたお金だから・・・という訳では無く(お店はとても清潔できれいになっている)、小銭そのものが「いろんな人の手を渡ってきたものだから、何が付着しているか分からない」という不安を強烈に感じさせるのだ。
実際に手に取ると、手垢がついてうっすら汚れている。
いや、これって当たり前だし、昔から小銭はこういうものなのに、今は「異物」に見えてしまう。
こんな気持ちは生まれて初めて・・・(汗)。
自分でも衝撃的だった。
◇◇◇
そういえば以前、金運アップのために、財布の中の小銭を綺麗に洗って磨く人がいるのを、テレビか雑誌で見たことがある。
小銭を磨く人たちは、口を揃えて「いろんな人の間を渡ってきたお金なので、いろんなエネルギーが付着しています。だから、お金についた汚れを洗い落とすことで、エネルギーを浄化し清めるのです。こうして、お金に対する感謝の気持ちを伝えるのです。」と話していた。
あのときは、「へ~、そんなことまでするんだ~。奇特な人も居るもんだなぁ・・・」と思っていたけど、今の私は、その奇特な人々と同じく「小銭を綺麗に洗いたい気分」に陥っている。
恐るべし・・・。キャッシュレス社会・・・?いやコロナだ。
清潔観念がこんな所にまで迫っているのだから、本当に恐るべしだわ。
やがて歴史が進んでいくと、今ある「現金」は利用頻度が少なくなり、そのうち使われなくなって消えていき、やがて博物館で展示される遺物になっていくのかもしれない。
江戸時代の大判や小判のように博物館のガラスケースに入れられた諭吉や英世のお札&500円玉や100円などの硬貨を、未来の私たちの子孫がじっーと見つめて、「昔の日本人はこんな物を持ち歩いていたの?うわー!紙と金属でできてるよ?重たそう!よくこんなのを使い分けてたねー!」と、ビックリしているかもしれない。
そして、100歳を越えた20世紀生まれの私たちが、展示物と化した現金を眺めながら、「ワタシが若かった頃は、これを『財布』という入れ物に入れて、大事に持ち歩いて使ったのさ。でも、2020年から2022年にかけてコロナという病気が流行ってね、それがきっかけで、現金で物を買うことができなくなったのさ。」と孫やひ孫に説明しているかもしれないなぁ。
「お婆ちゃん、こんなの使っていたの?まじ?すごいー!」と言われながら・・・。
その時の私は、博物館のガラスケースの中にある現金をどんな気持ちで見つめるのだろうか。
いろんな思いが脳裏をよぎる。
はて、それまで長生きしてるかしら?
いやいや、図太く生きてそうだわ。笑
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