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"①Coffee and love are best when they are hot"(コーヒーについて:世界編)

「エルサルバドル」と聞いて、まず初めにコーヒーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

私はこれまでコーヒーはブラックだと1杯飲むだけで胃がもたれる感じがしていたのですが、こちらに来てからは、最後まで「おいしい!」と感じられるコーヒーがたくさんあることにびっくりしました。

よく行くコーヒー屋さんでは、豆に加えて淹れ方も選ばせてくれ、オーダーするごとに、豆の種類、生産地、標高、乾燥方法が書かれたカードをくれます。後で比較したりできるので便利。エルサルバドルでは標高の高い豆のほうが高価のようです。

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淹れ方については、これまでフィルターか、せいぜいフレンチプレスくらいしか使ったことがなかったのですが、こちらにきてChemexという抽出器に出会いました。小学校の理科室でよく見るやつに似ています。と思っていたらやっぱりドイツの物理学者が開発したようです。実験中にコーヒーが飲みたくなったのかな。

Chemexに使われるフィルターは一般的な物よりも分厚く、セットすると円錐の形になるため、抽出されたコーヒーはよりゆっくりと、一箇所から落ちるので均一の風味になるそうです。抽出されたコーヒーをフラスコの中でくるくる回すことで空気を含めることができ、味わいはよりスムースになるそう。個人的にはドリッパーとサーバーが一体化しているので、洗い物が減っていいなと思いました。

(↓Chemexにお湯を注いでくれている図。こうして淹れられたコーヒーは、もれなくおいしい。1杯のありがたみを実感します。)

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コーヒーを通じて見る世界

コーヒーを通じて見える世界が見たい!ということで、まず、世界中の皆さん、どれくらい飲んでいるでしょう。2020年の一人当たりコーヒー摂取量を見てみると、国別ではフィンランドが1位。なんと1日に換算すると一人あたり4-5杯飲む計算。続く神セブン2位以下は2.ノルウェー、3.アイスランド、4.デンマーク、5.オランダ、6.スウェーデン、7.スイスと、いずれも北欧の日照時間が短い先進国が上位を占めています。

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輸入量については、EU諸国をひとまとめにすると、1位EU(33%)、2位米国(19%)、そしてなんと3位に日本(5%)。EU、米国に次いで日本が世界の5%のコーヒー豆の購入者というのは、意外な事実。中国や他の新興国は今後もっと伸びてくる気がします。

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生産国はどこが多いのかというと2020年の世界のコーヒー豆生産量は1位~3位がブラジル、インドネシア、エチオピア。エルサルバドルは上位18番目で割合にすると世界全体の1%以下の生産量。意外と少ない。生産している豆はアラビカ種(※)が100%なので、インスタントコーヒーや缶コーヒーなど、ザ・商業的なコーヒーに使われるロブスタ種は全く作っておらず、生産量が低くてもエルサルバドルコーヒーは比較的目にしやすいのかなと思います。下の表を眺めていると、輸出国はほとんどが非植民地国、輸入国は植民地支配を行った国が多い。

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※↓アラビカ種とロブスタ種の違いについてはこちらをご覧ください😊

日本の輸入先はというと、1位ブラジル、2位ベトナム、3位コロンビア、エルサルバドルは10位にランクインです。豆の輸入単価は、ケニアとコスタリカの豆はエルサルバドルの倍近くします。

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そしてエルサルバドルの輸出先を見てみてると、輸出量についてはダントツで米国(49%)、次いでドイツ(9.9%)、そして日本は3番目(9.6%)にランクインです。輸出額に関してはドイツを凌いで2位なので、日本は比較的良い客(鴨?)なのカモしれません。

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他方、2019年のエルサルバドルのGDPに占めるコーヒー輸出は1.8%と、そこまで大きくない。1920~30年代にはエルサルバドルの輸出全体の90%をコーヒーが占めていた時代もあったようですが、90年代まで続いていた内戦の影響で、エルサルバドルにおけるコーヒー産業は年々縮小しているようです。

(↓2019年エルサルバドルの輸出品目 )

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嗜好品は生産者と消費者が異なることが多いですがコーヒーも例外ではありません。コーヒーが無かったら。今の世界の構図も変わってくるかもしれない。コーヒーから見える世界はそんな風に感じます。

少し長くなってきたので次の投稿ではエルサルバドルのコーヒーの生産地について紹介させていただきます☺☕







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