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クリスマスですね

三人の子持ちの母子家庭、も昔のことになりました。
子ども達も皆巣立ち、それぞれの家庭でクリスマスを楽しむようになった今、元母子家庭の母な私は、仕事帰りにケーキを一つ買ってきて、一人でテレビを見ながらほおばるイヴの夜を過ごしています。

ああ、もうサンタさんをしなくていいんだなあ、と思うとちょっと寂しいかな。

かつての我が家のクリスマス。
子ども達にサンタさんへのお手紙を書かせ、それをツリーの下に置かせます。いつのまにか、その手紙が消えていて、「あ、サンタさんが持って行ったよ」なんて子ども達がささやき合うのを、ほほえましく聞きつつも、手紙に書いてある「サンタさん、これがほしいの」というのを見て、そして財布を見て内心ヒヤヒヤしていたわけですが(笑)

クリスマスまでにプレゼントを用意して、イヴの晩に枕元にそっと置く。
翌朝目覚めた子ども達が子供部屋で大騒ぎしている声を聞きながら、幸せな気分に浸る、そんなクリスマス。
大変なこともありましたけどね。クリスマスまで狭い家のどこに隠しておこうか、と悩んだり、希望したおもちゃが売り切れでおもちゃ屋をはしごしたり。そんな日がとても懐かしく愛おしい今です。

サンタさんの代わりをさせてもらう。サンタさんを信じている間の子ども達の喜ぶ様を見せてもらえる。それが親へのサンタさんからのクリスマスプレゼントなんでしょうね。

大切な存在にプレゼントをしたりごちそうしたりする、大切な人の喜ぶ顔を見てこちらも幸せになる。
そんなクリスマスを過ごす。
それがサンタさんからの大人への贈り物、そんなことをしみじみ思います。

ああ、もうサンタさんをしなくていいんだなあ。


母子家庭になったばかりの頃、クリスマスがちょっと辛かったことを思い出します。
結婚していたときも、『家族揃って楽しいクリスマス』を過ごしたわけではありません。子ども達の父親は、一人で飲みに出かけて、たいてい留守。
私と子ども達だけでケーキを食べて,メリークリスマス! というのは何も変わらないのに、結婚していたときと同じことをしているのに、なぜか寂しさがこみ上げたものです。結婚していたときも持てたわけではないのに、離婚したことによって、それが『絶対に持てないものになった』と感じたのでしょうか?

クリスマスに限らず、離婚したばかりの頃は、子ども達とファミリーレストランに行って、隣の席に家族連れが座っているだけでたまらなく悲しくなったものです。
仕事帰りの道で、窓の開いている家から、その家の光と子どもとお父さんのはしゃぐ声が聞こえてきても涙ぐんでしまった、なんてこともありました。

結婚生活を続けていても決して持てなかったものなのに、だから離婚を選んだのに。

それは、結婚していたときが懐かしいとかいう思いではなく、こんな家庭を築きたい、笑顔あふれ、子ども達とお父さんお母さん、笑顔の絶えない家庭を築きたいという、かつて持っていた夢への執着だったのかもしれません。

少しずつ、少しずつ、母子家庭であることが当たり前になり、子ども達三人と私という母子家庭がなんら特別なことではなくなり、子ども達と私という家族の形、その家族の幸せを思い描けるようになった時、クリスマスもまったく寂しくなくなっていたことに気づかされます。

ファミリーレストランの隣の席の家族を見ても、仕事帰りに漏れ聞こえる賑やかな家族団らんの笑い声を聞いても、なんら心がざわつくこともなくなりました。

かつての夢に執着していても何も生まれないし、時間と心がもったいない。今の自分たちなりの楽しみや幸せがちゃんとあるのに、かつてのことにばかり心を奪われていたら、今の幸せが見えなくなってしまう。

そういえば、空海さんも言ってましたっけ。

『周りの環境は心の状態によって変わる。心が暗いと何を見ても楽しくない。静かで落ち着いた環境にいれば、心も自然と穏やかになる』
ってね。

今をしっかり楽しみましょう。
子どもとのクリスマス。
誰かとのクリスマス。
一人のクリスマス。
それぞれの今を、しっかり楽しみましょうね。

メリークリスマス!!

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カウンセラー・作家。カウンセリングルーム「おーぷんざはーと」(大阪)1991年設立(https://othpage.com/)。著書「モラハラ環境を生きた人たち」(而立書房)「カウンセラーが語るモラルハラスメント」(晶文社刊 現在9刷)他 共著あり。執筆依頼、お待ちしています。
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