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第二次世界大戦時にドイツが英領ジブラルタルを占領していれば?[第6回目]

~ 映画や書籍で考える歴史と時事 ~

前回の記事では、ソ連参戦について述べた。

イギリスの負担を軽減する大国が参戦すると、ドイツによるジブラルタル占領のメリットは低下し、場合によっては奪回される危険性もでてくる。特に、アメリカが参戦するような事態になると、その可能性は非常に高くなる。

では、結局のところ、ジブラルタル占領を成し遂げたとしても、歴史の流れをほんの少しだけ変えることにしかならないのだろうか。



私の考えは…「少ない可能性ながら、限定的な勝利にもちこめるチャンスはある」というものである。


ドイツがある程度の勝利を獲得する形で戦争を終わらせるならば、以下の逆算方式で戦争遂行計画が必要であると考える。

① 米ソが参戦する前にイギリスと講和を成し遂げること。

② イギリスとの講和が成立するためには、それを支持する勢力が政府内で  主流とならなければならない。

③ 前述の講和勢力を拡大させるためには、ロジステックや心理面でイギリスを追い詰めなければならない。

④ 海外植民地や他国から英国本土に海上輸送されてくる物資の流入を遮断することにより経済面で締め上げ、同時に空爆により心理面で追い詰める。

⑤ ジブラルタルを占領することによって、インドから地中海経由で英国本土に至るシーレーンを遮断できるだけでなく、地中海の海軍戦力バランスも変化することになり、北アフリカでの戦いをドイツ側に有利な形で進展させる可能性が高くなる。これはまたイラクの石油採掘エリアまで独軍が進出できる可能性を惹起させることでもある。

次回は、上記について掘り下げて述べます。(続く)


〇 参考映画


〇 映画や書籍で考える歴史と時事


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