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数学と3Dプリンター(試作編)

 前回,数学の授業で3Dプリンターが活用できるのか,色々と調べている内容を備忘録を兼ねてまとめました。

 今回は「まずは動かしてみよう!」ということで3Dプリンターを動かしてみたので,その内容をまとめていきます。

1.3Dプリンターの準備

 本校にある3DプリンターはCREALITYのEnder-3です。なんとお値段2万円程度という,初めての3Dプリンターにもってこいのプリンターです。

 まず初めにベッド(作品が造形されるテーブル)とノズル(素材が出てくる先っぽ)の位置を調整しないといけないのですが,これはかなり大変でした。まず,ベッドの下に4箇所あるネジを回して調整するのですが,何回も調整しないと低いところと高いところができてしまったりします。何回かテストプリントを繰り返すうちに,印刷できるようになりました。

2.印刷データの準備

 今回は印刷する3Dデータについてはインターネットにある著作権フリーの素材を拝借しました。3Dデータを公開しているサイトはいくつかあり,とても参考になりました。
 STLファイルの3Dデータを用意できたら,次はスライサーソフトを使ってgコードに変換していきます。これはどのように層を重ねていくのか指示していくためのファイルに変換しています。
 スライサーソフトはUltimaker Curaをインストールしました。利用者が多く,利用方法のサポートが多そうなので選びました。

 これで印刷の準備は整いました。

4.印刷開始

 いよいよ印刷の時間です。今回は正十二面体と正二十面体をプリントしてみました。4cmほどの正二十面体をプリントした時のタイムラプス動画をリンクしておきます。60秒以内の動画を公開するYouTube Shortにアップしてみました。

 この大きさの正二十面体で印刷時間は1時間半ほどでした。もちろん大きさだけでなく,スライサーソフトでの設定で印刷時間は大きく変わります。特に内部の密度をどうするかが大きく左右します。
 この半分の大きさで印刷してみた正十二面体は30分ほどでした。こちらはノズルが詰まってしまったタイミングがあり,一部穴が開くトラブルがありましたが,概ね上手に印刷することができました。

5.感想

 ということで3Dプリンターを実際に動かしてみました。ベッドとノズルのクリアランス調整には悪戦苦闘しましたが,一度調整できれば次回以降は微調整で済んだので,初めの第一歩は踏み出せたのではないでしょうか。
 印刷しているときのワクワク感だけでもすごいので,これが自分でモデリングしたデータだったら…と思うと意欲が湧いて仕方ありません。
 数学の授業への導入という視点で見たとき,印刷物は良い造形でしたし,素材はプラスチックなので手を入れることも容易です。立体の裁断を実際に行うことができそうです。最新の数学教育っぽい手応えを感じました。

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