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目つきが悪くてごめんなさい

何年か前の出来事です。

仕事で愛知に日帰り出張してきました。

仕事終わり金城ふ頭から名古屋に向かってる時に途中から乗ってきたおじさんが私の前に座って、その時一瞬目があったわけだ。

そしたらその直後から何やらぶつくさ独り言を言いながら、お酒を呑み始め、手で私を指差したりしてるではないですか。
私は視線を床に落とし、独り言の内容をよく聞いてみると、

「なんて目つきだ。人をすごい睨みつけやがって。なんて目つきなんだ。こいつは辛い人生なんだきっと」
「お前は俺のことが不愉快に感じたかもしれないが俺はお前が不愉快だ」

とかなんとかぶつくさ私に指を指しながら喋ってるではないですか!

これ完全に私のことについて話してる。と分かってドキドキ。
だから私は目が悪くて目を細めただけだったのだと思ってもらえるよう窓の外を目を細めて見ていたら、

「今もなんて目つきなんだ。この女は不幸だ。なんて顔だ。こんな女見たことがない。」

結果効果は逆効果。

やばいぞー。と焦りつつ終点の名古屋駅に着く直前、わたしは思い切ってその人にジェスチャーでお腹が痛いことを伝えると、

「なに?お腹が痛いのか?ということはトイレに行きたいのか我慢してたのか」

と、私の思いが伝わった。
(結構人が乗っていた為、トイレを我慢してて行きたいとか言って欲しくなかったけど)

駅に電車が止まりその人も私も立つと、

「お腹が痛かったとは分からなかった。あんたを勘違いしていた」
と言ってきつつ近寄ってきて、一緒に電車を降りる。

側からみると私は、ちょっと変わったおじさん(結構変わったおじさん)に絡まれてるように見えて(見えたというかその通りだけど)近くの優しそうなおじさんとかが目で助けようか?と見つめてきてくれたりしたけどそれを笑顔で大丈夫ですとコンタクトをとり、

『大丈夫ですよ!私も勘違いさせてしまってすみません』
と謝ったら、

「私はあんたを勘違いしていたもう2度と会うことはないかもしれないが、俺は変なやつじゃないんだ。かんべんしてくれ」

と言ってきた。笑

『いやー私もよく目つき悪いって色んな人に言われるんで大丈夫ですよ』
「そうなのか。誰に言われるんだ?」
『親とかにも目つき悪いからずっと笑ってろとか言われますよー』

とか、お酒飲んでフラフラしてたから
『ちゃんと手すり捕まって階段降りた方がいいですよ』
といったら
「あんたはいいやつだ。優しい人だ。おれは勘違いしていた。かんべんだ。ジュースおごる」
『いや大丈夫ですよ!待ち合わせしてるので!』

こんな感じのやりとりを繰り返し、結局改札のところまで一緒に歩くという。
(2回くらい人に助けられそうになったけど笑顔で大丈夫ということを伝えた)

駅員さんも心配してくれたけど。

一生あの人に恨まれる人生にならなくて勘違いを晴らせてよかった。

ちなみに話してる間私の足はずっとガクガクしていました。

小学生の時痴漢にあったときなぜかその人が引き返してきた時に「こんばんは」と挨拶をした事を思い出した。
怖い時はその本人に話しかけてしまう性格。

これからは一人の時も顔が死なないように気をつけようと思った。

怖かったけど振り返ると面白かったちょっとした話。

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