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人間社会の声より宇宙原理の声ー発達障害と呼ばれる人が有利なこと

これまで発達障害というキーワードからの記事に始まり、ありのままの自分を受け入れることが自己肯定感を上げ、幸福度を上げるのに役立つのではないか、という仮説を書いてきた。

ただ、このありのままの自分を肯定することと今の自分のままでいることは別の話だ。

ありのままの自分は実際には、エゴにまみれ、いろんな規範や記憶に縛られている存在だ。

そのままで何もしなくて幸せに生きられるということはないと思う。

それに、今の自分をただ頭で肯定したところで、感情的に自分を許せなかったり、落ち込んでしまったりするなら、それは肯定したことにはならないだろう。
自分を愛せよ、自分を好きになれ、と言われたって、そう簡単になれるものではないと思う。

ありのままの自分と言っても、その奥にある純粋な自己の周りを社会によって作られた自己によって固められた状態だと言っていいと思う。

イメージとしては一人の人の心の中に純粋の自己という中心の球体があってその表面をいく重にもエゴ、承認欲求、記憶や恐怖、規範などで構成される厚い層がある。その層が厚いほど、純粋自己の影響力は小さくなる。
もし周りを覆う層が薄くなって純粋自己の球体の容量の方が相対的に上回れば、その影響力の方が強くなる。

周りに作られた層は社会とつながり、純粋の自己は宇宙の原理とつながっている。
人間も宇宙の産物で宇宙の一部だから。

純粋自己の割合を多く生きるようになれば宇宙の流れに乗って物事は抵抗なく進むようになる。

本来ならスムーズに進むべき道を阻んでいるのは、他でもない、自分の中にある雑多な思考というわけ。

社会の中で作られるその思考はどこまでも社会と自分をつなぐもので、人間社会という宇宙の中でもごく小さな部分のことでしかない。
それに比べて元々宇宙の落とし子として作られた社会化されていない純粋の自己はそのまま宇宙の原理に添うから一番自分にとって無理のない道を開いてくれる。

人の頭の中にはいつでもたくさんの声が響いている。昨日のこと、明日のこと、遠くにいる誰かのこと、ずっと前の自分の失敗のこと、いろんなお喋りが延々と続いている。
その声のおかげで今ここにある宇宙からの声を聴くことができなくなっているのがほとんどの人間のありようだ。

宇宙からのメッセージはいつもかすかな声なので、余計な思考をしていれば聞こえない。美しいメロディーが流れているのに、大きな声でたくさんの人が喋っていて聞こえなくなっているようなものだ。

たくさんのお喋りをやめさせることができれば、宇宙の流れに沿ったインスピレーションや直感がやってくる。

余計なお喋りがやめば自然と自分にとっての宇宙原理の存在が大きくなる。

全ての人はお母さんのお腹にいた時はそうだったに違いない。まだ言葉を知らず、余計な思考をしたくてもできなかったはずだ。

だから、幾つになっていたとしても今この時から頭の中の余計なお喋りをやめて宇宙との一体感を取り戻せばもう人は不安や恐怖に怯えることもなくなる、はずだ。

坐禅の意味はそこにあるだろう。

ブッダも禅も、また、多くの幸せな生き方を解く人々皆、この頭の中の思考を落として今ここを生きなさい、言っている。

それが簡単にできない、というのも事実ではあるけれど、でも逆に言えば、もしそれができれば人生はずっと生きやすく安らかなものになるはずだと思う。

ラッキーに恵まれるように見える人というのは心の中の純粋自己を覆うものが人より少ない人、ということだと思う。

私自身まだまだ思考を捨てる修行中だけれど、このことに気がついて少しでも余計な思考を外すようになって以来、どんどん、嫌な人や嫌なことに遭うことが減っていったのは驚くほどだ。


宇宙は広大だ。


それに比べたら人間の社会なんてとるに足らない塵や埃みたいなもの。
そんなものに振り回されるのをやめ、社会から植え付けられた観念から自由になることが人間の不幸からの脱出の第一歩じゃないかと私は思う。

発達障害と呼ばれている人をはじめとして、今この社会の中でうまくいっていない人はこの観点から言えばむしろラッキーなんだと思う。
多分それは自分のところへ戻っておいで、という宇宙原理からのメッセージだから。

ところで、今アドラー心理学を対話形式で解説している「嫌われる勇気」を読み直した。

「ありのままの自分を受容すること」「承認欲求から自由になること」「今与えられていることで何をするか、できるかを考える生き方」「今ここに生きること」が説かれた本だった。

10年くらい前に出て大いに話題になった割にはほとんど理解されないままただのブームで終わってしまったのではないかと思う。

純粋な自己の割合を大きくするのに大いに役に立つ素晴らしい本だと思う。


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