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【設定資料】エルシオン

エルシオンというのは国の名前ではなく、惑星ルーランスの南洋に存在する島大陸のことをさす。

一般に<魔法文化圏>で知られるこの島大陸は周囲を目に見えない「結界」で覆われており、物理的に出入りする分には全く問題はないが、この結界より内側ではあらゆる電子機器が活動停止状態に陥る。

地球連合の最先端機器ですらこのエリアでは全く機能せず、それが原因なのか過去二度にわたって連合の調査チームが消息不明になっている。軌道上の監視衛星に搭載してある電子の目も結界より向こう側は探査できずにいる。

エルシオンには緑豊かな草原から不毛な砂漠に至るまで一通りの地形が存在しており、科学技術は中世ヨーロッパ程度である。魔法文化の特徴ゆえか遅れた科学技術は古来から続くことで、現時点においても進展する気配はまったくなく、それゆえに長い年月を経た現在においても生活様式に変化は見られない。

住民はどちらかといえば閉鎖的な気質で領土拡大等の為に<機械文明世界>へと進出することはない。またそれらの世界からの訪問者を歓迎しない。彼らはエルフとドワーフ、ドラゴンと妖精といった伝説あるいは空想の生物たちと共存している。島大陸全体を統括する政府は存在せず、いくつかの国が併存している。

長らく機械文明世界からの干渉を受けずにいたが、この地を植民地にせんがため、あるいは魔法を自国に導入せんがため、侵略の為の軍隊がしばし外界より送りこまれ、血なまぐさい戦争がたびたび発生している。どの時代、どこの国の侵略者も、エルシオンの<剣と魔法>に勝利した例がなく、この神秘な島大陸を占領することは不可能だという観念が内外を含めて一般的である。

近年においても某国が自国資本の市場化を目論み、エルシオンの一部地域に軍隊を派遣。アナログ(非電子)系の戦車や戦闘機といった兵器で一時期は占領に成功したものの、彼らの想像を絶する魔法攻撃や外世界の軍事理論では対処不能な反撃を受け、何ら得るものがないままエルシオンから撤収するという事件が発生している。

特異な閉鎖世界ゆえに国際社会からは除外された存在であり、時代はこの世界の頭越しに進展している。そして同時にエルシオンの者自身も外の出来事に関与しようとは思っていない。


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