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いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 第二話

第一話では音の過去が多くの時間を割いて語られたが、第二話では、練の過去について語られる。まるで、音と練が恋に落ちるのは必然的であったかのように。

【練とじいちゃん】

練はじいちゃんに育てられた。会津で畑を営むことが練の夢だった。しかし、練が20歳の頃、畑の土地を盗られてしまう。練は畑を取り戻すことが夢となりお金を稼ぐために東京に出る。しかし、そう上手くはいかない。会津には帰れない。何故なら、夢が叶わなかったことに気付いてしまうからだ。

東京では、懸命に生きる練の姿が描かれる。真面目に生きるが、低賃金、深夜労働と現実は厳しい。しかし、花の世話をしたりする姿はどこかじいちゃんと通じる部分がある。

練のじいちゃん「さすけね。さすけねえべ」

この言葉は、練とじいちゃんを繋ぐ言葉である。そのままの言葉であったり、強がりの言葉であったりと意味合いは変化するのだ。

【音と東京】

音は駅から徒歩20分、六畳1Kの自分の部屋に住めるようになり、東京に慣れてきたところから始まる。そして、音はあの桃缶を食べずに取ってある。勿論、それは練を示している。しかし、仕事にはまだ慣れていない。手取り14万円で残業代が出ない仕事、500円の傘を買うのも躊躇する生活なのだ。

東京に引っ越した音の心の中にも雨が降る。それを表すように荷物を届けに雨の中を走る音。

そんな音には、ずっと残っているものもある。

音「恋って、会ってる時間じゃなくて、会ってない時間に生まれるものじゃないですか」

引っ越し屋さんの存在だ。あの日から、練との思い出は止まっている。しかし、音は想像するのだ。それは、小さい頃からの癖である。自分で物語を作ることができる想像力こそが練への想いを増幅させたのだ。

【お金】

佐引が二十万円のスピーカーが壊す。それを練の責任にされてお金を請求される。そして、その支払いを木穂子ちゃんが肩代わりするのだ。

そして、あの前代未聞のシーンが描かれることになる。綺麗な傘を刺す木穂子ちゃんに対してビニール傘の練。このドラマには出てくることのなかった綺麗なカフェ。そこは練にとってはまさに異空間である。そんなカフェで二人はお茶をしながら話す。嘘をつく練に対して、それを見抜いている木穂子。お互い本当の気持ちを隠しながら、横滑りの会話が続く。

会計はコーヒー二杯で2310円。練の財布には千円札と小銭しか入っていない。すべて出すが30円足りない。30円を貸して欲しいと練が言う。しかし、木穂子の財布には小銭がなく、一万円しか入っていない。そこで一万円を店員に渡し、練が出したお金を財布にしまう。(お金については第一話のレビューを参照)

【すれ違い】

音はコインランドリー南口店、練は北口店。百円ショップですれ違う二人。コインランドリー南口店が改修工事で北口店に行く音、そこに行こうとするが木穂子ちゃんに止められる練。

犬を探す練、犬の鳴き声が音を引き寄せる。座り込んでしまう音。そして、犬の鳴き声が音の声にならない叫びとなり、練を引き寄せる。そして、ついに2人が再会する。

音「引っ越し屋さん、できたらでいいんやけど…名前教えて、電話番号教えて、私も東京で頑張ってるから」

ここで思い出されるのが第一話のこの台詞だ。

音の母「時に人生は厳しいけど、恋をしてる時は忘れられる」

重要なメッセージは何度も繰り返される。音は練であり、練は音なのである。そして、音と練の間にいるのは、間違いなく音の亡き母である。決して色褪せることのない手紙はつっかえ棒から心の支えに変化したのだ。

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