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日記:2024年3月9日 晴れのち曇り時々霙

・ラノベを買って最初にすることは中に挟まってる新刊告知を抜くこと。当たり前だろという話だが、浮き足立ってバカ正直に開いてしまった結果、先のページのネタバレを踏むみたいな事もよくやらかしていた。それも昔は極めて邪険に扱ったものだが、近ごろは曲がりなりにも知人が携わっていることを思うとなんだか蔑ろには出来なくなってしまった。正直言ってラノベに触れる事自体、若かった頃に比べると確実に縁遠くなっているので、今でも毎月こうして新刊が世に出ているのだと改めて思うだけでも新鮮な感じだ。

・告知を見やると、知らぬ間に「狼と香辛料」は新説を謳っており、「とある魔術の禁書目録」はいつの間にやら新約すらも超えて創約となって久しいらしかった。「ソードアート・オンライン プログレッシブ」とか言われた当時も猫ミームみたいになったのを思い出すが、普通に続編と受け取っていい場合とそうでない場合があるっぽい。真面目に追ってない俺が悪いのはまず間違いないとして、電撃さん。これはどういう事なんですか。

・思えば昔から、オタク的なコンテンツが好きというよりもそれによって形成されるどこか近未来的な「オタクの街・秋葉原」というステレオタイプ、カルチャー最前線的な雰囲気に対する憧憬が先に立っていた。実際、初めてひとりでアキバに降り立った時などはiPodに入れていたClariSの「irony」を聴きながら、内心で小躍りしていたものである。流石に今となってはそうした幻想も郷愁へと還りつつあるが、それでも都会のアニメショップなどにふらっと立ち寄ると、ほのかにあの頃の残り香を感じて未だに嬉しくなる。

・「Fate/strange Fake」9巻読了。相変わらずパワーインフレとセンテンス単位で死蔵されている型月世界観の共通設定の露出が著しい。元ネタが全部わかるオタクは後で僕と答え合わせしましょう。しかしFate関連書籍というのは、どうにか設定を暴こうという気持ちが先行し過ぎなきらいがあって、良くも悪くも「ロード・エルメロイII世の冒険」然り、専ら商業ラノベというよりも公式発の同人誌的な趣が強く感じられる。型月厨としては垂涎モノだが、正直それを差し引いてもクドさや臭みがあるのは否めないところだ。本作も気付けば長い付き合いで10年近くにもなるが、次で最終巻との告知。後書きで筆者自ら危惧しているが、ページ数は足りるだろうか。

・地方在住者として東京の文化資本には甚だ驚かされるものの、比較的カジュアルに赴けるようになった今、ここに総てがあるのだと思うと、かえってスケールが小さいようにも感じられてしまう。毎週連載を楽しみにしているあの漫画家も、毎日テレビに出ているタレントも有名声優も結局はあの土地の何処かに縛られ、然るべき自治体に納税していることを思うと、その卑近さ、矮小さのあまりどこか白けてくるというか。大人になったのだと言われればそれまでだろうが、漠然と胸に抱いていた遠くの世界への憧れは、なんとなくいつまでも持ち続けていたかったような気がする。

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